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第40話

続きー




「じゃあ、気を取り直してセラフィナの元へ向かおうか」


王太子を先頭にソフィアをエスコートしながらルイスは後を付いて行く。

王族達がくつろぐ部屋は、一階の今夜会をしている大広間が見えるテラスの付いた二階にあった。


王太子が扉をノックし、入口の両脇に控えていた騎士が扉を開けた。


「お待たせしました、ソフィアとグラシア伯爵を連れてきましたよ」


三人は部屋へ入ると、王太子は妻セラフィナの元へ行き隣に座った。

ルイスとソフィアは王族達に挨拶をしようと頭を下げようとしたが、王妃であるエレノアが止めた。


「あらあら、いいのよ堅苦しい挨拶なんて、私達の仲じゃないの。

ソフィアちゃん久しぶりにあったけど更に綺麗になって、すっかり大人の女性ね」


「ありがとうございます、嬉しいですわエリーおば様」


王太子妃セラフィナが席を立ちソフィアの元へとやって来た。


「ソフィア!久しぶりね、会いたかったわ。ずっと貴女に会えなくて寂しかったのよ」


美人は拗ねている姿も美しいなとソフィアはついそんなことを思ってしまった。


「私も久しぶりにお会いできて嬉しいです、セラお姉様。今度レティシアとお菓子を持って遊びに行かせてもらいますね」


「ええ、楽しみにしてるわ!子ども達も二人に会いたがっているの」


「まあ、嬉しい、私も会いたいです。大きくなられたでしょうね」


「もうすぐ3歳よ、二人ともやんちゃで困っているの。それよりソフィア、隣の殿方はソフィアの良い人?」


「はい、ルイス・グラシア伯爵です」


「そうなのね、ソフィアにやっと春がきたのね。前にお義父様から聞いてはいたのですけど、本当に良かったわね」


ソフィアとセラフィナの会話が聞こえたのかエレノアが話しに割って入ってきた。


「あら!ソフィアちゃんにお相手が出来たの?ソフィアちゃん良かったわね。それにしてもリオったら私に教えてくれないなんて酷いわ!ちょっと文句言ってくるわね!!」


「「あっ…」」


エレノアがブラウリオに詰め寄り怒り出した。


「貴方って人はなんでソフィアちゃんのこと教えてくれなかったの?!貴方は言葉が足りなさすぎるのよ、この前のあのことだって事後報告だし!それに…」


エレノアが怒り出したら誰も止められない…皆とばっちりを受けたくないので放おっておくことにした。


「ソフィア、今のうちにグラシア伯爵を連れてご両親の所へ行ってきたら?」


「はい」


ソフィアはルイスと共に両親の元へ行き、声をかけた。


「お父さんお母さん久しぶり、元気だった? あのね、こちら今お付き合いしているルイス・グラシアさんです」


恥ずかしそうに紹介したソフィアは少し頬を赤く染めた。


「グラシアさんて確か伯爵の?」


アルセニオがルイスに聞いてきた。


「はい、ルイス・グラシアと申します、伯爵位を承っています。ソフィアさんと…お、お付き合いさせて頂いてますっ!どうぞよろしくお願い致します」


ルイスはガチガチに固まりながら、腰を深く折り曲げ頭を下げた。声がうわずりながらもなんとか挨拶することができた。


「グラシア伯爵、頭を上げて下さい。父のアルセニオです、ソフィア事よろしくおねがいします」


そう言ってアルセニオはルイスに握手を求めた。ルイスは安堵し握手を返した。


「グラシア伯爵、母のヴァレンティナよ、ソフィアのこと幸せにしてね」


にっこりと微笑んだヴァレンティナの笑顔はソフィアにとても似ていて美しかった。


「グラシア領って海があって、湖もあってとても綺麗な所よね、魚介料理が美味しかったわね」


「お父さんとお母さんグラシア領に行ったことあるの?」


ヴァレンティナが行った時のことを思い出しながらソフィアに答えた。


「ええ、とーっても素晴らしい所よ、きっとソフィアちゃんも気に入るわ」


アルセニオも思い出しながら話した。


「秋は特に紅葉が綺麗でさ、ヴァレンティナと何日も滞在してデートしたんだ」


「そうなんだ、いつか行ってみたいわ」


ソフィアの言葉にルイスは、いつかソフィアと行ける日に思いを巡らせた。


「ソフィアちゃん達はこのあとどうする?」


「ルイスさんに聞いてみるけど、レティも心配してるだろうからそろそろ帰ろうかなって」


「そうなのね、明日は早めに帰る努力するわ」


「うん、待ってるね」


久しぶりに家族が揃う明日がソフィアは待ち遠しかった。



ルイスとソフィアは退室する為挨拶をした。


「リオおじ様、エリーおば様、今日は招待して下さりありがとうございました。セラお姉様お茶会楽しみにしてますね、それではお先に失礼させて頂きます」


「ありがとうございました、私もこれにて失礼させて頂きます」


「お父さんお母さんまた明日ね、お父さんこのあと呑むんでしょ?呑みすぎないでね」


父に、にっこりと笑いながらも釘を差したソフィアはルイスと共に退室した。


ソフィアはルイスにこの後どうするか聞いたら、そろそろ帰ろうと言われたので二人は帰宅することにした。

二人は馬車に乗り込み、座席に座るとホッと息をした。

色々ありすぎたせいか少し疲れたようだ。


ルイスはソフィアに改めて一人にしてしまった事を謝罪しようと口を開いた。


「ソフィア、今日は本当にすまなかった、嫌な思いをさせてしまって」


「気にしないでください、それにルイスさんが悪いわけではないですし」


「だが…」


「そんなことよりも私はルイスさんと夜会に来れたことが嬉しくて。ダンスも楽しかったですし、両親に会ってくれたことも嬉しかったです」


「ああ、俺もソフィアと来れて嬉しかった。ソフィアの美しいドレス姿も見れて、いろいろあったが楽しかった。ご両親に挨拶することが出来てホッとしている。ソフィア今日は本当にありがとう」


「こちらこそ、ありがとうございました」


その後も、二人は家に着くまで馬車の中で会話を続けているとグラシア領の話になった。


「ルイスさんの領地はとても景色が綺麗なんですね、父と母が行ったことあるって初めて聞きました」


「そうだな、自然が豊かで海も湖も綺麗だから見応えあるな。

……そうだ、ソフィアの誕生日なんだが、良かったらグラシア領へ旅行に行かないか?

毎年その時期に俺は領地を代行してくれている叔父に会いに行くんだ、秋のグラシア領は特に綺麗でソフィアにも見せたくてな」


「私が着いて行っても宜しいのですか?」


「あぁ、勿論だ。

ただ…片道3日ほどかかってしまうから滞在する日数を入れると十日間は店を休まなければならなくて、直ぐには返事は無理だろうからレティシアと相談して返事をくれないか?もしレティシアを一人にするのが不安だったら共に来てくれてもかまわないから」


「はい、嬉しいです。たぶん大丈夫だと思いますけど、レティシアに相談してみますね」


「ああ、返事待ってるよ。そういえば明日はご両親帰って来るんだったな」


「はい、久しぶりに家族全員揃うんです。明後日からまたお店始めるので来て下さいね」


「もちろん、必ず行くよ」



✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽



〜後日〜


「ルイスさん、先日の件なんですが、11月の2週間お休みすることにしたので連れてってもらえますか。レティも心配なので一緒に行こうと誘ったんですが……子供じゃないんだから大丈夫、馬に蹴られたくないので二人で行ってきたら、と言われてしまいました。シャルちゃんと遊んだり一人でゴロゴロしていたいって」


「そうか、では二人で行こう。ソフィアを連れて行きたい場所があるんだ」


「そうなんですね!楽しみにしています」


「俺も楽しみだ、10月入ったら詳しく話しをしよう」


「はい」



〜王太子の呟き〜



「どうしよう…ライムンド」


「何がですか?」


夜会から帰ってきた早々項垂れている兄に、面倒くさい予感がするとライムンドは思った。


「ソフィアに嫌われたかもしれない」


「今度は何をしたんですか?」


また過干渉し過ぎでウザがられたのだろうとライムンドは予想した。

せっかくソフィア姉様に来てもらえる様にグラシア伯爵に頼んだというのにいったい何をしたんだと耳を傾けた。


「いや…その……カクカクシカジカで…」


夜会であった出来事をライムンドに説明したレイナルド。

その話しを聞いたライムンドは大きなため息を吐いた。


「はぁ…やっぱりか……そりゃあソフィア姉様も怒りますよ。勝手に恋人と別れさせられそうになったら」


「うっ……」


「いい加減ソフィア姉様に過干渉するのは止めたらどうですか?もうソフィア姉様も今年で22歳ですよ?」


「分かってはいるんだが……私にとっては可愛い妹で……もし貴族社会で虐められて嫌な思いをしたらと思うと心配で」


昔あった出来事をソフィアから聞いていたライムンドは、お前が言うなと心の中で思った。

それに、今回ソフィアが夜会で令嬢に絡まれたのも、元はと言えばレイナルドがソフィアに会いたいと駄々を捏ね、仕方なくライムンドがグラシア伯爵に頼んでパートナーとして連れてこさせたのが原因だ。

婚約なり結婚なりした後であれば、貴族全員にソフィアは英雄の娘だと周知され、平民だと絡まれる事も無かっただろう。

いつものレイナルドであれば、そんな事直ぐに気がついたであろう、だがソフィアの事になると、トコトン駄目になる王太子であった。


「それにグラシア伯爵が本当にソフィアに相応しい相手か見極めたかったから、少し試して見ようと思っただけなんだ」


「ハァ………」


本当にトコトン残念な兄を見てライムンドは大きなため息をついた。


「ソフィア姉様が選んだ相手なんですから、幸せを祈って遠くから見守る方が良いですよ」


「……鋭意努力する」


そう言った時の兄は全く信用出来ないとライムンドは心の中でツッコミを入れた。


「で、怒らせたソフィア姉様にどうするんですか?ソフィア姉様怒ると怖いですよ?」


「…………とりあえず謝りの手紙を出す」


「ソフィア姉様、確かこの前、黒豚さんがとても美味しくて、また食べたいけど中々手に入らないって言ってましたよ」


「!!」


「貸し一つですからね」


「ありがとう!!よし!帝国からの黒豚さん輸入数増やしてこようかな」


やり過ぎだろうとライムンドは思ったが、こうなっては兄を止められないので諦めて仕事に戻ることにした。


その後、謝罪の手紙と共に黒豚さんが【まんぷく亭】に届きソフィアとレティシアは驚いたのであった。



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