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小噺詰め合わせ  作者: 宮田カヨ
7/21

#陰盲創作120分一本勝負

心緒より、イノセンスの話。#陰盲創作120分一本勝負より、お題:大人。主催者様:陰盲創作120分一本勝負(@inm2art)。

 大人になれば、もう俺にいたいことをしないのかな。

 俺に痛いことをする人は、俺のことを出来損ないと言う。見た目だけは一丁前のくせに、頭が足りないからなんの役にも立たないと言う。

 俺に痛いことをするのは憂さ晴らしのためらしい。役に立たないのなら、せめて慰み者として役に立てと言う。何回も殴られた。何回も蹴られた。

 随分前、まだ小さかった頃、同じことを女の人と男の人にも言われた気がする。何か俺に向かって叫びながら、あの人たちは俺に痛いことをしてきた。あの人たちは気づいたらいなくなっていた。いなくなってしばらくした後、俺を出来損ないと言った二人が、あの人たちが俺の父と母だと教えてくれた。

 冷たい床が、腫れた頬の痛みを吸い取ってくれる。でも、それもほんの少し。髪を掴まれて、また痛いことをされる。

 泣き叫びたかった。痛いと言いたかった。けど、泣けばもっとひどいことをされる。痛みを口に出せば歯を抜かれて、口の中に熱された鉄板をねじ込まれる。だから、俺は口を閉じて目を閉じてただ耐える。

 それが気に食わなかったのか、俺の体を壁に打ち付けた後、この人はこう言った。

「子供みたいな顔しやがって、お前いくつだよ」

 首の鎖を引っ張られて、無理やり体が持ち上げられる。頭から何かが流れてくる。頭が揺れる。

 俺が大人になったら、もうこの人たちは痛いことしないのかな。だったら、俺は、大人になりたいよ。

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