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パートナーX  作者: 蓮浦 氷華
13/17

秘密

衝撃の事実が発覚した翌日、私は彼のもとへ向かった。

「蓮見君、今日の放課後、時間ある?」

「今日?部活があるけど……大事な話なら休んでくるが」

その表情からは困惑が伺える。

「とても大事な話。私にとっても……蓮見君にとっても」

彼も私の雰囲気を悟ったのか、彼も静かに頷いた。



二人は沈黙を保ったまま、家に向かった。

かつては蓮見君が住んでいた場所、今は私が住んでいる場所へ。



「大事な話って、なんだ」

「君の……産みの親で、今は私の親のこと」

その言葉を聞いた瞬間に、彼の顔つきが変わった。

「それが……どうかしたのか」

その表情は、どこか覚悟をしているように見えた。

「居なくなったの。一ヶ月前から」

「居なくなったのか……。なら、生活は?食事は?提出書類なんかは……、どうしていたんだ」

彼の表情からは、大きな動揺は見えなかった。

まるで……想定していたかのように。

「生活は……まぁ、見ての通り自分でやってたこともあるからなんとかなったよ。最初は失敗だらけだったんだけどね。提出書類とかは、自分で書いてた。筆跡の癖をわざと変えて、印鑑は自分で押してたよ」

「……食事は?」

「それは……」

「まさか……ほとんど食べてないのか!」

半ば涙目で、私の肩を掴む彼の形相は、今まで見ていた彼の姿からは想像がつかなかった。




ゆったりと彼の手を振りほどいた後、私は今までの経緯を語った。

最初の内は、二・三日に一回帰ってくる程度で、食事代も無い訳ではなかったこと。

次第に帰ってくる頻度は下がり、次第に食費も減っていたこと。

そして、つい先月。

なんの音沙汰もなく、姿を消してしまったこと。

私に残されたのは、私に関するものだけで、親に関する書類や証明書、通帳なども残されていなかったこと。

「……。じゃあ……食事は摂っていなかったのか?」

「ううん。その……」

彼が息を飲む音が聞こえる。

「食べさせて貰ってました……」

思わず敬語になった上に、最後の部分はか細く今にも消えてしまいそうな声だった。

「だ、誰に……?」

彼の声も震えていて、その声に滲んでいる感情は複雑で読み取れそうにない。

「隣の人」

彼は怪訝そうな顔をして、私に聞いた。

「本当に……?冗談じゃなくて……?」

「うん」

「そうか、本当に迷惑をかけた」

「えっ?いや、君はなにも……」

「幼い時に交わしたあの約束。君は後悔していないか?」

「……」

「俺は……。本当に、最初の頃は本気で考えていたんだ。最初の頃『は』な……」

そうして、彼の静かな懺悔が始まった。

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