ついにあげたあれを収納したこれ
心緒四人組(ナハト・ジェニングス、フィデーリタース、シュティレ・ヴォルガニック、イノセンス)の話。
※ついに上げたあれを収納したこれ
※二人称書きにハマってた時に書いたやつ
あなたは声をあげる。
「ちょっと、池に入らないで! 危ないでしょ!」
あなたが声をかけたその子は笑っている。お前は笑ってそれを見ていて、お前の隣にいるその人は静かに立っている。
みんなで釣りに行こう、お前が提案した。あなたはそれを承諾した。忙しくて最近行けてなかったもんね、と言えばお前は笑って頷いている。
「目を離すとすぐこれだよ……」
その子は池に手を突っ込んでいる。泳ぐ魚が珍しいのだろう。捕まえようと必死だ。
「ほら、釣り竿」
「ありがとう」
お前が言う。あなたはその人にも釣り竿を渡す。その人は受け取った釣り竿を見つめ、用途を尋ねる。あなたはお前に聞けと説明を投げ出し、釣り竿を池に垂らす。
「やりたい!」
その子が言った。あなたは釣り竿を渡す。その子は笑いながら釣り竿を揺らしている。あなたはそれを見ながらため息を吐いた。それは静かじゃないことへの憂いではなく、こう騒がしいことが嬉しいと思っている自分へ対する呆れだ。
「強くしなったら竿あげるんだよ」
「わかった!」
本当にわかっているのだろうか。あなたは思う。
あなたは隣を見る。お前とその人は静かに池を見つめている。対照的だね、とあなたは思う。
「あっ、なんか引っかかったよ!」
「え、嘘でしょ? 引いて引いて!」
あなたが叫べば、その子は釣り竿を引く。