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第34話

続き〜


そして建国祭当日、ソフィアは昼からルナ・ルースの工房へ行く為に準備をしていたらレティシアがおずおずと話しかけてきた。


「お姉ちゃん、私も一緒に行っても良い?お姉ちゃんのドレス姿見たいな…」


「あらあら、そうねぇ…ルナ・ルースさんに聞いてみましょうか」


「うん!駄目だったらお店の外で待ってるから」


二人はルイスが手配してくれた馬車に乗りルナ・ルースの工房へと向かった。


お店へ着き、店の扉を開くと10人程の女性店員とルナ・ルースが待ち構えていた。


「待っていたわよぉ〜!ソフィアちゃん」


「今日は宜しくお願いします。後、急にすみません、妹が私のドレス姿を見たいと言ってくれて…同席させて頂いても宜しいでしょうか?」


「大丈夫よぉ!それにしても美人姉妹ねぇ〜!妹ちゃんのお名前は?」


ソフィアの隣に立っているレティシアを上から下までじっくりとルナ・ルースは見る。


「レティシアです!今日はありがとうございます。お姉ちゃんのドレス姿を見る事が出来て嬉しいです」


「まぁ!なんて良い子なのかしらぁ、アタシもこんな妹が欲しかったわぁ!

ねぇねぇ、レティシアちゃん、アタシの作った服着てみない?レティシアちゃんに似合いそうな服がいっぱいあるのよぉ!

アタシの趣味で作った手作りなのぉ、綺麗な服とか可愛いの服を作るだけで幸せなんだけどぉ、可愛い子に着て貰えたら天にも昇る気持ちだわぁ…ねっ、お願い!!」


「私で良いんですか?」


「貴女が良いのよぉ!着てもらって街を歩いてくれたらお店の宣伝にもなるし、何より私が嬉しいのよぉ!」


「分かりました!是非着させてください」


「ありがとうー♡服も喜ぶわぁ!

お姉ちゃんはうちのスタッフに任せて、レティシアちゃんは私と服を選びましょうねぇ!

じゃ!ソフィアちゃん、妹ちゃんはお借りするわねぇ!ソフィアちゃんもうちのスタッフに磨かれてきてねぇ!」


「はい、ありがとうございます、妹の事お願いします」


「りょ〜かい!じゃあまた後でね♡」


レティシアはルナ・ルースに連れられてソフィアと別の部屋へと案内された。

ルナ・ルースの後に続きレティシアは部屋へと入ると、そこには沢山の洋服がかけられていた。

ルナ・ルースは早速、何枚かワンピースを持ってきては「アレでもないコレでもないと」言いながらレティシアの身体に次々にあてて見比べる。


「ん〜、コレも良いわねぇ…でもコッチも捨てがたいわぁ!

よし!コレにするわぁ♡レティシアちゃん、この服なんてどうかしらぁ?」


まるでお人形さんに着せる服を選んでいるかの様に楽しそうなルナ・ルースの選んだ服はウエスト切り返しのある、淡い水色から下にいくにつれて濃い青になっているグラデーションワンピース。

袖はオーガンジーで出来ている二段重ねのティアードスリーブ。

スカートはフレアーで二段重ねになっており、上の布地がオーガンジーで、下のスカートが透けて見える様になっている。

オーガンジーにはキラキラと光るビーズやスパンコールが縫い付けていて、星空を思わせる様な仕上がりになっている。

スカートの丈は前が膝が隠れる程の長さで、後ろはふくら脛が隠れる程に長くなる型になっている。


「わぁ!とっても可愛いです」


今まで着たことのないワンピースにレティシアは胸をときめかせた。


「じゃあ、着てみてちょうだいねぇ」


「はい!」


更衣室に入ってワンピースを身に着ける、背中のチャックは女性店員に上げてもらった。

更衣室を出るとルナ・ルースが準備した足首にリボンの付いた青いキトゥンヒールの靴を履いた。


「似合ってるわぁ!じゃあ髪もセットするからそこに座ってねぇ」


「はい!…すみません、このリボンで髪の毛結んで貰えますか?」


そう言ってレティシアの出したリボンは、ロベルトから前に貰った物だった。


「あらぁ、可愛いリボンねぇ」


「このリボン頂き物でとても気に入っていて、今日の服に合うかなと思ったんですけど…」


「勿論よぉ!さぁ、仕上げちゃいましょうねぇ」


そう言ってルナ・ルースはレティシアの髪を結い、薄くだがレティシアの整った顔を引き立たせるメイクを施す。


「さぁ!出来たわよぉ〜。もぉ!なんて美しいのぉ♡食べちゃいたいくらいよぉ〜!」


「あ、ありがとうございます」


レティシアの前に軽々と姿見を持ってきたルナ・ルースはうっとりとレティシアの姿を眺める。


「ほらぁ、レティシアちゃんも自分の姿を見てみて」


ルナ・ルースの持ってきた姿見で自分の姿をレティシアは確認する。


「わぁ!凄いです……まるで自分じゃないみたい」


メイクを施され、大人っぽいワンピースを身に着けたレティシアは、まるで姉の様に綺麗になれた自分に驚いた。


「もぉ!正真正銘の貴女よ!元がとっても良いんだから、少し磨くだけで宝石以上になるわよぉ!本当にお人形さんみたいで美しいわぁ〜

その服と靴はレティシアちゃんにあげるわぁ!アタシからのプレゼントよぉ♡」


可愛いとよく言われるレティシアだが、姉のソフィアの様に美しいとは余り言われない。(第二王子にはしょっちゅう言われるがそれは別である)

まだ年若いせいで可愛らしいが勝るので周りは可愛いと言うのだが、レティシアからしたら美しいと言われる姉が少し羨ましかったのだ。

少しモヤっとしていたレティシアだが、今回ルナ・ルースに着飾って貰ったおかげで少し自信が持てた。


「ありがとうございます!ルナ・ルースさん」


「あらぁ、良いのよぉ!さぁ、ソフィアちゃんも出来上がっている頃かしら」


「お姉ちゃんのドレス姿楽しみです!」


「うふふっ♡綺麗過ぎて驚くわよぉ〜!

もうルイスは来たのかしら?レティシアちゃんはアタシと一緒にお部屋で待ってましょうねぇ」


レティシアとルナ・ルースは先に応接室へと戻りソフィアが来るのを待っていると、扉をノックする音がし、店員がルイスを連れて部屋へと入ってきた。


「ルイス様のお支度が整いました、後少しでソフィア様のお支度が終わります」


「ありがとう。あら、ルイス!随分と男前になったじゃないのぉ」


「そ、そうだろうか」


髪をセットしてもらったルイスはいつも着ている騎士の制服ではなく貴族男性が着る一般的な正装を身に着けていた。

そんなルイスだが、何故か少し表情が暗かった。


「あら、なんか不安そうねぇ…大方、自分がソフィアちゃんの隣に立つのは相応しくないじゃないかって思っているんじゃないのぉ?」


「うっ…何故それを」


考えていた事を的確に見抜いたルナ・ルースにルイスはギクッとした。


「そんなのぉ、見れば分かるわよぉ!

それにしても!しゃんとしなさい!!

アンタはこれからソフィアちゃんをエスコートするのよ!?背筋を伸ばす!顔を俯かせない!堂々としなさい!

エスコートされるソフィアちゃんが不安がるでしょうが!」


そう言ってルイスに活を入れるようにルナ・ルースはルイスの尻を思いっ切り叩いた。


バシッ!!!


「いって!……相変わらずの馬鹿力だな」


「あらやだぁ!こんな細腕のか弱いアタシの叩きなんて蚊すら殺せないわよぉ」


「いや、木っ端微塵になるだろ」


「減らず口はおよしなさい!どんなに自分に自信がなかろうが、堂々と背筋を伸ばし前を向いて歩けば、どんな人間であろうと様になって見えるのよ!

それに、ソフィアちゃんはアンタよりも好奇の目に晒されるのだから守ってやるぞ精神でいないでどうするのよぉ!」


「うっ…そうだな、俺がちゃんとしないでどうするんだ」


ルナ・ルースの言葉で自分の不甲斐なさを痛感した。


確かに貴族の中に平民がいれば好奇の目で見られるだろう、しかもその平民が美しければ尚更守ってやらねば危ない。

勿論、実際は英雄の娘であるソフィアに手を出せば、その貴族の未来は終わりだが。


エスコートする自分が下を向いていたらソフィアが笑われてしまう、そんなのは絶対に駄目だ。

ルイスは自分の両頬を思いっ切りパンッと叩いた。


「ありがとう、ゴンサロ。お前のおかげでちゃんと出来そうだ」


「もう、仕方がないんだから!それと、アタシの名前はゴンサロじゃなくて!ルナ・ルースよぉ!!!」


ルイスとルナ・ルースがわちゃわちゃと話していると、扉をノックする音が聞こえ扉が開いた。


コンコン、ガチャッ


「ルナ・ルース様、ソフィア様のご準備が整いましたのでお連れ致しました」


扉を開け姿を表したのは、ソフィアを担当していた店員だった。


「あらぁ!準備出来たのねぇ〜、入って来てちょうだい」


「はい、ソフィア様どうぞ」


「失礼します」


店員が開けた扉から入ってきたソフィア、その姿を目にしたルイスは顔を真っ赤に染めて固まった。


「ど、どうでしょうか?」




続く〜

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