第49話
〜お知らせ〜
執筆していたタブレットがお亡くなりになり、書き貯めてた話が全て消えてしまった為、これから数週間程投稿が不定期になってしまいます…
ロベルトの勝利を祝う祝福の空気を叩き壊す様に、パブロは大きな声を上げた。
「クソッ!クソッが!!ロベルト・ディアス!!!貴様!元平民の癖に!
運良く騎士爵を貰っただけの奴が、この私に勝つなど」
舞台の上から降りようとしていたロベルトに向かって目を血走りながら暴言を吐くパブロ。
ロベルトは特に言い返す事もなく、パブロの方を振り向いて目を向けた。
「…」
「姑息にも闇魔法を使うなど、騎士の癖に正々堂々と戦おうとは思わないのか!
これだから闇魔法を使う奴は陰湿なんだ!貴様の様にな!」
「なにアレ…」
聞くに耐えない暴言をロベルトに向かって吐くパブロにレティシアは眉をひそめた。
会場にいる全ての人間がパブロの発言に顔を顰める。
何かに追い詰められたような様子のパブロにロベルトは違和感を感じた。
いけ好かない奴だと思っていたが、王族の前で、こんなばかげた発言をするとは思えなかったのだ。
「クソッ…このままでは私は……こうなったら…貴様ごと道連れにしてやる…」
ブツブツと床に向かって話していたパブロは急に立ち上がり、床に転がっていた剣を手にした。
そしてパブロはポケットに入っていた、液体が入った小さな瓶を取り出し、蓋を開け液体を飲み込んだ。
すると、パブロの身体から感じていた魔力が爆発的に上がったのだ。
「死ねっ!!!ロベルト・ディアス!」
「なっ!?」
そう叫んだパブロがロベルトの喉元に向かって剣を突き刺そうとした。
膨大に上がった魔力を使った身体強化だろうか、余りの速さにロベルトは初動が一手遅れた。
「ロベルトさん!!」
レティシアの叫ぶ声がロベルトの耳まで届いた。
(あぁ…流石に刃をつぶした剣でも喉を突かれれば即死だろうな…)
剣先がロベルトの喉元に突き刺さる手前。
レティシアが観客席から飛び出そうとするのをライムンドが肩を掴んで止めた。
「放して!」
このままではロベルトが死んでしまうとレティシアはライムンドの手を振り払おうとした。
「落ち着け大丈夫だ」
「えっ…」
ライムンドのセリフにレティシアは我にかえる。
それと同時に闘技場内に
カキンッ!!!
と、剣がぶつかり合う大きな音が鳴り響いた。
「そこまでだ」
「な、んだと…」
ロベルトの喉元に突き刺さる寸前の剣を振り落としたのは、第一騎士団の団長であるリカルドだった。
何十メートルと離れた場所にいた筈のリカルドは、パブロよりも早い速度で近付き、腰にさげていた剣を引き抜き、パブロの剣を弾き飛ばしたのだ。
「何故だ!何故だ!何故だ!今の私はこの世界で最強なはずなのに!!」
弾かれた剣を見てパブロは怒り狂い、顔を赤黒くし、額に血管を浮かせる。
「お前が何を使って、魔力を増幅させたか知らぬが、それくらいの力で最強とは笑わせる」
煽る様に鼻で笑うリカルド。
「クソッ!!だったら見せてやる最強の力を!」
リカルドの言葉により怒りを爆発させたパブロの周りに、莫大な魔力が集まる。
「何なの…この嫌な魔力は」
邪悪を具現化したかの様な魔力が集まりパブロを包み込み塊になる、それを見たソフィアは身体を震わせた。
「ライ兄様…」
「あぁ…」
レティシアとライムンドがパブロの異様な様子に、警戒を強めた。
すると次の瞬間、パブロを包み込んでいた邪悪な魔力は全てパブロの身体に吸い込まれていった。
そして姿を見せたパブロは、人間と魔物が混ざったかのような姿になっていた。
まるで魔物化したパブロに闘技場の全ての人間が驚き、ざわめく。
近衛騎士は即座に王族を守ろうと安全な場所へ案内しようとしたが、王は動かなかった。
王はこのまま事の顛末を見届けるつもりなのだ。
王妃と王太子妃だけ、安全な場所へと近衛騎士に命じて、王と王太子はその場へと留まった。
「父上…あれはもしや」
「あぁ、違法薬物の1つである“魔血”のようじゃが」
「魔族の血を媒体に作られる薬でしたよね、確か効果は魔力増幅だった筈ですが…あのパブロ・アロソンの姿はいったい」
「儂も聞いたことがないな、魔血を飲んであの様な姿になるとは」
頭に角を生やし、爪や牙は鋭く、瞳は真っ赤に染まっている姿は、人間と言うよりはオーガに近くなっている。
「あるいは…どこかの馬鹿が新たな薬を作ったかもしれないですね」
「可能性は否定できん…
だが…どちらにせよ、魔血を飲んだ者は」
「そうですね…」
とりあえず魔物化したパブロへ剣を向けるリカルドを見守る事にした。
m(_ _)m




