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女勇者と魔王の契約  作者: 流石
2/6

契約

「世界の半分をやろう、我がものとなれ勇者よ。」

女勇者は即座に否定し聖剣で切りかかった。

ガキン

魔王の張った魔力の壁が女勇者の突撃を阻止した。

「あわてるな、勇者よ。前回我は貴様を殺すこともできたが、そうしなかった。今度も我が勝つだろう。だが殺さぬ。そのかわり、貴様から何か一つもらう。腕か足か純潔か、我が決めたものを頂くぞ。これは世界の理に沿った契約だ。どうだ?」

女勇者に迷いはなかった。

「かまわない。私は、お前を滅ぼすことができればそれで良い。」

「よし。ならば戦いのルールが必要だな。気絶するか降参すれば負け。どちらかが死ねばそれで終了。それでよいか。」

「好きにしろ。私はお前を殺せばそれでよいのだろう。」

「できるものならな。」

そうして、世界を混沌に陥れた魔王と全世界の希望を背負った勇者との間に、契約が結ばれた。

「まずはそうだな、その髪をもらおうか。」

「髪だと?」

「ああ、わしの部下はおまえの仲間に殺され、もはやこのスライムしか残っておらぬ。」

魔王の横には最弱の魔物と言われるスライムが一匹体をふるわせていた。

「こいつにカツラを作ってやるわ、貴様の髪でな。なに、髪を全てよこせとは言わぬ。すこしは残してやるさ。」

「どうでもいいわ。早く始めましょう。」

【契約が成立しました】

世界の言葉が双方の頭の中に鳴り響く。神も悪魔も関係ない、世界の理が紡ぐ言葉。何者も世界の理に背くことはできない。


女勇者は新たに覚えてきたスキルを駆使したが、魔王に翻弄されて打ちのめされ昏倒した。

【契約が遂行されます】

「では契約通り髪をもらうぞ。」

魔王が告げると、女勇者の髪はベリーショートカットというほどの長さのみを残して消えた。そして、魔王の横にいるスライムが美しいブロンドの髪を風になびかせていた。

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