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彼の彼女はヴァイオリン  作者: 佳景(かけい)
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-6-

 だけどいくら直接話さないからって、あんなことがあった『だいちゅう』に謝りもしないで毎日顔を合わせるのはちょっと気まずい。


 おまけに時間が経てば経つ程謝り難くなりそうだった。


 でも、一度萎んだ気持ちは簡単には戻らない。


 ぐらついた心を定め切れないまま、私はとりあえず自分の机に鞄を下ろした。


 いつも通り友達と話してても、気になってドアが開く度につい見てしまう。


 『だいちゅう』はなかなか来なかった。


「どうしたの? 何かドアの方ばっかり見てるけど」

「ん、何でもないよ」


 私は適当に友達をごまかしながら、まだ迷ってた。


 でもだんだん先延ばしにする方に気持ちが傾き始める。


 やっぱりみんなの目が気になった。


 とりあえずその場のノリに任せて、謝れたら謝ろう。


 そう決めた時、『だいちゅう』が教室に入ってきた。


 誰も挨拶しないし、『だいちゅう』も誰にも挨拶しない。


 『だいちゅう』は寂しそうな顔一つせずに教室に入ってくると、自分の席に着いた。

 

 『だいちゅう』の周りだけ、バリアができてるみたいに人がいない。


 やっぱり友達はいないみたいだ。


 それからも時々『だいちゅう』を目で追ってたけど、『だいちゅう』はいつ見ても一人だった。






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