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〜閑話休題〜レティシアから見た2人

レティシアの心の中

レティシア目線







夜の営業開店時間になってその人達は現れた。



「いらっしゃいませー!」



カランコロンとドアの開ける音と共に私はドアの方を目にするとそこには初めて見るお客さんであった。


騎士の制服を身に纏った長身の短髪赤髪に赤い瞳の少し強面な男性で、これまた絶対にお姉ちゃんが好みであろう素晴らしい筋肉をしていた。


この国では細身な麗人の男性が好まれる為姉の好みは少しズレていると言っても過言ではない、世の中の女性はスマートな男性にスマートに口説かれスマートにエスコートされるのを夢見ると、近所の女の子が熱狂していた。

その女の子の方がきっと世の中の男性より肉食であろう、爽やかな男性を見る目は狩りをしている肉食獣そのものだった。


一方私はその女の子とは違い細身すぎる男性よりは、程よく筋肉のついた男性が好きだ。


そしてきっとこの屈強な男性は姉のドストライクであろう。

顔は整っているが少々強面でいかせん巨体なのできっと世の中の女性には少し怖がられてしまうだろうと勝手に想像してしまった。


そんな事を考えていると、その男性の後ろにはこれまた女性が放っておかないであろう程に整った顔をしている短いサラリとした黒髪にサファイアを思わせる青い瞳を持った男性が現れた、その佇まいはまるで物語に出てくる聖騎士の様だ。

こちらも騎士の制服をビシッと着こなしておりとても格好いい、そしてぱっと見は細身に見えるが私には分かる、きっと彼の制服の下はイイ感じの細マッチョであろうと。


どちらも身体が良く作り込まれてそうな風体で、きっと戦ったら強いのだろうなと感心しながら私は二人を店の中へと案内する。



「2名様ですね、こちらの席へどうぞ!」



お絞りとお冷を持って彼らをテーブル席へと案内する。赤髪の男性の方は私を怖がらせない為か少し背を曲げて身長を低く見せようとしている。

きっと今まで色んな女性に怖がられてきたのであろう仕草に少し同情したが、人の良さが伺えてきっと内面はとてもいい人なんだろうなと思う。


初めての来店の人にする説明した

お代わり無料の話をすると、騎士の制服を着ているのだから見れば騎士と分かるのだが赤髪の男性がわざわざ身分証明書を見せてくれたのでありがたく目にするとそこには、いつも来店してくれている第三騎士団の団長さんと副団長さんであった事に驚きつつも、だからいい筋肉なのだと納得した。

いつも騎士の人にはお世話になっているとお礼をして注文を承り厨房へと戻る。




「お・ねぇ・ちゃん〜!」




「あら、どうしたの?とてもご機嫌ね。新しいお客さんだったみたいだけど」



「うんうん!とてもお姉ちゃん好みの人だったよ?」



お姉ちゃんの腕に抱きついて聞いてほしいとばかりに話し始める。



「私好み?」



「そうそう、とってもいい筋肉していたよ!きっとあの子も好みだろうな」


「あらあら、そんなに言うって事はとても良さげな方だったのね?」


お姉ちゃんと同じ様に筋肉大好き友人の事を思い出しながら話すと、キラーンとお姉ちゃんの碧の瞳が光った気がした。


先程の男性の屈強な筋肉に、見上げる長身を思い出して私はお姉ちゃんに同意する。

絶対にあの筋肉はお姉ちゃんの好みだと。



「うん!物腰も私を怖がらせない為に丁寧だったし、あの第三騎士団の団長さんだし」



「まぁ、団長さんなのね!それは良い感じな人なんでしょうね」


レティシアには分かった、絶対にお姉ちゃんの良い感じの人は良い感じの筋肉を持っている人だという事を。



「うん、あ!注文はねAセットとBセットで両方ライスでお願いします」



「はい、では腕に寄りをかけて作りましょうかね」



筋肉を育てるためかは分からないが少し気合の入ったお姉ちゃんを見て私はニコニコと笑いながらも、唐揚げのお肉をモモ肉からムネ肉に変えないでねと心の奥で思った。


そんな事を思いながらも私はオークの肉を焼いたり、ロックバードの肉に衣をつけて揚げてるお姉ちゃんの横で食器の準備をする。


数分で出来上がったオークの生姜焼きとロックバードの唐揚げ、後はスープとライスも一緒にお盆に乗せる。



「お姉ちゃんも一緒に持って行って欲しいなー」



「ふふ、そうね。一緒に行きましょ」



何時もは私一人で両方持っていけるのだが、他にお客さんが居るわけでもないしお姉ちゃんも気になっているであろうから一緒に行こうと誘ったのだ。




「「お待たせいたしました」」



お姉ちゃんの後ろに着いていくようにBセットのお盆を持ち歩く。

声をかけて料理を置いたお姉ちゃんは料理の説明をしながらきっと考えているんだろうな…騎士の制服からも分かる立派な筋肉の事を、だってお姉ちゃんの目線がたまに顔より下を見ているんだもの。


私はイケメン副団長に料理を置くと笑顔でお礼を言われ、席を後にした。









続く〜

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