第一話 リア充爆発しろ
カーテンが閉め切られた薄暗い部屋を照らすPCのブルーライト
部屋の床にはポテチやスナックの食べかす、ビールの空き缶などのゴミが散乱しており、
お世辞にも清潔とはいい難い。PCの前に座っている男性は画面を食い入るように見つめている。
彼の名前は、武蔵 和之
ぼさっとした髪、よれよれのシャツ、手入れをされずに伸びた顎髭
どこにでもいるだらしないヒキニートだ。
歳は30を過ぎており、親の年金によって生活している。
夢も希望も職もない糞ニートだが、彼には野望があった。
それは――――リア充撲滅――――である。
彼の日課は、朝起きてVRMMOにログイン
その時間、一番人が多い都市へ行き、目に留まるリア充ども蹂躙、撲滅、殺戮の限りを尽くす。
1時間と経たないうちに都市からリア充は存在しなくなるという。
彼を倒すために何度も討伐隊が組まれたが、彼を倒すどころか発見すらできた試しはない。
神出鬼没でいて非道極まるその行い からプレイヤー達の間で"リア充ハンター"と呼ばれ恐れられている。
彼は、リア充を撲滅するためにはどんな手段も厭わないだろう
なぜそこまでリア充という存在を忌み嫌うのか
普段は何に対しても無気力な彼に何がそうさせるのか、知る者はいない
彼がプレイしているVRMMO【all wepon RPG】通称AW
今、全世界でプレイされている人気ゲームだ。
プレイヤー数は日本の人口を軽く超える
戦闘職、生産職など多くのジョブやスキルが存在しており、自由度が高く
全てのものが武器になりえるというのが
このゲームの売りであり、最大のやりこみ要素でもある。
――――――どんなものでもダメージ判定があるシステム
とも言える。
これはプレイヤーの五感と脳波でキャラを操作するこのゲームだからできることである
ダメージ以外にも多岐にわたってそのシステムの恩恵を受けている
例えば、心拍数が高いときはHPの自然回復速度が低下したり
気分が高揚しているときはステータスが上昇したりなど様々だ
これは
彼が、いずれ遠くない未来にAWの世界で世界最強のリア充撲滅破壊兵器となる話である。
連載1作目です。どうぞよしなに...