胸の内
心緒より、ニュイ独白
見ないで、犯さないで。俺の心をこれ以上踏み荒らさないで。
ニュイは自分の体を抱きしめ、叫ぶように言葉を吐き出した。
「嫌だ、もう傷つきたくない……! ……みんな、俺のことを悪く言う。起きていても、眠っていても」
もう責めないで、俺のことを悪く言わないで、どうしたら許してくれるの。
懺悔室に響くニュイの心の内。夜遅いため、それを聞くものはいない。ニュイは泣きながら言葉を続ける。
「俺だって、好きで戦ったわけじゃない……! でも、父さんを助けるためにそうしないといけなかったから……それなのに、助けるために取った行動すら許されないのか? 神様、もしあなたがいるならあなたはひどい。俺が一体何をしたんだ……!」
涙が膝に落ちる。ニュイは包帯が巻かれた自分の腕に爪を立てる。
「ただ幸せになりたかった……作家になりたかった……家族や友人と共に過ごしたかった……愛している人と穏やかに共に暮らしたかった……それすら、俺には許されないのか……?」
ニュイは顔をあげる。涙は頬の傷を伝う。
「もう殺してください……自ら死を選んでも、あの時、俺を死なせてくれなかった。なぜ、なぜ俺は……生きなければいけないのですか?」
生きていたくない、もう嫌だ。
一度、命を自ら絶とうとした。それでも死ねず、シスターに生かされた。自ら死んではいけない、と言われて命を立つことを禁じられて。
子供たちは自分を慕ってくれる。しかし、大人はそうはいかない。皆、自分へ憎悪を向ける。それで罪滅ぼしになるなら、受け入れるしかない。殴ることで気が済むのなら、大人しく殴られなければならない。
けれど、もう限界だった。
「俺が、全部悪いの……?」
ニュイは泣き叫ぶ。