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第77話




ルイスとソフィアがグラシア領を出て四日目の昼過ぎ王都に着いた。

馬車の窓から見える変わらない王都の人々の活気にソフィアは帰って来たのだと実感する。

王都の西門を潜り暫くして【まんぷく亭】に着き馬車は止まったが何故か二人は一向に降りては来ない。

そんな場所の中で二人は、レティシアやロベルトが見たら砂糖を吐きそうな程に甘い空気を漂わせていた。


ルイスはソフィアの柔らかい手を握り、寂しそうに眉を下げている。

「ソフィア、名残惜しいがもう家に着いてしまった…出来ればこのまま俺の屋敷まで連れ去ってしまいたいが、妹君に悪いからな。

ソフィアとの旅行はとても楽しかった、また休みが取れたらどこか行こう」


「ふふっ、ルイスのお屋敷はまたの機会を楽しみにしてますね。だからそんな寂しそうな顔をしないで下さい。

私もルイスとまた旅行へ行ける日を楽しみにしてますね」


グラシア領から帰って来る途中は、前日に婚約をしたことで二人は馬車の中では終始甘い世界を作っていた。そのせいで四日間はあっと言う間だった。馬車の中で距離が縮まったのだろうソフィアはやっとルイスのことをさん付けしないで呼べるようになっていた。


馬車から降りたら、仕事が忙しくて暫くは二人きりにはなれないとわかっているルイスはソフィアを抱きしめ唇をかさねた。


「…愛してる、早く一緒になりたいな」


「私もです」


「ご両親に挨拶をしたいから帰って来たら教えて欲しい」


「はい」


二人は名残惜しそうに体を離し、ソフィアはルイスにエスコートされ馬車を降りる。

ルイスはまた夕方来ると言って馬車に乗り、荷物を置きに一旦屋敷へ帰って行った。


ソフィアはたった十日間家を空けただけなのに懐かしさを感じ、コンコンと扉を叩いた。

店の中からバタバタと音がきこえたかと思うとバーンと扉が開きレティシアがソフィアに慢心の笑みを浮かべ飛びついてきた。


「お姉ちゃんおかえりなさーい」


「ただいま、レティ。お留守番ありがとう、いい子にしてた?」


「もう!子供じゃないんだからちゃんと留守番できたよ」


「そうね、来年成人だものね。そうそう!お土産沢山買ってきたのよ、話したいこともあるし早く部屋へ行きましょう」


「はーい、楽しみー」


ソフィアは着替えるために部屋へ行き、レティシアは自分の部屋でソフィアが来るのを待っていた。


「レティお待たせ〜」


「お姉ちゃん、早く早く」


「はいはい」


ソフィアはインベントリの中からお土産を次から次へと取り出した。


「えっと、これはシャロちゃんとお揃いの髪飾りでね、グラシア領の海で取れた真珠が着いてて可愛いでしょ。お茶会でも着けて行けそうかなって」


「うん、シャラシャラしてて可愛い」


「あと、このマグカップはロベルトさんとのペアになってるのよ」


「ありがとうお姉ちゃん!大事に使うね」


「後でロベルトさんにも渡さないとね」


「夕方、仕事が終わったら来るって言ってたよ。きっとロベルトさんも喜んでくれると思う」


「結婚したら使ってね」


「けっ…結婚なんて…まだ…」


レティシアの顔が真っ赤なのに気がついたソフィアは、自分がいない間に何かあったのだろうと感が働いた。


「ねぇレティ、私がいない間に何かロベルトさんとあったの?」


「えっ?えっと…その…」


「?」


「あっ、お姉ちゃんその新しいネックレスどうしたの?」


レティシアは咄嗟にソフィアのネックレスの話題に話をそらした。


「これ?これはルイスから誕生日プレゼントに貰ったの」


ソフィアが左の指でネックレスを触るとレティシアが指を指して叫んだ。


「あ!お姉ちゃん、その左手の薬指の指輪ってもしかして?」


「ふふっ、そのもしかしてなの。帰る前の日にルイスからプロポーズされたの」


「そっかぁ、おめでとうお姉ちゃん!だからかぁ団長さんのことさん付けしなくなったのは」


「だっ…だってルイスが呼び捨てしてって言うから…」


「じゃあ私も団長さんじゃなくて、お義兄さんって呼んだほうがいいのかな?」


「も、もう、レティったら!」


今度はソフィアの顔の方が真っ赤になった。幸せいっぱいな姉を見てレティシアは隠してても仕方がないと思って、ソフィアがいなかった時の話をした。


「あのねお姉ちゃん。私もこの前ロベルトさんに婚約指輪を送りたいと言われたの」


「まぁ!良かったわねレティ」


「うん、お姉ちゃんもね」


ソフィアとレティシアは微笑みながら抱きしめあった。


「お父さん、私達の結婚話をしたら泣くかもしれないわね。お母さんは凄く喜こんでくれそう」


「だね〜。あっ、思い出した!お父さんとお母さん明日帰って来るって連絡があったの。今は王様に捕まってお城にいるんだけど、今日中に話終わらすから明日には帰るって」


「そう、ちょうど良かったわ、ルイスがお父さんとお母さんに結婚の挨拶をしたいって言ってたから」


「明日はロベルトさんも挨拶したいって言ってたから、お父さん大丈夫かな?時間差でショック受けるより一度に受けたほうがダメージ軽くてすむかな?」


「そうかもね、夕方ルイスも来るって言ってたからロベルトさんと四人で明日の話をしましょ。さて、久しぶりにたっぷり料理がしたいわ、レティも手伝って」


「うん、久しぶりのお姉ちゃんの料理楽しみー」


「ふふっ、レティは何が食べたい?」


「えっとね…オムライス!」


「レティは小さい頃からオムライス好きよね」


「お姉ちゃんの料理はどれも好きだけどオムライスは別格なの〜」


十日ぶりに姉に会えて、なんだかいつにも増して甘えるレティシアは台所で手伝いながらもソフィアから離れなかった。





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