よくわからんけど捕まりました
ゴールデンウィークも頑張りたい。
どこからか聞こえてきた鐘の音によって俺が目を覚ますと、俺の腕と足は縛られ牢屋のようなところにいた。
「頭が痛い、どうして俺はこんなところに」
俺は昨日の夜運ばれてきたご飯を食べて……、そこからの記憶がない。
「そうだ、昨日のご飯を食べた後急に眠くなったんだ。もしかして眠り薬みたいなものが混ぜられていたのか、でもどうして」
俺が今いる牢屋は皆が想像するであろう三方を石の壁に囲まれ一方が鉄格子の中世ヨーロッパの城の地下にありそうなものだ。
俺が今置かれている状況に混乱していると、見張りの兵士だろうか、上下同じようなデザインの鎧に槍を持った者が俺の牢の前で止まった。
「ようやく目を覚ましたか、取り調べの時間ださっさとついてこい」
そういうと見張りの兵士は俺の牢に取り付けられている大きな鍵を外していく。
ここで変に抵抗しても何にもならないだろうと思い頭の痛みを我慢しつつおとなしくついていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
俺は見張りの兵士に促されるままついていった。移動途中どうにか兵士と会話をしようと試みるがほとんど何も答えてくれなかった。
見張りの兵士は堅牢な扉の前で止まると
「隊長、この者を命令通り連れてまいりました」
と扉の中の部屋に向かい声を上げた。
「入れ」
俺は乱暴に部屋の中に押し込まれた。
「ご苦労、お前はそのまま持ち場へ戻れ」
「了解しました」
そういうと俺を連れてきた兵士は戻って行き扉が締められると俺の取り調べが始まった。
粗末な机を挟み先ほど隊長と呼ばれていた男はもう何度も聞かれたこの質問をしてきた。
「お前の持っているスキルはなんだ」
俺は初めから変わっていない同じ答えを返す。
「異世界言語理解のスキルと創造のスキルだ」
「本当にそれだけなんだな」
なぜか捕らえられているこの状況と同じ質問の繰り返しに流石の俺も堪忍袋の尾が切れた
「なんのスキルが欲しかったのか知らんが勝手に召喚しといて勝手にがっかりされても困るんだよ!
挙げ句の果てにはこんな牢屋みたいなところにぶちこみやがって」
思わず立ち上がりそうになったところを後ろに控えていた兵士2人に押さえつけられる。
「まぁ落ち着け。ずっとこのままってわけでもねぇさ、多分な。ただあんまり反抗されてもな」
興奮している俺とは対照的に隊長と呼ばれた男は落ち着いている。
「これが落ち着いてられる状況か‼︎なんの説明もなしにいきなり食事に薬混ぜられて起きたら牢屋なんて誰だって怒るだろ」
「まぁな、俺もお前さんの立場だったら怒るし暴れるだろうよ。
ただよ、理由はともあれ、お前さんの置かれている状況をちっとあ考えてみろや、な?俺たちだって人を殺したいわけじゃないんだ。
上の方々は知らんがね。
この男の言ってることは正しい、正しいが……
「よしこいつを牢屋にまた連れて行け」
結局俺はまたあの牢屋に戻される、これからどうすればいいのだろうか、そう思いながら部屋を出る時聞こえた男の
「結局また失敗したのか、なんで関係ないのに俺が怒られなきゃいけないのか」
そのつぶやきを修は聞き逃さなかった。
私の拙作をお読みいただきありがとうございます。もしよろしければブックマーク、感想、評価お願いします。