誰の望み?
ついに最終回です!ここまでつっぱし手書いてきました。さぁ、いよいよ神殺しです。
「くそ!」
「あら?今日は荒れているのね。」
「アイシャか。」
「どうしたの?」
「これ以上天使を作れそうにないだ。」
「つまりはスランプなわけね。神様でもなるのね。」とアイシャは笑った。
「らしいな。」
「じゃあ、我が直接手をくだしてみるか。」
「私も手伝いましょうか?」とアイシャおどけたように言った。
「ふん。好きにしてくれ。第3ゲームスタートだ。」
この前。一美ちゃんの家の修理が終って一美ちゃんは自分の家へ帰っていった。
「やぁ、おはよう。」
声を掛けたのは予想外の人物だった。
「一美ちゃん!?なんで此処に?」
「家は直ったけど此処に来ないなんて言ってなかったと思うよ。それともお兄ちゃんはあたしには来て欲しくないのかな?」
「いや、そういうわけじゃないけど。ビックリしちゃってさ。」
「そう。それじゃあ、朝ご飯を作って欲しいな。」と一美ちゃんは笑顔で言った。
「うん。」
青い空、日差しは弱いけど、僅かに暖かい。そんな朝だった。
学校に着いたとき下駄箱に、手紙が入っていた。バタンと扉を閉めた。
「それ、ラブレター?」と葵ちゃんが聞いてきた。
「ま、まさか、そんなわけないよ。」と上ずっていってしまった。その声に葵ちゃんは笑った。
「とりあえず出してみたら?」
一美ちゃんが言った。恐る恐る出してみるとそこに書いてあった文字は。
「仲良し2人組へ
今日、天音家に来てください。みんなで鍋パーティーをする予定です。
天音 交喙より」
「あ、あたしの所にもあったよ。」と一美ちゃんが下駄箱にあった手紙を見せた。
「鍋パーティーかいいな。」と葵ちゃんが言った。その後、しばらく授業を受けていた。昼休み、僕はお昼ごはんを食べてから屋上へ行った。
「ふぁ~。今日はなんだか眠いや。」
伸びをしながら、空を眺めていた。青い空、日差しは弱いけど、僅かに暖かい。そのまま眠ってしまった。夢の中。
「お前は誰だ?」
暗闇の海に僕は浮いていた。そして、声が聞こえた。そこには僕しかいないのに。質問しているのは僕の影だった。
「僕は水樹 縁。」
「お前は何を望む?」
「何を望むのかな?小さな幸せとなるべく小さな不幸せかな?」
「ふん。幸せか。それは神に与えられる物なのか?」
「神?もし神が居るとしたらそれは不公平な存在なんだろうね。」
「不公平?」
「そう、不公平。誰かを幸せにするのが神ならばまた誰かを不幸にするのも神のはず。でも、幸せにするのが神で不幸にするのが人間なんて、皮肉なはなしだよね。」
「確かにな。だが、その不幸から救われたいから神を崇めたのではないのか?」
「なら、神は人に創られた存在だよね。」
「神は人に創られた存在だと?」
「そうさ。だから、もしかすると人間も神なのかもしれないね。」
そこで夢は覚めた。
チャイムが鳴り教室へ戻る。教室へ行けばいつもの日常の風景が広がっていた。くだらない話や勉強の事、そんな日常が広がっているはずだった。でも、そんな風景は一変した。
「おい!なんだ、あれ!?」
クラスメートの一人が空を指差した、そこには、天に浮かぶ城のようなものが見えた。
「お城?」と葵ちゃんが言った。
「なんで空浮いてんだ?!」
騒ぎ出すクラスの連中、クラスの一人がテレビをつけた。速報でニュースが飛び込んできた。
「こちら現場近くをヘリで飛んでいるんですが、巨大な城のように見えます。なにやら大砲らしき武器が見えます。」と流れている。
そして、目の前に一人の天使が降臨した。その天使は僕を連れ去って空に浮かぶ城へと連れ去って行った。
「ゆかちゃん!」と声が響いた。だけど、その頃、僕ははるか空の上だった。
気を失ったのか。目が覚めたのは見た事も無い部屋に閉じ込められていた。そこには一人の少女が居た。その姿は葵ちゃんにそっくりだった。
「此処は何処?」
「ここは天空城よ。」
「天空城?」
「そう。ただ、みんなが来るのを待ってるのも退屈でしょ?だから少し、昔話でも聞かせてあげようか?」
「昔話?」
「えぇ。聞きたい?」
「聞きたい。」
僕は頷いた。
「いいわよ。あ、その前に一つ言っておくわね。私はあなたのお友達とは別人よ。私の名前はアイシャ。女神よ。」
「女神?」
「そう女神なの。それじゃあ話を始めるわ。いい?」
僕は頷いた。
「私はこの星の人間ではないわね。貴方達の言う宇宙人に該当するわ。または神様ね。私達の祖先は人間の願望と勝手な妄想によって造られた不安定な存在だった。勿論、全ての法則として元素がからんでいるわけだからただ、考えただけじゃあモノは出来ないわ。でも、それが現実にできる物があったとしたらどうなるのかしら?」
「どういう事?」
「神様って多くは霊魂として存在するとされている。それを入れるモノがそんざいするとしたらどうなるのかしら?そう、この身体の事よ。そして、昔の絵とかにあるように神の形は人に見えていた。つまりは地球に住んでいた。人々はそれを神様と呼んだわ。人々は地上に、神様は天界の此処、天空城に居た。地上の人々は空人と共に暮らして、文明を築いていった。だから、現代では考えられないような技術が昔はあった。」
「なんで、今は無いの?」
「神との交友が途絶えているからよ。話をつづけるわね。そして、友好の印しとて、天地の石をあたえた、空の者は地の石を地の人は天の石を。友好は永遠を約束されたかに見えた。しかし地の人のある者はその天の石の大いなる力だけでなく、地の石もほしくなったのよ。人々は空に攻め入った。そして、手に入れた地の石は、その者が触れた瞬間、紅の血の色に染まった、そしてそれは徐々に黒く染まり割れた。割れた石からでた闇は、この世界の空を闇で覆いつくした。そして、その闇を打ち消す為に天の石と神達を犠牲になっていった。結果として闇は晴れたわ。そこから人と神の交流は途絶えた。結果として、闇は晴れたけど、生き残った神は私ともう一人だけなの。流石に、2人では人々と交流を結ぶのは無理なの。でも、思いのほか神の力を借りずに人々は独自の文明を築いていった。それに、私達は感心したわ。」
「そうなんだ。」
「でも、ただ見守るだけってすごく退屈じゃない?」
「うん。」
「だから、神様っていつでも退屈で刺激を求めているものなの。」
「だから、人に不幸や幸福を与えるの?」
「あ、あれは違うわよ。私達のちからじゃないわ。人々の不幸や幸福が重なって織り成している自然現象よ。」
「それじゃあ、誰かが神様のせいだとか神様に感謝ってのは?」
「それは人々の勝手な妄想よ。だって、人々の理想では神は皆平等なんですもの。そんな事できないわ。それこそ、昔の神様がいっぱいいた時代で無いと。だから、神様は手をださない。」
「そうなんだ。」
「でも、ユイシャはそれをしたいみたい。」
「ユイシャ?」
「そう、私と同じく生き残った神。それがユイシャよ。」
「何をしようとしているの?」
「天使を作って昔の状態に戻そうとしているの。でも、今は自分の退屈を紛らわすモノになっているけどね。」
「何をしているの?」
「自分の作った最強天使に自分の作った天使をぶつけて遊んでる。」
「天使に天使を壊させてるの?」
「そうよ。一体の天使を地上に送り込んで一人の人間と契約を結ばせて戦わせてるの。」
「それって、まさか。」
「そう。貴方と契約を結んだ天使がそうなのよ。天使はマスターの想像力を使って力にするから、貴方はかなりの想像力があるみたいね。」
「冗談じゃない。そんな勝手な理由でファーリングを傷付けさせていたなんて。」
「私は止めないわ。私は彼の意思に従う。」
「なんで。」
「彼が好きだから。」
ファーリング視点。
私は空に浮かぶ城を見て胸騒ぎがした。私は学園へと飛んでいった。
「葵さん。マスターは?」
「ゆかちゃんが、天使に連れ去られちゃったんだ。」
「マスター。」
「やっぱり、飛んでいったのは縁君だったのね。」と後ろで会長さんが言った。
「会長。」
「それじゃあ、助けに行くわよ。ついでに学校に不法侵入を許した神様も懲らしめに行こうかしら?」と会長さんが言った。
「神様?」とギンさんが言った。
「どうせ、天使がいるんだから神様が居るんでしょ?さぁ、行きますか。」
ボタンを押すと校庭が割れた。
出てきたのはジェット機。
「ボクもついていくぞ。」
「俺もついていくぜ。あいつは大事な友達だからな。」
「あたしも行く。お兄ちゃんは絶対に取り戻す。」
「それじゃあ、行くわよ。」
私達は飛び立った。城に着くと、そこは巨大な都市のように所狭しと、建物が建てられている。そしていろんなところから、緑色や赤色、青色をしたスライムのようなものが出てきた。
『なんだろう?すごく、此処に着てから頭の中にノイズが。』
「これは、城の防衛プログラムです、一体一体は弱いですが、集団で来るので注意してください。」
「了解。」と葵さんが銃を撃ってスライムを消滅させた。
「時間が無いからさっさと行こうぜ。」
階段を駆け上がっていった。そして、広い場所に出た。そして声が聞こえた。
「よくきたな。我を倒したければ城の頂上まで来い!そこに、少年も居るぞ。」
「ゆかちゃんに手を出したら許さないぞ。」
「ふん。人間お分際で神に命令か。なら早く来る事だな。我の気分しだいなのだよ全ては我の意のままに。」
「随分と上目線ね。」と会長さんが言った。
「まぁな。我は神だからな。」
「そっか。それじゃあ覚悟してなさい!」
会長さんは何処から出したのか銃を取り出して放った。それはレールガンだった。
「よし、道は開けたわ。行くわよ。」
最上階まで後1階だった。そして開けた場所に一人の少女が居た。
「汐宮?」とギンさんが驚いていた。確かに目の前には葵さんにそっくりな女神が居た。天使との区別は羽でつけた。
「貴女は?」と葵さんが聞いた。
「私はアイシャ。もし、上にあがるなら私を倒して行きなさい。」
「此処は私に任せてくれ。」と葵さんが前に出た。
「ダメです。相手は女神です。人間の敵う相手ではありません。」
「ハハハ。」と突然葵さんは笑った。
「人は神には勝てないか。でもな、神は人間んが創ったんだよ。だから、人間も神なのかもしれないぞ。」
「なら、私も戦うわ。」
「俺もだ。」
「みなさん。」
「ファーリングさん。貴女はゆかちゃんの所に行って。そして、神を。」
私は頷いた。そして魔法を溜めてから放ち最上階のドアをぶち破る。そのまま飛んで扉へとはいる。そこには、神が居た。
「マスター?」と私は聞いた。神の姿がマスターに見える。
「そうだな。お前を造ったのは我だからある意味で我はマスターなのかもしれないな。」
「マスターは何処ですか?」
「お前のマスターならお前の真上に居るはずだが?」
私は上を見上げた。そこには十字架に掛けられたマスターが居た。
「マスター!」
私はマスターをつるしている十字架を打ち落としてマスターを抱えた。
「マスター。」
「あ、ファーリング。」
「ほう、お前は名前を貰ったのか。」
「えぇ、私はもう1075号ではありあません。」
「そうか。そうだ、先に言っておいてやる。お前が見たアイシャの姿も我の姿もそこの人間とはなんの関係もないぞ。ただ、似ているだけだからな。」
「解っています。偶然が生み出した。」
「その通りさ。まぁ、似ているから我はそいつにお前を着けたのだがな。だが、むかついたのでちょっといじめたがな。」
「マスターを傷付けた事を私は許しません。私は、貴女を許しません。」
「なら、我を倒してよ。これこそ、最大のゲームだ。さぁ、始めよう!」
私はレールガンを放った。だが、神の目の前で攻撃は消えていった。
「無駄だ。その程度の攻撃では我には届かない。」
そして、目の前から消えると私の後ろに回っていた。そして腰に思い蹴りが入り私は飛ばされる。
「さぁ、俺をもっと楽しませてくれ。なんていったってお前は俺の能力のプロトタイプなんだからな。」
私はいくつもの魔法弾を放った。でも全部消される。
「とは言え。」
また背後に回られて蹴飛ばされる。
「契約者が人間では無理があったか?」
私はボロボロになっていった。そして、いつしかマスターは神に捕まれていた。
「なぁ、もっと我を楽しませてくれよ。我は退屈してるんだ。もしも、ダメならこの小僧の首を落とすぞ。」
そう言ってマスターの頬を電撃がかすめて血を出させた。
「ん?」
マスターが神の腕を掴んでいた。
「やめろ。」
「ふん。人間風情が神に触れるとはな。」
そう言ってマスターを投げ捨てた。
「マスター!」
私はマスターを受け止めた。
「そんなゴミみたいな人間がそんなに大事なのか?」
「今、なんて言いました?」
「あぁ?ゴミみたいな人間が大事か?」
「ゴミって言いましたね。」
「あぁ、ゴミだよ。そんな存在。」
「許さない。マスターへの侮辱は私が許さない。」
私は想像力を体全体に放出させた。地面にヒビが入っていった。その圧に小石が飛んでいく。その小石は神の頬をかすめて血を流させた。血は人間と同じ赤色だった。
「ほう、この我に血を流させるか。面白くなってきたな。1075号!」
そう叫んでこちらに飛んでくる神。私は神の拳を受け止めた。
「私はあなたを許さない!」
そう言って殴った。拳は見事にヒットしたはずだった。
「あぁ、効いたな。でも、神の前にその程度の攻撃では意味が無いに等しいな。」
「だったら、あなたを破壊するまで攻撃するまでです。」
私は拳を握って力強く言った。
「やってみろ!たかが一人の天使で我を倒す事なんで出来るわけが無いのさ!」
そこに銃弾が飛んできた。
「一人じゃなかったら?」と会長さんが言った。
「馬鹿な。アイシャが倒されたとでもいうのか?」
「あぁ、女神様なら俺達が倒したぜ。」
「まったく、倒したというよりも運でかったようなモノね。」
「どういう事だ?」と神が言った。
「アイシャさんは戦闘を好む人じゃなかったからな。みなんなで話し合いの結果三人の芸で笑ったら通してもらう事にしたんだ。神様はいつも退屈しているらしいので、笑わせるのに苦労したけどな。」と葵さんが言った。
「そんなくだらない事で。」
「でも、神様はちゃんと約束をまもってくれたのよ。」と会長さんが言った。そしてみんな武器を構えた。
「ゆかちゃんをこんなにも痛めつけた罪、その身に刻んであげる。」
「覚悟しやがれ!」
「以下同文。」
でも、神にみんなの攻撃は通用しなかった。「っく、銃弾が通用しない。」
「こっちも、剣術が通用しない。」
「あらあら、困ったわね。」
「なんで、交喙先輩はそんなに余裕なんですか!」
「余裕なんて無いわよ。でも、焦っても行動が単純になるだけよ。」
「単純ね。」と葵さんが言った。
「解っただろ。お前達に神は殺せない。」
「ふん。神なんて所詮は人が創った者に過ぎないわ。だから、神が殺せるか殺せないかはあなたが決める事じゃないわ。」と会長が言った。
「なら、我を殺して見せよ。」
十字架のポーズを取る神。
「マスター?」
「そっか、解った。神様。今、貴方を殺して見せますよ。」
ヨロヨロになったマスターが言った。
「ふん、最強の天使ですら倒す事が出来ないのに人間のお前が我をたおすだと?片腹痛いわ。」
「僕一人じゃない。みんなの力でお前を倒すんだ。」
「ふん、このゲームは我が勝つ設定なのだ。お前らは引き立て役に過ぎない。」
「じゃあ、試してみようか?」
私に近づくマスター。そして、私の背中に回って抱きついた。
「マスター?」
私の手を掴んで槍でも投げる仕草をする。
「この世で唯一神を殺せる武器が存在するんです。それは、ロンギヌスの槍。ファーリングの力が僕のイメージを現実にできるなら、撃てるはず。」
そして、投げた。見えなかった槍は徐々に形を現わしていく。
「どうせ、我には届かぬよ。」
また攻撃が消されるのだと私は思った。
でも、マスターは私の手をギュット握って言った。
「大丈夫。僕を信じて。」
「YES MY MASTER。」
そして、信じた瞬間、槍は完全に実体化し神に刺さった。そのまま壁へと追い詰める。
「よし、これでもう一発。」
「やめて!」
そこの飛び込んできたのはアイシャだった。
「アイシャ。」
「もうやめて。もう、十分でしょ?」
「ユイシャももうやめて。」
「五月蝿い!せっかく楽しんでるんだ!邪魔をするな!」と雷の槍をだしてアイシャを貫いた。その光景に一同が息を呑んだ。血飛沫を飛ばして倒れるアイシャ。
「ユイシャ。大好きだったよ。」
そう言って消えた。
「さぁ!ゲームを続けよう!我を殺してみせよ!」
「わぁぁぁ!」
マスターが暴走しかけていた時にみんながマスターを囲うようにして集まってきた。
「水樹。あいつをぶったおすぞ。」とギンさんが言った。
「おいたが過ぎたわね。神様。」と会長さんが言った。
「あたしがこんなに悲しい気持ちになるのは初めてかも。でも、今は泣かないよ。悲しみを力に変えて、全力で倒す。」
「さぁ、ゆかちゃん。神を倒そう。」
「うん。」
「ユイシャよ。最後に言っておきます。私を造ってくれてありがとうございました。そして、さようなら。」
「「喰らえ!ロンギヌス!」」
槍は神を貫いた。
「あぁ、これが死と言うモノか。我はこれを何千年待った事か。」
そう言いながら光の粒子になっていく。
「このゲーム。お前達の勝ちだ。」
そして消えていった。そして、城が揺れ出した。
「おい、なんだ?」とギンが驚いた。
「神の力が消えたから城が落ちようとしてるんだわ。」と会長が言った。
「まずな。早く逃げないと。」と葵さんが言った。
「さっさと帰ろう!」と一美さんが言った。崩れゆく城。ギリギリで脱出した私達。そして、城は地面へと衝突しようとしていた。
「あんなのが落ちたらひとたまりもないんじゃぁ。」とマスターが言った。
「大丈夫です。私を信じてください。」
「ファーリング?」
マスターは私を見て言った。
「おい、漫画やアニメのように自爆的エンドはやめてくれよ。」とギンさんが言った。
「違いますよ。マスターの小説みたいな終り方をするんです。」
「僕の小説みたいな終りかた?」
「えぇ、こういう時、マスターはどうしますか?」
「えっと、みんなの力でそのものを諸滅させる?」
「そうです。ですから、皆さん、私の羽に触れてください。」
みんなが私の羽根に触れた。みんなの温かさを感じる。そして、砲撃を溜めていく。
「みなさい。あれを消滅させるイメージを固めてください。そのイメージを私に送ってください。」
みんなのイメージがやって来た。そして、最大出力で砲撃を放ち、城を消滅させた。
「「やった!」」
「よかった。」
私は倒れてしまった。
「ファーリング!?」とマスターが言った。
「ちょっとエネルギーを使い過ぎてしまったみたいです。発条を巻いてもらえますか?」
「あぁ巻いてあげますとも。」
あぁ、気持ちいいな。私はなんだか心地よかった。
あれから数日。僕はファーリングに聞いた。
「ねぇ、ファーリングの故郷ってもう消滅しちゃったんでしょ?どうするの?」
「どうすると言われましても。」
ファーリングは少し間を置いてから今まで見た事も無いような最高の笑顔で
「マスターのお側が私の帰る場所ですから、これからもずっと、マスターの側に居させてください。大好きな、マスターのお側に。」
「あたしだっておにいちゃんの側に居るんだから。」
「ボクだってゆかちゃんの側にいるぞ。」
そう言いながら僕に近づいて僕の左右に座る一美ちゃんと葵ちゃん。
「だって、あたしはお兄ちゃんの事が大好きだから。」
「ボクだって、ゆかちゃんの事がだいすきなんだもの。」
「「だから、ずっと側にいる。」」
2人の声が重なった。僕は苦笑いをした。神様を倒すよりもこっちの方が大変なのかもしれないなぁ。この恋の行方はどうなったかは書きません。あなたの好きに想像してかまわないよ。それじゃあ、またどこかで会えたら。その時まで、さようなら。
END
こんにちは、バラットです。
いかがでしたか?これで、この物語は終わりです。
宗教等を批判する為に書いた作品ではないのでそのあたりはご了承ください。
初の長編に挑戦しました。感想や意見などお待ちしております。では、今回はこれにて失礼します。