表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/109

第76話

晩餐の時間になり、ルイスの部屋からダイニングルームへと移動し食事を始めた。

ルイスはソフィアに叔父夫婦に結婚の報告をしたいと思っていることを告げる。


「ソフィア、プロポーズの返事をもらったばかりでなんなんだが、晩餐後に叔父夫婦に結婚の報告をしたいと思う。詳しくは分からないが結婚の準備は時間がかかると聞いている。今のうちに報告しておけば王都へ帰ったあとソフィアのご両親に挨拶して直ぐに準備に取りかかれるだろう?王へ許可を取らなければいけないしな」


「わかりました。私が王都へ帰る頃、両親も王都へ帰って来ると思うので両親に結婚の報告をしたいと思います」



ルイスは、叔父夫婦に話があるので会いたいから都合を聞いてくるよう執事に告げる。暫くすると執事が戻って来た。


「ルイス様、マルセロ様とカミラ様は1時間後サロンでとのことでした」


「そうか、わかった。ありがとう」


ルイスとソフィアは食事を済ませ、早めにサロンへ行き叔父夫婦が来るのを待っていた。


暫くするとマルセロとカミラがサロンに入って来た。ルイスとソフィアは立ち上がり叔父夫婦に挨拶をした。


「叔父上、叔母上、おくつろぎ中お呼び立てしてすみません」


「ルイス待たせたね」


「いえ。あの、叔父上と叔母上にお話したいことがありまして」



立ち話もなんだからと、マルセロとカミラは一人掛けのソファに座り、ルイスとソフィアは二人掛けのソファに座った。


「ルイス、話とはなんだい?」


「先程、ソフィアにプロポーズ致しまして、快い返事をもらいました。私はソフィアと結婚します。日頃お世話になっている叔父上叔母上に早くお知らせしたくて、それで…」


ルイスが話してる途中でカミラが目を見開きボロボロと泣き出した。隣に座っているマルセロは妻にハンカチを渡す。


「ほらほら、せっかくのお祝い話なんだから少しは泣くのを我慢しなさい」


「ごめんなさい. 年を取ると涙腺が弱くなるみたいだわ…。でも貴方…ルイスがソフィア様と結婚するだなんて嬉しくて…。

ルイスの結婚のお相手がなかなか見つからなくて心配だったのよ。ルイスのお付き合いしてるのがソフィア様だと知った時は奇跡だと思ったけど、まさかソフィア様がルイスと結婚して下さるなんて。結婚のお相手がソフィア様だなんてお義兄様やお義姉様が生きてたらどんなに喜んだでしょう」


「叔母上…」


涙を拭いているカミラの隣のマルセロは笑顔で二人に祝辞を述べた。


「ルイス良かったな。ソフィア様ありがとうございます。ルイスをよろしくお願いします」


「マルセロ様、カミラ様、こちらこそよろしくお願い致します」


ソフィアが深々とお辞儀をするとルイスも同時に頭を下げた。












___________________________



一方その頃、王都では。





「ロベルトさん、いらっしゃませ!」


「レティ、お邪魔します」


「今日も来てくれて嬉しいです」


「私もレティに会えて嬉しいです」


ソフィアが居なくて寂しいだろうと、ロベルトは仕事の合間をぬって毎日レティシアに会いに来ていた。


団長のルイスが留守の間、ロベルトが代理で第三騎士団のトップを務めているため、とても多忙なのだが、疲れなど一切見せずロベルトは恋人との時間を大切に過ごしている。


「今日の夕食はミートスパゲッティを作りたいと思います!

玉ねぎをみじん切りにして炒めて、その後にひき肉を入れてまた炒めます。

ストックしておいたトマトソースを入れて煮込んで、その他諸々の調味料を入れたらミートソースの完成です!

そしてスパゲッティもマルシェで売ってたのを時間通りに茹でで、ミートソースと和えたらミートソーススパゲッティの完成です!」


「では私は玉ねぎをみじん切りにしますね」


「お願いします!」


一緒に夕食を作ろうと、レティシアとロベルトは共に厨房に立って、料理を始めた。


昔に比べるとレティシアの料理の腕はだいぶ上達した。

なのでソフィアに見ていて貰わなくても一通りの料理は、たまに失敗する時もあるが作れるようになっていた。


「わぁ!ロベルトさん包丁の扱いが凄く上手です…あっという間に玉ねぎがみじん切りになっていきますね」


「普段は余り料理はしませんが、野営などの時に必要なので一通りは出来るように騎士は訓練するんです」


「なるほど、確かに必要ですね」


「えぇ、ですが慣れるまでは上手に出来ず、消し炭のような肉の串焼きをよく食べたものです…生焼けよりはマシでしたが」


「うわぁ…大変でしたね」


「はい、特に第三騎士団は野営する事が多いので。

美味しいものが食べたいと皆、料理の腕の上達が早いんです」


話している内にあっという間に玉ねぎのみじん切りが終わり、炒めの作業にうつる。


玉ねぎがある程度炒め終わると、ひき肉を入れて、また炒める。


「美味しそうな匂いがしてきましたね」


「下味もつけましたし、炒め終わったので次はトマトソースを入れて煮込みますね」


「トマトソースはストックしていたのがあるんですよね」


「はい!トマトが沢山手に入った時にお姉ちゃんと一緒に大量に作ったのがインベントリの中に入ってるので、それを使いますね」


二人で作っていると、あっという間にミートソースが完成した。

後はスパゲッティを茹でて完成である。


「完成ー!失敗しないで作れて良かったです」


「美味しそうに出来ましたね、机に運びましょうか」


「はーい!ロベルトさん、デザートもあるので食べ過ぎ注意ですよ」


「デザートですか!それは食べ過ぎ注意ですね」


「「いただきます」」


席に着いて早速出来上がったミートスパゲッティを食べ始める。


「ん!美味しく出来てますね」


「そうですね、とても美味しいです」


幅広のスパゲッティに、ミートソースがよく絡まっていて美味しく出来上がっていた。

もぐもぐと咀嚼しながら内心、失敗せずに作れてレティシアはホッとしていた。


姉ではなく恋人と一緒に料理をして食事をするのは、とても新鮮で楽しい。

(結婚したら、これが当たり前になるのかな?)

そんな事を考えていたら、ロベルトとパチッと目があった。


「レティ?どうかしましたか?」


「ううん!何でもないですよ!

あ、そうだ!ロベルトさんの誕生日っていつなんですか?ずっと聞こうと思ってたんです」


あからさまに目を逸らし、話題を変えるレティシアにロベルトは笑いながら、深く追求することなくレティシアの質問に答える。


「私は12月の最後の日ですよ」


「来月ですね。もう直ぐじゃないですか!今日聞いて良かったです。

お祝いしたいから、お休み合えば良いんですけど…」


レティシアは姉に相談すればお店の定休日をずらす事が可能だが、騎士団の副団長という身分は忙しいので、希望した日にお休み貰えるとは限らない。


「お祝いですか…」


「ロベルトさん?」


「いえ、両親が亡くなってから誕生日を祝ってもらう事がなかったので、今年からレティに祝ってもらえるんだと思ったら嬉しくて」


本当に嬉しそうに微笑んだロベルトにレティシアの涙腺が刺激された。


「ロベルトさん…」


「是が非でも休みをもぎ取ってきます!……森で魔物が急激に増えたりしない限り多分休めると思うので」


「う、うん。無理しないで下さいね」


「はい、レティの誕生日は4月でしたよね?」


「そうですよ!覚えていてくれたんですね」


「えぇ、レティは次の誕生日を迎えると成人しますよね」


「そうですよ」


「こんなふうに新婚生活をおくるのも、案外早く来そうですね」


「ふぇ///!?」


「ははっ、顔が真っ赤になってますよ。

レティの誕生日には、ここに指輪を贈らせてください」


そう言ったロベルトはレティシアの左手を掴み、薬指にチュッと口付けを落とした。


「ゆ、指輪ですか」


「はい、レティは指輪は嫌いですか?戦闘で邪魔なら首にぶら下げれるようにチェーンも用意するので、貰ってほしいです」


「薬指の指輪って…」


「本当はすぐにでも婚約指輪を贈りたかったんですが、レティの好みを聞いてから作ろうと思いまして」


「っ!///」


「どんな石が良いですか?好みの石が無ければ好みの色だけでも教えて欲しいです」


「好みの…色」


好みの色と言われたレティシアは、ふとロベルトの顔を見た。


「ロベルトさんの…瞳の色の石が良いです」


レティシアは、川で転んだ時に間近で見たロベルトの瞳が忘れられない程に綺麗で、1番好きな色になっていた。


「私の瞳の色」


ロベルトはまさか自分の色を身に着けたいと言われるとは思っておらず、驚きの表情を浮かべる。


「だ!駄目なら!他の色でも良いですからっ!!」


そんなロベルトにレティシアは居たたまれなくなり、慌てて訂正する様に腕をバタバタと振って声をあげた。


「駄目じゃ無いです!!レティが私の色を身に着けたいと言ってくれて心の底から嬉しくて思考が停止しただけですから」


「そっか、良かった……。

えっと、私も…ロベルトさんに私の瞳の色の指輪プレゼントしても良いですか?」


「頂けるんですか!勿論、肌に離さずずっと着けますね」


「じゃあ、約束ですね!」


「はい、約束です」


そう言って二人は小指と小指を絡め合った。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ