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MEMORYS

FLAME

「暑い~!!」

 あたしは教室窓際最前列の自分の机の上に座り、団扇代わりの下敷きを思い切り扇いだ。

「死ぬッ! マジで死ぬッ!」

 ゴクゴクと勢いよくコーラを飲む。この喉に来る刺激が堪らない。

「……どうでもいいけど、お前さー……」

 今までずっと黙って隣の席の椅子に座っていたクラスの男子が口を開く。

「何?」

「……女なんだから、股広げて座んのやめろよ」

「だって暑いんだもん」

「そういう問題じゃないだろ……」

 凄く呆れた顔をされ、溜息なんかも吐かれてしまう。

 何、文句でもあると?

「……ったく、大人しくしてれば可愛いのに……」

「え?」

 何を言われたのか一瞬解らず呆けていたあたしの手からコーラを盗ると、彼はそのままそれを飲み机の上に置いた。

「変な顔してんなよ」

「だ、誰が……!!」

 身体が熱くなってくる。

「ごちそうさま。じゃあな」

 それだけ言うと鞄を持ち教室を出て行く。



 後に残されたのは、静寂と熱さと飲みかけのコーラ。

「飲めないんですけど……」

 コーラの缶を見て呟く。

 昨日までなら気にせず飲めたけど、今は飲めない。

 この顔の熱さも、きっと暑さのせいだけじゃない。



 単なる仲の良いクラスメイトが、気になる人になった夏の放課後……。





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