〜閑話休題〜ソフィアと従魔との出会い
ソフィアとキューちゃんとの出会い
そう、あれは去年の梅雨の晴れ間にソフィアとレティシアが森の中へキノコや木の実を取りに行く最中の出来事であった。
二人が採取をしながら森の中を歩いていると大きな木の下にグレーがかった小さな生き物を見つけた。
ソフィアが駆け寄ると小さな生き物はしっとりと濡れており全身をプルプルと震わせて丸まり今にもその小さな命が消えそうになっていた。
「大変!」
慌ててソフィアはその小さな生き物の前にしゃがみ、そっと包む様に手の平に乗せ治癒魔法をかけた。
小さな生き物の身体が光ると共に体中にあった傷が次々に消えて行く。
そうすると冷たかった身体の体温が徐々に上がり暖かくなってきた。
荒かった呼吸も正常に戻り、しばらくするとパチっと目を開けた生き物は手の上で立ち上がった。
「あら、貴方は狐の子なの?尻尾が九尾もあるなんて初めて見たわ」
「コン!」
「あら、元気になったわね。貴方のお母さんはどこに行ったのかしら?」
元気になった狐の子をソフィアは地面に下ろすと、狐の子は嬉しそうにソフィアの周りをクルクルと回ってはしゃいでいる。
「そろそろ私達は行くから貴方もお家に帰りなさいね」
と、ソフィアが話しかけるが狐の子はソフィアの足に擦り寄って離れようとしない。
「あらあら、困ったわね……近くに貴方のお母さんの姿も見えないし…
どうしましょう?貴方も私達と一緒に行く?」
「コン!!」
ソフィアの言っている事が分かるのか狐の子は元気に返事を返してきた。
「ねぇ…レティ、この子お家に連れ帰っても良いかしら?」
「私は良いけど、魔物だから従魔契約しないと街には連れて帰れないよ?」
「そうよね……狐さん私と従魔契約する?」
「コンコン!!」
ソフィアの言葉を聞いて嬉しそうに飛び跳ねた。
「契約となると貴方に名前が必要ね……」
名前を考えるソフィアを狐の子は急かすように九尾の尻尾をフサフサと揺らしている。
その姿を見たソフィアは
「九つの尻尾を持ってるから名前はキューちゃんね!」
名案とばかりに誇らしげに名前を決めた姉のソフィアを見ていたレティシアはボソッと呟いた。
「お姉ちゃんのネーミングセンスって………」
無事に名前が決まり次に従魔契約をする事になった。
ソフィアはまた狐の子を両手の上に乗せうろ覚えだった従魔契約の呪文を唱える
「我、汝と契約する者なり…汝の名をキューちゃん」
と呟き、そっと狐の子の額にソフィアはキスをする。
すると狐の子の身体を包み込むようにポワリと優しい光が纏う、それが収まると狐の子の額にソフィアの瞳と同じ色の小さな石が表れた。
どうやら契約が完了した証の様だ。
「これでキューちゃんを連れて街へ入れるわ」
「お姉ちゃん良かったね!じゃあ早くキノコと木の実を取って帰ろう!帰ったらキューちゃんをお風呂に入れて、寝床も作ってあげないとね」
その後、無事にキノコと木の実を取り家へと帰ってきたソフィアとレティシアは早速キューちゃんをお風呂に入れたのだが、何とビックリ。
「キューちゃん貴方真っ白だったのね!」
お風呂で汚れの落ちたキューちゃんは純白の毛並みをしていたのだ。
この国では真っ白な狐は神聖で神の使いと言われ祀られる対象な為、契約を結べた相手は神に気に入られていると言われている。
「どうしましょう…契約してると教会にばれたら強制的に聖職者にされるわね」
「そうだね…黙ってようか」
「ええ、そうしましょう」
そうしてソフィアの従魔は妹と両親を除く者以外は、本当に信用の出来る人物だけが知る事になった。
続く〜




