ウクライナ情勢に関する事
自身も「戦争」を題材にした作品を投稿しているので、少し思う事があり、投稿します。
去る2月24日、ロシア連邦はウラジミール・プーチン大統領の命令で、ウクライナ全土に攻撃を開始。
ミサイルにてウクライナの防空能力を叩き、ベラルーシ国境より、地上軍を投入。チェルノブイリ原発を占拠し、ドニエプル川沿いに首都キエフに向かい進攻。
翌25日にキエフ郊外に到達。
26日現在、市内にて依然戦闘中との情報が入っています。
ミサイルによる空爆の様子や、怪我をした人々。
防空壕の中で泣き出す子供の映像。
侵略戦争が、人々から「日常」を奪っていく様子には、私と同じく、背筋が凍りつく思いをしている方々も多いと思います。
今、この悲劇を目の当たりにした我々が、さらなる悲劇を繰り返さない為にも、理解しておかなければならない事があります。
侵略をする側も、侵略をされる側も、同じ人間であるという事実です。
攻めてくる軍隊は悪魔ではありません。
我々と同じ、「人間」なのです。
動画サイトに投稿された動画の中に、占領したロシア軍兵士と、それに毅然と抗議するウクライナ人女性の姿がありました。
女性は憤慨して言います。
「何しに来た?ファシストめ。この向日葵の種を持って行きなさい。そうすればお前が死んだ場所から、向日葵が芽吹くわ」
兵士は諭すように訴えます。
「話をしてもどうにもならない。頼みます、これ以上事態が悪くならないようにしましょう」
この動画を見て、思うこと。
それは、我々は洋や陣営の東西を問わず、双方に平和を願っているという事実です。
日本は当然、西側の国ですから、西側の言い分が多く耳目に触れます。
2014年にロシアはウクライナからクリミア半島を独立させ、ロシアに編入しました。
西側からは、侵略行為にしか見えないそれは、ロシア国内ではクリミアの救出として報道されています。
何故なら、クリミアはソ連時代、ニキータ・フルシチョフの手によって、ロシア・ソビエト社会主義共和国の領土から、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の領土に編入された経緯があるからです。
当時はソ連国内での話だったので、問題はありませんでしたが、ウクライナの独立後、オレンジ革命を経て欧米寄りの政権に移り変わった事で、もともとロシア人が多かったこの土地は、徐々にロシアへの再編入を望む様になります。
住民投票を経て、クリミアがロシア編入を果たした際、ロシア国内ではこの事件は大いに支持されたものでした。
ところが、ウクライナはそうではありませんでした。
後に、この事件をきっかけに、ウクライナはクリミア半島の奪還、そして、NATOへの加盟を国是に掲げます。
今回の戦争の原因として、日本の一般的な報道では「ロシアと国境を接したウクライナがNATOに加盟をすれば、ミサイルの射程の問題等、ロシア国内に危機が及ぶからだ」と報道されています。
これだけを見れば、完全に一方的な侵略というストーリーが出来上がります。
しかし、既にクリミアを「侵略」されているウクライナがNATOに加盟すれば、集団的自衛権の行使により、NATOがクリミアの奪還を掲げて、ロシアに攻撃を仕掛けてくる。そうなれば、NATOとロシアの戦争は避けられない。
これを恐れたロシアが、追い詰められて軍を出したと考えれば、それでも侵略戦争には変わりはありませんが、見方が少し変わってくると思います。
かつての日本が、自衛のために真珠湾を攻撃した様に、たとえ、それが間違いであったとしても、間違いを起こした側にも一分の理はあるものだと私は考えます。
これ以上、悲劇を繰り返さないために必要な事。
それは、相手の言い分も知り、その中で、互いの妥協点を冷静に探していくことではないでしょうか。
今の現状、相手は確かに間違えています。
いかなる理由があれど、戦争は始めてしまった側に責任があります。
しかし、それを糾弾し、非難するだけでは、次の悲劇は必ず起こることでしょう。
メディアや政府に踊らされずに、飛び交う情報を自分の手で精査し、自分の頭で考えて、決断を下す。
インターネットがある現代は、それができる時代だと信じています。
最後になりましたが、この戦争で犠牲になった全ての方々のご冥福をお祈りします。
そして、世界が平和な状態になる事を、願っています。
【参考サイト】
https://www.youtube.com/watch?v=6BFV1LNytHA