神様のゲーム
神様のゲーム
よう、人間。此処はお前達の言う言葉で言えば天国だな。そして、我は神だ。
「まったく、退屈だ。」
我は近くにあった棚を壊した。
「1075号はまだ破壊できないのか?」
「下級天使が挑んでるみたいだけど無駄みたいね。」とアイシャが言った。
「ふん。やはり、その程度では相手にもならないか。なら、第二ゲームスタートだ。」
「まったく、貴方達は暇なのね?」と窓から校庭に向かって叫んだ。
『私は事務仕事に稽古と忙しい毎日を送っているのにまったく羨ましいわね。』
「お前が、天音 交喙だな。」と男達は言った。まったく、この人達は夏とは言え学生服一枚で平気なのかしら?
「そうだけど。」
「覚悟してもらうぞ。」
どうやら、うちの家の噂を聞きつけて喧嘩を挑みに来るヤクザの集団らしい。(まあ、捕まえれば金に成りますから。)
『しかし、こうも狙われるとうかうかデートも出来ないわね。』
そういえば最近ギン君とデートしてないな。私が忙しすぎて時間が合わないのよね。
『とっとと終らせて仕事に戻らないと。』
まあ、見た感じ外人だね。おおかた非合理な賃金で雇われた可哀想な人達だろうけどね。
「おい、天音先輩。また戦う気なの?」と騒ぎを聞きつけて駆けつけてくれた私の彼氏。でも、ナイトには程遠い存在だけどね。私に取っては大事な人だから傷付けさせない。
「だって、このまま学校壊されたらいやじゃない?」
「そりゃあ、いやですけど。」
「まったく、私の彼氏なんだからもう少し覚悟してよね。」
私はギン君の鼻を小突いた。とはいえ、このままだと本当に学校が迷惑するな。前にも学校壊しちゃったし。花壇とか硝子とか、その他色々。
「それじゃあ、応援よろしく。」と私は窓から飛び出した。
「相変わらずすごい身体能力。」
まったく、着地して早々に襲ってくるなんて、レディーの扱い方を知らない方々ね。しかし、動きの遅い相手は止まっているのも同じ事、あっという間にほぼ壊滅状態まで追い込んだ。
「ば、化け物だ。」と震え上がる男。
「仕方ない柳沢(私の執事)に連絡してこの処理を頼むとしましょう。」
こういう処理は大人に任せるのが一番。私は携帯で連絡を入れた。
「あいつをボスに突き出せば莫大な金が入るんだ。みんな行くぞ!」
剣と銃と閃光弾って襲ってきた。流石に、私も武器を使われると・・・。
「お嬢様~!」
柳沢が降ってきた。そのまま男達を弾き飛ばしていった。この少しお爺さんになりかけている人が私の執事。柳沢。
「よく来てくれたわ。悪いけど此処の雑魚ども(倒れてる人達)を処理してくれて。後、死刀持ってる?」
「前者は了解です。しかし、死刀はあまりにも危険です。ぐほ!?」
私は柳沢を蹴っ飛ばした。柳沢の居たところに剣らしき物がある。そして、敵を見てみるとなんともダークスーツを着込んだ男の人が立っていた。
「天音 交喙。お前を我らがボスの元へ連れて行く。」
「お断りします。」と私は断った。
「なら、紳士の時間は此処までだ。」と新たに剣を抜いた。その剣は光の剣だった。
私は地面を強く蹴った。
「何が紳士ですか。いきなりそんなもの向けてくる紳士がいるはずないでしょ。大体、紳士なら間に合っていてよ。あそこで応援してくれてる。彼は史上最強の紳士よ。」
『お嬢様・・・。“恋は盲目”とはよく言ったものです。』
「それにしも、その剣どこで手に入れたの?その剣って確か天音家が開発中の試作品だよね?」
「ふん。ビーム剣を造っているのは天音会社だけではないのだよ。ゆけ、お前達!」
勝手に名前まで付けて。その剣の名前はエクスかリバーですよ。まぁ、聖剣と呼べるかは解りませんが。
「交喙!」
ギン君が私の鞄に入ってた妖刀を投げてくれた。ん?今、私の事を呼び捨てにしなかったかしら?まぁ、いいわ。
「その剣で、私に勝てるかしら?」
死刀には劣るがこいつらなら妖刀で十分だろと思う。その予想が当たったのか私の実力があるのか前衛の連中は倒せた。
「ふん。愚か者達じゃ。」
柳沢達が気絶した人を回収している。
「お嬢様!大変です。たったいま予告テロリストが!」
最近、私が町のヤクザや不良を殲滅するようになってからテロリストとかが増えた気がする。あまり家の力を使いたくないんだけど。
「学校に居るみんなを早急に地下の格納庫へ避難させて!ギン君はこっちに。」
ちなみに、地下の格納庫はこないだ私が勝手に作ってしまいました。てへ。
「お嬢様、今回のテロリストは本物らしいです。国際テロリスト黒バラです。仕方ありません、お嬢様これを。」
柳沢が投げたのは死刀だった。私は死刀を受け取った。
「ありがと。柳沢も早く避難して。」
「いえ、私は何処までもお嬢様に着いて逝きますぞ。」
「まったく。あ、それと行くって漢字が天国へ逝くって字になってるわよ。」
「わかっております。粉骨砕身の覚悟ですので。」
事態を聞きつけたのか仲好し2人組みと一美ちゃんが現れた。そして、何故か知らないけれど天使もね。
「会長。これって一体?」と縁君が聞いてきた。
「見てのとおり。テロリストが来るからみんなを避難させてるの。」
「テロリスト?」と葵ちゃんがビックリした顔をした。
「どうやらお迎えが来たみたいね。」
降りてきたのは大きな蜘蛛に乗った陽陰師みたいな人。
「ふ~ん、最近のテロリストは妖怪まで使うの?」
「これも、生きるためですから。陰陽道だって取り入れますよ。」と陰陽師が言う。そして、百ぐらいの妖怪が召喚される。
「あ、もしかして、ギン君には見えてないかしら?」
「なにが?てか、なんてあの人浮いているんだ?」
どうやら見えてないらしい。
「そっか、やっぱりこの刀持たないと駄目かしら?」
私は妖刀をギン君に渡した。ギン君は驚いて地面にへたりこんだ。
「まぁ、普通はそうなるわね。」
でも、葵ちゃんと縁君、一美ちゃんには見えてるみたいね。天使はどうだか解らないけどね。
「他流原子を感知。目標を補足。」
どうやら見えているようだ。
「妖怪退治か。面白そうだな。」と葵ちゃんが言った。
「やってみる?」
葵ちゃんには対妖怪用の銃を渡したし。
「大丈夫よ。せいぜい街のチンピラ100人に囲まれたと思えば。」
「いや、それでも十分に怖いとおもいますけど。僕、普通の高校生だし。」と縁君が言った。
「そうね。なら、貴方と一美ちゃんは隠れていて。」
「俺も普通の高校生なんだけどね。」とギン君が言った。
「私の彼氏になった時点でもう、普通じゃないのよ。さぁ、戦って。その前に杯ならぬ口付けを。」
私はギン君にキスした。周りは天使を除いて唖然している。
「ちゃんと生き残れたらご褒美あげる。」
「うん。俺、頑張る。」と元気になった。
「あ、あの~。初めていいですか?」と相手が聞いた。
「あ、ごめん。それじゃあ、早速始めようか、狂乱の宴を!」を私は刀を抜いた。
俺は刀を抜いた。
「開け!妖刀・遮那。」
煌く日本刀。散らす火の粉。
『軽い!それに妖怪だけど斬っても式神に戻るだけ。いける!』
「だぁぁ!」
俺は全力で刀を振るった。勿論俺に剣の腕は無いがとりあえず。当てれば切れる。
「僕の眼からは逃れられないよ。」
銃を発射する。眼はかなりいいので全弾命中。
「この!これだけ近づけばそのでかい銃も役には立つまい。」と妖怪が言った。
「それはどうかな?」
ボクは銃を地面に放った。そして、ダガーベルトに仕込んでおいたハンドガンを放つ。
「ボクに苦手な距離などない。」
時は平成、ある学校に一人のお嬢様がおったそうな。その少女の学校は今まるで、戦乱の世のごとく。なんて、ローカルネタ解るか!突っ込みつつ私は妖怪を斬って行った。
「後は貴方だけですよ。」
「やはりテロはテロらしく重火器が一番ですね。」と言って手榴弾を投げる。私はソレを足で蹴って校舎に投げ込んだ。あぁ、校舎めちゃめちゃにしちゃった。
「抜けん 死刀・凪!」
一閃、しかし倒したのは蜘蛛だった。さすがプロ、回避がいいね。
「っく!」
マシンピストルを放つ。しかし、凪の前では全てが無意味になる。刀をくるくると回して銃弾を全て弾く。そして、縮地で一気に距離を詰める。
『斬刑に処するわ。』
「ば、化け物!」と地面にへたり着く男。
「純情な乙女に向かって何を言うか!」
私は斬りに掛かった。銃を放とうとするけど葵ちゃんが銃を撃って弾く。手が痺れて動けないようだ。そして、刀を振り下ろす。勿論、切らない様に顔の横に刺したけど。
「あらら、気を失っちゃった。」
「お嬢様。他の部下達も全員捕獲したそうです。」と柳沢が言った。
「そう。ん?なんか焦げ臭いような?」
「まさか、爆発落ち・・・?」と縁君が言う。
「熱源反応を感知。」と天使も言った。
「確かに、テロリストの最後の手段って爆発だよね?」とギン君が言う。
「そうね。これは逃げたほうがいいかもしれないわ。」
私達は全速力で逃げた。そして、学校は跡形もなく崩壊してしまった。
「あぁ、これじゃあ授業は中止だね。」
縁君が言った。
「いや、授業以前に何も出来ないよ。」と葵ちゃんが言った。
「柳沢、後の処理をお願い。」
「お任せを。」
(こうした資金を出しているため学校も私を退学にしない。しかし、毎度備品を壊されるとその額も半端無い。お嬢様だからこそ出来る業である。)
まぁ大丈夫でしょう。ちなみに私のお父さんは世界でも有数のお金持ちだから、何もしなくてもお金が入ってくるんだって。著作権とかもあるし。
ここからは私の視点のようですね。
「高エネルギー反応を確認。防御シールドを展開。」
「え?ファーリング?」
「マスター達は地下の格納庫に隠れていてください。ここは危険です。」
「危険ってどういう事?」とマスターは聞いた。
「説明は後でしますから。早く。」
「行くわよ。」と会長さんがみんなを引っ張っていった。私の目の前を通り過ぎるときウインクをして行った。
「ありがとうございます。」
みんなが校舎に隠れた時に私のシールドが砕かれて2体の天使が出てきた。見た目はハーピーがベースのようだった。
「貴女方は?」と私は聞いた。
「私は戦闘用人造天使タイプY。」
「同じく。」
YということはXとかZも居るのだろうか?
「まさかこんなプロトタイプの破壊に私が必要になるなんてね。」
「今までの天使が弱すぎたって事なのかしらね?」と天使の2人は言った。
「戦闘モードに移行。」
私は戦闘モードへとモードを切り替えた。
「それじゃあ、始めるわよ。」と銃らしき物を構えていきなり超電磁砲を放ってきた。私は羽根を生やして空へと飛んで避けた。
「落ちろ!」ともう一人の天使が私の上に来て私の頭を殴る。
『動きが速い。』
「おらおら!」
敵天使の連続のパンチがヒットしていく。
「ふん。人間なんかと契約するから能力が落ちるんだよ。お前のマスターなんて貧弱で役に立たないゴミなんだろ?ゴミと契約した天使はもう天使じゃない。ゴミなんだよ!」
私はその言葉を聞いて怒りを覚えた。
「Last!」と振りかぶって飛んでくるパンチを私は止めた。
「何!?」
掴んだ拳を力いっぱい握り潰した。
「なんだこいつの力は!?」
「私の悪く言うのは構わない。でも、私のマスターを侮辱した事は許さない。」
「プロトタイプが粋がるな!」ともう一人の天使が飛んでくる。私は飛んでくる天使を蹴り飛ばして校庭へと埋めた。
「なら、このゼロ距離で超電磁砲をお見舞いしてやるよ!」と目の前の天使が言った。銃を構えて放つ。爆風と衝撃が2人を引き離した。
「これで。」とボロボロの天使が言った。
「馬鹿な!?あの距離で超電磁砲を喰らって無傷だと?」
自己修復機能をかけて傷を塞いだのだ。怒りが私に力を与えているのか何時もよりも能力が上がっている。
「この!化け物!」と超電磁砲を2人まとめて放ってきた。私は砲撃の真中へと突っ込んでいった。
「馬鹿か!そんな事したら自滅だぞ!」
目の前にシールドを全開させて砲撃を抜けていった。そのまま両手を伸ばして二人の首を掴んだ。
「な、なんであの砲撃を?」
「私のマスターは弱くなんてない。ましてやゴミでもない。私のマスターは私がこの世界でもっとも信頼している存在。それを悪く言った事を私は許さない。私はお前達を許さない。」
「ぐぅ。」
私は2人の首を思いっきり締め上げた。
「そん・・な、こんな・・プロとタイプに、戦闘用の私達が・・・。」
「降り注げ聖なる光の剣。」と私は言った。その瞬間に上から無数の光の剣が降り注いできた。そして、天使が消滅していく。
その様子を我は泉で見ていた。
「はっははは。まさか、戦闘用のタイプYまでで破壊するとはな。さすがだな。」
「楽しそうね。」
「アイシャか。あぁ楽しいな。」
「そう。貴方が楽しいならそれでいいわ。」
「1075号が戦闘用天使のタイプYを倒したよ。」
「あら?あれは貴方の自信作じゃなかったかしら?」
「あぁ、全てを焼き払うレールガンを装備させてそれに耐えれるだけの耐久力もつけたんだが。」
「それじゃあ、もっと強いのを創らないとダメね。」
「そうだな。」
神のゲームはまだ続く。我が退屈している限り我は刺激を求め続けるからな。では、またどこかで会おうか人間よ。