#お題ガチャ #こんな二人がいればいい
心緒より、フィデーリタース×ナハト・ジェニングス(フィデ←ナト)。
使用ガチャ→https://odaibako.net/gacha/3417
90.異性と楽しそうに喋るフィデーリタースの姿を見かけてモヤッとするナハト。話していた内容はナハトについてだったり。それは楽しくもなるよね。
#お題ガチャ #こんな二人がいればいい
「……なあ、フィデーリタース。昼間、フリューリングと何を話してたんだ?」
眠る前、ナハトはフィデーリタースに聞いた。
今日の昼、医務室の人手が足りない、納品された薬品を運ぶの手伝ってくれ、と幼馴染で軍医のアールツトに頼まれた。暇をしていたナハトとフィデーリタース、イノセンス(シュティレは、タダ働きはごめんだね、と言ってイノセンスをよこして手伝いに来なかった)はそれを承諾した。
イノセンスと薬品を運んでいた最中、見かけたフリューリングとフィデーリタース。二人とも薬品を運んでいる最中だったのだろう。だが、止まって何か立ち話をしていた。なんだか楽しげに見えて、ナハトは思わず声をかけそうになってしまった。
「フィー、何してるのかな?」
それを止めたのがイノセンスだ。
「……さあな。早く運ぼう、イノセンス。アールツトに怒られてしまう」
アールツトの妹で、自分にとっても妹のような存在なのに、そんな相手に嫉妬するなんてなんて情けない。
薬品を運び終えて、仕事も終えて。ずっと気になっていた。だから、一日の終わりにこんなことを聞いてしまった。
「……ナハトのことを、話していました」
「俺の?」
ナハトは体を起こして上を見上げる。その拍子に二段ベッドが大きな音を立てて軋んだ。
二段ベットの上で眠っているフィデーリタースは身じろぎをしない。古いベッドだから動くと音を立ててしまう。動いてもいい、そうナハトが言っても、睡眠の妨げになってしまいます、と動こうとしないのだ。だから、ナハトも極力身動きを取らないようにしている。
「……はい」
「なんで……」
「……わかりません。フリューリングと、いつの間にか」
よかった、あいつのこと好きになったとかじゃなくて。もしそうだったら、素直に祝えそうにない(年齢的にもあり得ない話だが、心配だったのだ)。
「……その何を、話してたんだ?」
「……普段のあなたのことや、フリューリングがまだ子供の頃のあなたのことを話しました」
「そうか……なんだか、その、楽しそうだったから」
聞いたのは自分だ。それなのに、なぜか恥ずかしくなって、ナハトは自分の顔に熱が集まるのを感じた。
フィデーリタースは目よりも声で物を言う人間。自分の話で楽しそうな声を出していた、ナハトはそれが恥ずかしくもあり嬉しかった。
「……普段より、口数は多くなった気がします」
「……そうか」
ナハトは再び体を横たえた。
「……おやすみ、フィデリタース」
顔がにやけてしまう。きっとこれをシュティレに見られたら気が済むまで揶揄われて、アールツトに見られたら早く恋仲になってしまえとうるさくに言うに違いない。
「……おやすみなさい、ナハト」
にやけが止まらない、心臓が早鐘を打っている。これは、しばらく眠れそうにないな。そんなことを考えながらナハトは掛け布団を頭まで被る。