#陰盲創作120分一本勝負
私の代理くんとその上司の話。#陰盲創作120分一本勝負より、お題:欲。主催者様:陰盲創作120分一本勝負(@inm2art)。
※BLのつもりで書いてなかったけど書いてたらなんかBLっぽくなったので苦手な方は注意※
薄暗い照明が照らすベッドルーム。吉弥は隣で自分に背を向けて眠る秘書を一瞥する。
緑と黒が混ざった髪に、吉弥の細い指が通る。かまりの頻度でブリーチをして色を抜いているのに、指通りがよく傷んでいる様子はない(後ろ姿だけ見れば女のようだが、この秘書は男だ)。
この男と肌を重ねることは、今日が初めてじゃない。吉弥は肉欲を持て余し発散したい、男は心の空白を埋めたい、という利害の一致から肌を重ねていた。
手頃な人間がいなかった時から始まった関係は、かれこれ五年以上続いている。
男を抱くのも好きなのか、そう聞かれたら吉弥は首を横に振る。女と違って柔らかくない骨張った体に、低い喘ぎ声。抱いたり、聞いていて気分がいいものではない。
それなのに、どうしてだろうか。この男を再び抱きたいと思うのは。
「……おい、康太郎」
吉弥は吸っていた煙草を灰皿に捨てると、隣で眠っている男の名前を呼びながら、体を揺さぶる。
「おい、起きろ。もう一回すんぞ」
康太郎と呼ばれた秘書は、唸り声のようなものを上げながら吉弥の方を向く。
「……社長? 今何時?」
眠っていたところを無理やり起こされたため、不機嫌そうな目が吉弥を射抜く。
「一時ちょっと過ぎたあたり」
「……やめろよ、もう気分じゃない」
「俺は気分だから」
吉弥は再び眠りにつきそうな男を組み敷き、首元に口を寄せた。




