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第71話

すみません(・・;)体調がここの所優れなくて、投稿が不定期になってます(汗)

グラシア領の屋敷に着いた次の朝、ダイニングでルイスとソフィアは遅めの朝食を取っていた。


「ソフィア、旅の疲れはとれたか?体調は問題ないか?」


「昨日あれから直ぐに寝たので大丈夫です。温泉のおかげで疲れもとれたみたいです」


「そうか、良かった。この後なんだが、漁港の朝市を見てまわって、昼食は昨夜叔父上が言ってたレストランに行ってみないか?」


「父達が行ったレストランですよね、私も行きたいと思っていたんです。父がレストランで何を作ったのか気になりますし」


「ああ、では予約しておこう」


「ありがとうございます」



一時間後、準備を済ませた二人は馬車に乗り込み朝市へと向かっていた。


「ルイスさんの子供の頃はどんな子だったんですか?」


「一言で言えばやんちゃだな。幼馴染みで隣の領主の息子と海や川で泳いだり釣りしたり、木登りしたりしたな。虫取りした虫を屋敷内に逃がして母に凄く叱られたりと、貴族の子供らしくなかったな」


「ルイスさん、元気があり余った子供だったんですね。今もその方とはお会いしてるのですか?」


「ああ、毎年俺が領地に帰ってきたのを見計らって顔を出しに来る」


「ふふっ、とても仲が良いのですね」


「ああ、くされ縁だな」


馬車に乗ってから二十分、今日の目的地の漁港に着いた二人は朝市を見て回っていた。朝市は今まで見てきた街とはまた違った雰囲気で、屋台からは客を呼び込む威勢のいい声があちらこちらから聞こえてきて、見たことがない魚介類を売る店やグラシア領の特産品を売る店など色々立ち並んでいた。


「凄い活気ですね、皆さんに勢いがあって圧倒されてしまいます」


「魚介類は鮮度が命だから、大きな声で客にアピールして早く売りきりたいのだろう」


「確かにどれも新鮮で美味しそうですね。レティに買って帰ろうかしら」


「それは喜ぶだろうな。欲しい魚があったら屋敷に届けてもらうから、他の土産も見ながら一緒に選ぼうか」


「はい」


二人はレティシアが好きそうな魚を探していると、一軒の屋台の魚が目に入った。


 「大きな魚ですね、1メートル位ありそう。怖い顔してるけど美味しいのかしら?」


「この魚は白身だが脂が乗っていて焼いても煮ても美味しいぞ。妹君に買っていったら喜ぶだろう」


「レティは白身魚大好きなんです!ルイスさん、他にオススメはないですか?」


「この目玉が大きい赤い魚はどうだ?スープに入れると美味いんだ」


「そうなんですね。ではこの大きな魚一匹と赤い魚を箱で買っていきます」


ソフィアが支払いをしようとするが「そうか。では店主、この魚を屋敷に届けてくれ」とそう言ってルイスは店主に魚の代金を支払ってしまった。


「ルイスさん、私が支払うのに…」


「この魚は俺から妹君へのお土産だ」


「もう…。ではルイスさんのお言葉に甘えさせてもらいます。ありがとうございます、帰ったらこのお魚料理するので食べに来て下さいね」


「それは嬉しいな」


「腕によりをかけて作りますね」


「楽しみしてる」


「はい!」



朝市の屋台を見た後、二人は海沿いを十分ほど歩いてレストランにたどり着いた。


漁港から少し離れた場所にあるレストランは真っ白な漆喰の壁にスカイブルー色の瓦、道に面した窓に白い木のプランターが取り付けてあり、そこにはアイビーと黄色やオレンジの小花が植わっていてなんとも可愛らしい建物だった。


二人は店内に入り店員に予約していることと名前を告げた。店員にバルコニー席へと案内され席に座ると、ソフィアはバルコニーから見える景色に目を輝かせた。


「海がキラキラ光って綺麗…バルコニーが海に面しているんですね、青い海に可愛らしい白い建物、まるで物語に出てきそうです」


「本当に綺麗だな、今日は天気が良くて良かった」


店員がメニュー表とお冷を持ってくると、店の奥から老齢の男性が二人の元へとやって来た。


「これはこれはグラシア様、ようこそいらっしゃいました。この度はレストラン【マリスコス】をご利用してくださりありがとうございます。私このレストランのオーナー、ボニートと申します」


「ああ、今日はよろしく頼む。オーナー、こちらは英雄様のご息女ソフィア嬢だ。叔父上からここでアルセニオ様が作られた料理があると聞いたんだ。ソフィアがアルセニオ様が作られた料理を食べてみたいと言うのだが」


「英雄様のご息女ソフィア様でいらっしゃいましたか、レストラン【マリスコス】へおいで下さりありがとうございます。その節はアルセニオ様に料理を教えて頂き、おかげさまでここの名物料理になっております。お料理ご用意出来ますが2人前で宜しいでしょうか?」


「そうだな、ソフィアは他に何か食べたいものはあるか?」


「ルイスさんのオススメがあればそれをお願いします」


「では、前菜と海鮮パエリアとブラッドオレンジジュースをもらおうか」


「かしこまりました。少々お待ち下さい」


店員が先にブラッドオレンジジュースと前菜を持ってきた。


二人はグラスを手に持つと「乾杯」と言って口をつけた。ソフィアはブラッドオレンジジュースを美味しそうにコクコク飲んでいる。


「普段飲むオレンジジュースより濃厚でとても美味しいですね」


「気に入ってくれて良かった。トルティージャと生ハム、イワシのマリネも美味しいから食べてみてくれ」


「はい」


ゆっくりと前菜を楽しみながら食べていると、二人の店員が海鮮パエリアとアルセニオが教えた料理を二人の前に各皿を置いた。


「お待たせいたしました。海鮮パエリアとアクアパッツァでございます」


「ああ、ありがとう」


「ごゆっくりお召し上がり下さい」


店員が下がり、ルイスとソフィアは料理を食べ始める。


「父がこちらのお店で作ったのはアクアパッツァだったのですね。こちらのレストランでは白身魚の切り身ですが、父が作ってくれたのは魚を丸ごと使った物だったんです。両親が討伐へ行った帰りに漁港で魚介類をお土産に買ってきてはよく作ってくれました。アクアパッツァ、私もレティも大好きなんです」


「俺も大好きな味だ。この白身魚が貝から出た出汁を吸って旨味が増しているし、一緒に煮たミニトマトが甘くて美味いな」


「久しぶりに食べますが、父が作った味付けと変わりなく、とても美味しいです」


子供の頃大きな魚を丸ごと使ったアクアパッツァを父が作り、母が取り分けて、その隣でレティがわくわくした顔で待っていた。いつもレティは魚の骨を全部取ってと父に強請っては父がしょうがないなと言って骨を取りながらレティに食べさせていた、そんな家族団欒な時をソフィアは思い出した。


「父君は料理が上手くて羨ましい、俺は若い頃遠征へ行った時、食事を作ったのだが…その後料理を作ろうとすると周りの者にお前は作るなと言われてな」


「そうなんですね。でも私ルイスさんの作った料理食べてみたいです」


「…機会があったら作ってみよう」


「はい」


実は第三騎士団では、ルイスが食事を作ると甘くて食べられなくて、ロベルトが作ると辛すぎて食べられない料理ができるので、二人に料理を作らせてはいけない、と団員達に伝説の様に伝わっていた。



「ソフィア、この後街の中心街へお土産を買いに行かないか?」


「ええ、普段お世話になっている方達に買いたいと思っていたので行きたいです」


「歩いて二十分位だが歩きで大丈夫か?馬車でもいいが」


「景色を見ながら歩きたいです」


「ではそうしよう」


食事を済ませ、二人は街の中心街へと歩き出した。中心街までは遊歩道になっていて、道の両脇は紅葉した街路樹と花で彩られている。

ルイスとソフィアは手をつなぎ景色を眺めながら街を歩くと、あっという間に中心街へと着いた。


そして、ルイスはソフィアの手を引いて、真っ先に目当ての装飾店に入る。


「ルイスさん、ここは…」


てっきりソフィアはお土産店に行くと思っていたので驚いた。


「ソフィアの誕生日プレゼントを買いに来たんだ。一緒に選びたくてな、ここに来る前にソフィアにプレゼントを買いに行くと言ったら遠慮すると思って黙ってたんだ」


「昨日のドレスとアクセサリーで十分ですのに」


「あれは別だな。さあソフィア一緒に探そう」


ルイスの笑顔に折れたソフィアはルイスと一緒に店内を見て回る。


「ソフィア、これなんかどうだろうか?」


ルイスが指さしたのはガラスのショーウィンドウの中でひと際輝くピンクゴールドの台座にダイヤとルビーが散りばめられている指輪だった。

ルイスは店員にショーウィンドウから出してもらい、進められるままソフィアは指輪をつけてみた。

華やかではあるが派手すぎずソフィアは一目で気にいったが指輪の金額が目に入り、流石に誕生日プレゼントとして貰うわけにはいかない程の値段だったので、遠慮してしまった。


「とても素敵ですけど、できたらいつもつけていられる物が良いので、他の物を見せて頂いても宜しいですか?」


「そうか、ソフィアによく似合っているんだが…ではネックレスはどうだ?」


「そうてすね、ネックレスの方が仕事中もつけていられるので嬉しいです」


二人はネックレスの売り場へ移動し、再び選び出した。ソフィアが選んだのは金の鎖にパールとルビーが付いたネックレスだった。



「ルイスさん、レティ達にお土産を買いたいのでちょっと見てきてもいいですか?」


「ああ、行っておいで。俺は叔母上に贈るものを見てくるから」


「はい」


二人は別々に見て回り、それぞれ目的の物を購入したので店をあとにしたのだった。

装飾店から出た二人は帰るまでまだ時間があったので他のお土産を探そうと歩いていたら、後ろから声が聞こえてきた。


「ルイスみーつけた!」




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