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パートナーX  作者: 蓮浦 氷華
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革命の夜

パートナー作戦を始めてから、僕とナツは毎日顔を会わせるようになった。

ナツは僕になるため、僕はナツになるために時間を費やした。

青春の砂時計からは砂が零れ落ちようとしていた。

お互いの『模倣』を始めて、ある程度たった時だった。

パートナー作戦の最大の難関である『入れ替わり』を行うことになったのは。



「緊張してる?」

「もちろん、しないわけがないよ」

ナツはケラケラと笑った。

「だよね、こういうの『スリル』って言うんでしょ?楽しみでそわそわしてる」

僕はその返答に固まった。

どうやら僕の目の前の人は『大物』らしい。



計画、と言っても複雑なことはない。

互いがいつも行っていることを模倣するだけだ。

しばらくは行動が制限されるけど……この先の自由の為ならばなんてことはない。

「ただいま」

ナツの家の間取りは聞いていた通り。

そして、ナツが帰ってくる時間帯には親は帰ってきてはいない。

今の内にどこにないがあるかは把握しておかなければならない。

まるで泥棒のように引き出しを開けては閉めて、開けては閉めてという行動を繰り返した。

ナツの話しによれば、親が帰ってくるのは午後十時以降だという。

食事代はテーブルの上に置かれている。

これも情報通りだった。

僕が完全なナツでない以上、正体が露見するような迂闊な行為は出来ない。

お風呂やトイレなどには細心の注意を払わないといけない。

夜が迫ることを告げる時計の針の音が、僕の鼓動を加速させた。



慌ててお風呂に入り、もたつきながらも服を着替え終えた。

始めて着る『女物』の服は、やけに輝いて見えた。

もしかしたらナツも向こうではこんな気分を味わっているのかも知れない。

願って止まない服装が『当たり前』になる!

この()()の為に、僕らはたくさんの時間と苦労を費やしたのだ。

この選択で良かったと、素直に安堵した瞬間だった。



ナツとお揃いにしたショートカットヘアーを乾かし、近くのコンビニで買ったパンを食べる。

一人で食べる食事はやけに味気なく感じたが、誰かに内緒で食べているような()()()がそれを打ち消すスパイスとなった。


時計の時刻を見れば、もう九時だ。

ナツによれば、親が帰ってくる前には寝ているという事なので、僕ももうじき寝なければならない。

僕は慌てて歯を磨き、布団に潜り込んだ。

慣れないこと、慣れない環境、緊張しっぱなしだったこともあって疲れはてていた僕は、あっという間に眠りについた。

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