異世界転移とスキルとか言ってるけど
今回は説明が多くなってしまい少々読みづらいかもしれませんがどうかお付き合いください。
「面を上げよ来訪者よ」
ある程度は大丈夫だとメイドさんが言っていたが、念のため跪いていた俺に対して王様は言った。
顔を上げてみると目の前にいる王様は初老の50歳前後だろうかいくつか深いしわが顔に出ているが、為政者の圧というかオーラというか人をひれ伏させるような雰囲気をかもし出している。
「そなたをこの世界に呼んだのにはもちろん訳がある。我がルクセント王国はアストーラ大陸の内陸部に位置しており、北側に魔黒樹林を挟み魔族の国がある」
俺は心の中でへ~魔族がいるんだなどと思っていたが、まだ王様の話は続いた。
「さらに、南側に長年大陸の覇権を争ってきたクラスタリア帝国があり、東側にはクラスタリア王国と友好関係にあるセントヴェリア帝国があり、西側には小国が連なって連合を組んでいる」
「そのためこの国は常にクラスタリアとセントヴェリアに警戒し続けねばならんし、最悪の場合、4か国に囲まれる可能性もある」
王様は手元にあった水を一口飲んでから、
「故にユニークスキルを所有していることの多い来訪者を呼んだのだ」
そう王様は仕方がなかったかのように言ったが、いきなり呼ばれたこっちのことは全く考えていない。まあ異世界にきてワクワクしないわけでは決してないが。
だからといって、すべて王様の言っていることが正しいとは現時点では判断できないしむしろ、よくある召喚した国や王様がただ強い力や知識を利用したいがためというのは、異世界転移系の中のテンプレのうちの一つだからだ。
わからないことだらけだが今の俺にはおとなしく従うという以外の選択肢はない。
「あの王様1つ質問してもよろしいでしょうか?」
「うむ許可しよう」
「ユニークスキルが何かよくわからないのですが、それ以前にユニークスキルがあるということは普通のスキルもあるということですか?」
そう俺が質問すると王様は少しめんどくさそうに俺の質問に答えた。
「そうだ。スキルは生まれながらに持っていることもあれば鍛錬の結果や偶然身につくことなどもある」
いやいやめんどくさそうに言われても勝手に呼んだのおたくらだから。と少しイラッときたが態度に出さないようにおとなしく聞いていた。
「スキルがあるものとスキルがないものではとても大きな差が生まれる。例えば剣術のスキルを持っている者と持っていない者では3人がかりでかかってもかなわないだろう。それ故に王国騎士団では武器スキルの習得がほぼ必須になっておる」
「スキルの中でも特に凄いスキル、その者以外使った者がいないような強力なものをユニークスキルと呼んでおる。しかし、こちらの世界ではほとんどユニークスキルを持っている者はいない」
なるほどね、俺はそのユニークスキル目当てで呼ばれたわけだ。
「それでどうすれば自分のスキルがわかるのですか?」
そんな基本的な事もわからんのかみたいな目で見られたが、だからいきなり召喚したのはおたくだと本気で叫びたくなったが我慢した。
「ただステータスオープンと心の中で念じるだけで自分の前に出る。他の者には見えないから安心しろ」
心の中で『ステータスオープン』と念じると俺の前にガラス板のようなものが浮かび上がった。
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佐藤 修
種族/人間
LV 1
HP 100/100 MP 30/30
STR 42 GRD 10
DEX 37 INT 47
AGI 21 LUK 17
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スキル
・異世界言語理解
ユニークスキル
・創造
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「おぉ‼︎ほんとに出た」
え〜とスキルは異世界言語理解?なるほどな、このスキルがあったから何の疑問もなく会話できてたのね。ユニークスキルは、創造?どんな効果なんだろう?
「そうか。ちなみにどんなスキルなんだ?」
王様が食い気味に聞いてきた。まぁそりゃそうだよな。そのために召喚したんだから。
「異世界言語理解と創造?とかいうスキルです」
「異世界言語理解と想像だと?」
「はい。異世界言語理解と創造です」
「本当にそのスキルなんだな」
「はい」
そういうとなぜだか王様は心底がっかりしたようだった。
この時俺はまだ自分のスキルの『創造』をまさか『想像』と間違えられているとは夢にも思っていなかった。
2話目も読んでいただきありがとうございます。
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