№5
あれからイジメのようなものは無くなり、前と変わらない日々をすごしている。
だが結局妹が何について悩んでいたのか未だにわかってはいないが、凛が妹のことに関して俺に聞いてくることがなくなったから、もしかしたら解決したのかもしれない。
でも引っかかることがある。それは何故あんなにも急にパッタリとなくなったかだ。ただ俺の考えすぎというのもあるかもしれないが...
最近は冬に近づいているせいかベットから出るのがつらくなってきた。もう少しこのままでいるか。
しかし、妹は相変わらず朝練があるから全く会わないし、会うとしても夜8時ごろに部活が終わって帰ってくるときぐらいだ。どんだけこんな寒い中頑張るのやら。
ある屋上で男女が向かい合っている
男は必死に縁に立っている女に向かって叫んでいる
「何で死のうとする!!まだこれからがあるだろ!!!」
それに対して女は
「#$%$##はよく頑張ったわ。でももういいの」
そういい女は屋上から飛び降りた
コンコン...
「もう朝だよ。起きなさい」
そんな母の声で目が覚める。どうやら二度寝をしてしまったらしい。しかも最近また見るようになった夢をみるとは。この夢を見るごとに何を言っているのか聞き取れるようになってきたが、男女の顔がよくみえない。いや、見えてはいるんだろうがよく思い出せない。
今日は天気が不安定で今は曇りで降ってないけど帰るころには振っているかもしれないからと、母に傘を渡された。だがそんな天気と違って俺の心は晴れている。ここ最近、前のように平凡な日を過ごせるようになってきたからだ。
と、放課後になるまでは思っていた。放課後になると凛が走って教室に入ってきたからだ。唯一の救いは教室には俺しいなかったことだろう。前のように変な噂が流れることがないからな。ただ前回と違って切羽詰まった様子でかなり厳しい顔をしている。
「陽葵について話がある!」
かなり大きい声で聞いてきたからすこし驚いてしまった。
「一旦深呼吸して落ち着け。そうしないと伝えたいことが上手く伝えられんぞ」
俺がそういうと凛は深呼吸をし始めた。
「で、一体何なんだ?」
凛が落ち着きを取り戻したところで何があったのか聞いてみたら
「最近、陽葵が同級の男子に言い寄られているのは知っているか?」
「いや、知らないが」
最近では夜にしか会わないし、ただでさえ話さないからそんなことが起こっているなんて全く知らなかった。
「その男子は今まで言い寄るだけだったんだが、ここ最近部活中ずっと見に来るようになってな、それだけならまだいいんだが写真や動画までも取り始めて、今日なんて朝使った部活着を盗んで持ち帰ろうとまでした。先生の方から家の方には電話して陽葵にはもう家に帰ってもらおうと思っているが念の為に一緒に下校してやってくれ」
流石にそんなことが起こっていたら一緒に帰らないと、いくら最近話さないと言っても心配だ。
「わかった。一応これでも兄だからな、妹一人守ってやるさ」
柄にもなく俺はそういい妹を迎えに職員室に向かう。