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第50話

続きです〜。





「持ってろ」


リカルドは持っていた剣をロベルトへと投げた。

ロベルトの持っている剣は刃を潰した物で、今からの戦いでは使えないだろう。


「えっ…ですが、それではアルバ隊長は」


渡された剣を慌てて受け取るが、それではリカルドはどうやって戦うのだとロベルトは疑問に思った。


「私はこれを使うので問題ない」


そう言ってリカルドは、時空魔法のインベントリの中から大剣を取り出した。

並の人間では両手でさえ持ち上げる事が出来ない大剣をリカルドは軽々と片手で持つ。


「ハハハハハッ!!どうだ!これが私の最強の姿だ!貴様達など、私にかかれば一瞬で殺す事が出来るんだ


ほら、跪けよロベルト・ディアス。

そうすれば苦しまずに殺してやる」



「言いたい事はそれだけか?」



ロベルトに向かって見下す発言をするパブロにリカルドは失笑する。


「なんだと…っう!!?グハッ!!!」


まるで大剣など持っていないかのような、速さでパブロとの距離をつめて、リカルドは躊躇うことなくパブロの右手を切り落とした。


「ッ!!!!!?」


「いくら魔力を上げようが、使いこなせていなければ意味がない」


大剣についた血を払うように剣を振るったリカルドはパブロを冷めた目で見る。


「クソッが!!リカルド・アルバめ!邪魔をしやがって!

ロベルト・ディアスさえ巻き添えに出来ていれば良かったのに」


「…何故私が、貴方にそこまで恨まれているかは知りませんが…貴方に殺されるなど御免です」


「お前の全てが気に入らないんだよ!元平民の癖に爵位まで貰って、私と同じ副団長を任されるなど許せるものか!!?」


「はぁ…」


とてつもない選民意識にロベルトは、呆れて言葉が出ない。


「先程から聞いていれば、お前は何様なんだ?

パブロ・アロソンよ、たかが産まれが侯爵家の三男というだけで、お前はどれ程偉いというのだ?」


「なんだと!?はっ…流石公爵家当主様だ、自分以外は全て下と言うわけか?」


「そんな訳ないであろう、騎士の世界では爵位など関係ない。

力、実力こそ全てだ、なのにお前はディアスに負けたからといって、違法薬物に手を出し、あまつさえ殺そうとするなど」


「くっ…!」


「己の愚かさを自覚し反省しろ」


リカルドの言葉にパブロはきれ、剣を振り回し叫び出す。


「うるさい、うるさい、何が反省だ!偉そうに、お前なんて爵位があるから今の地位にいられるんだろう!

爵位が関係ないのなら、お前を倒して俺様が第一騎士団の団長になってやる」


叫ぶと同時にパブロはリカルドへと切りかかった、しかしその剣は軽く薙ぎ払われ、返す刀でパブロの腹へと打ち込まれた。

パブロは勢いよく飛ばされ舞台の下へ転がり落ちていった。


周りで見ていた者達もリカルドの強さに息を飲んだ、パブロは気絶したのかピクリとも動かない。

ロベルトも近くでリカルドの強さを見て、当分勝てそうにないと改めて思った。

(しかし、登る山は険しそうだがいつか勝たなければレティシアさんの隣になど立てはしない、もっと鍛えなければ)

ロベルトは決意を固く心に刻んだ。


「剣…必要ありませんでしたね」


結局ロベルト渡された剣をひと振りもする事無く、リカルドに返したのであった。


その後、試合会場の一部が壊れてしまったのと、周りの混乱もあって、リカルド対ロベルトの試合をすることができないだろうと王の判断で中止となった。


今大会はロベルトの優勝、リカルドとの対戦はパブロの使った薬の件が分かり次第後日試合を設けることになった。


なんとも後味の悪い試合は後を濁したまま閉幕となった。


ロベルトは応援してくれていたルイス、ソフィア、レティシアの居る席へと向かう。


レティシアは、ロベルトの事が心配しすぎて涙が今にも零れそうな位に目を潤ませている。

ロベルトが自分達の前に来て、無事な姿を見ることが出来て安心したのか力尽きてその場に座り込んでしまった。


「良かったーロベルトさんが無事で…優勝が決まったのに何が起きたか最初解らなかったよ、でも本当に無事で良かった、死んじゃうかと思った…」


安堵からかついに泣き出してしまったレティシアの話す姿を見て、ロベルトは心配をかけてしまった後悔と心配してくれた嬉しさで心がいっぱいになり、力なく床に座り込んだレティシアと目線を合わせる様、ロベルトもしゃがんだ。


「ロベルトさん、優勝おめでとうございます!凄く強かったからびっくりしちゃいました」


まだ目を潤ませながらも、優勝した賛辞を贈るレティシアにロベルトは顔がほころんだ。


「ありがとうございます、レティシアさんのお陰で今年は優勝することができました。

しかしまだまだアルバ様には勝てません。

もし良かったら、また一緒に森へ行って鍛えてくれますか?」


「はい、もちろんです!」


ロベルトとレティシアが会話している脇でルイスとソフィアはふと思った、この二人もしかして…?

ただ、まだ二人とも自覚してなさそうなので、特にレティシアが…恋に発展するかどうか暖かく見守ることにしようと思ったのだった


ライ君にライバル登場ね、レティは私に似て鈍いからどちらも大変そう…どちらと付き合ってもレティシアを幸せにしてくれそうだわ、とソフィアは思った。


レティシア達から離れた場所で、今回のパブロがしでかした件を王子達がリカルドと話をしている、話の合間にライムンドはレティシア達を見ていた。

心配し泣き出したレティシアとロベルトの距離が近く、仲がとても良さそうでライムンドは気になってしかたがない。

もしかしたらレティシアはロベルトのことが好きなのではないかと不安がよぎる。


小さい頃からずっと愛してる女性を他の男になどには取られたりするものか…

そう、ライムンドは心の中でつぶやいた。





続く〜。

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