交差点(13)
一気に駆け抜けました。楽しんで頂けたら幸いです。
「!?」
私はハッと目を開けた。
気が付けば、私は通学路の交差点の前で、信号を待っていた。
(……死んだ?)
そう思ったものの、違和感を覚えた。
前に『葵』と出会った時、『葵』は信号を待っていなかった。
横断歩道の真ん中に、『葵』は立っていた。
しかし、私は信号を待ちながら、群衆の中に紛れていた。
(……どういうこと……?)
戸惑っている中で、突然後ろから肩を叩かれた。
「!」
思わずびくりとした。振り返れば、驚いた表情を浮かべた友人がいた。
「……どうしたの?」
「え、いや。驚いて……」
『葵』の時は私以外、誰も『葵』の姿は見えなかったらしい。
なのに、友人は『私』に声をかけてきた。
「ねぇ、私って生きてる?」
「……何、急に」
――何を当たり前なことを聞いているのだろうか。
友人の顔にはそう書かれていた。
その視線の先には確実に『私』がいた。
「……なんでもない」
ごまかしながら、私はまだ混乱していた。
あの一連の出来事は何だったのだろうか。
(……夢?)
それにしてはやけに現実味を帯びた『夢』だった。
あれは一体――
『なんでそんなに生きたいの?』
刹那、『葵』の言葉が脳裏を過ぎった。
「……」
もし、あれが『現実』だったすれば、未来が変わったということだろうか。
それとも私はこの後、事故で死ぬのだろうか。
「……」
単に自分に殺される可能性がなくなっただけかもしれない。
だけど。
『死ぬのに生きたいの?』
あの言葉に対する答えは変わらない。
たとえ死ぬのが決定事項だったとしても、私は――
「私は、生きたい」
直後、信号が赤から青へと変化した。
群衆が一斉に動き出した。(了)
――もし、主人公が不運の死を遂げた際。再び過去に戻り、過去の自分に再会した時。果たして未来の主人公は過去の自分を無条件に助けたりするものなのだろうか?
そんな疑問から生まれたのが、この『交差点』でした。
読んで下さった方はどうですか?
もし未来の自分が消えてしまうとしても、それでも過去の自分を助けたいと思いますか?
それでは、ここまで読んで下さり有り難うございました。失礼します。




