できる事
できる事
例えば一つの物事を完璧に出来る奴が居たとしよう。でも、ソレは完璧という名の壁である。完璧は完全なる壁。そう、完全と言う事は全てが完結しているという事。つまりはそれ以上が無いのだ。生物の多くはは上を目指したがる生き物らしい。じゃあ、一番上に居る存在は何を目指すのだろう?だって、それ以上が無いのだから、いや、ソレ以上を知らないのだろう。だから一番上の存在は下の存在を眺めて嘲笑い時に嫌がらせや気まぐれの手助けをするのだろう。上の存在は下しか見れない。だから、上がってくるモノを蹴落とすのだろう。
「マスター?」
ファーリングが眠っている僕に声を掛けた。
「ん?」
今日は、学園はなんかの記念日でお休みらしい。だから僕は昼寝をしていた。
いや、寝るといってもただ目をつぶっているだけなので実際は眠っているわけじゃない。
「いえ、何か深刻な顔をしていたのでどうかしたのかと。」
「大丈夫だよ。ただ、くだらない考えを頭の中で回していただけだから。」
「そうですか。」
そう言ってファーリングは本に目を戻し始めた。本といっても僕の書いた小説を本にしたものだけど。
「面白い?」
「えぇ、展開が上手く切り替わっていて読者を飽きさせないですね。」
「なんだか、自分で書いた本が読まれるっていうのはその、なんて言うか照れるというか恥かしいというか。」
「なんでこんなに文章が書けるのに投降しないのかボクには疑問でしょうがないんだけどね。」と葵ちゃんが窓から入ってきた。
「あ、葵ちゃんいらっしゃい。」
「お邪魔するね。」と葵ちゃんは窓を閉めていった。
「僕が投降しないのは投降が目的で書いてるわけじゃないからだよ。」
「そうなの?でも、誰かに読んで欲しいとかいう事は無いの?」と葵ちゃんが聞いた。
「無くは無いけれど、自分の知らない所で読まれているのが、その、なんとうか、怖いというか。」
「怖い?」と葵ちゃんが言った。
「そう。だって、自分の作品が何処でどうなってるかわからないんだよ。」
「う~ん、そういうものなんだ。」
「うん。単に批判されるのが怖いだけなのかもしれないけどね。」
「こら、暗い顔しないの。笑って。」と僕の頬っぺたを引っ張る葵ちゃん。
「あふぉいちゃん?」
「ゆかちゃんは暗い顔しちゃだめだよ。」
「なんで?」
「人は笑って幸福を呼ぶものなの。笑ってないと幸運の女神も逃げちゃうよ。」
「天使なら居るけどね。」と僕はファーリングを見て言った。
「そうね。」
「マスターは幸福が欲しいのですか?」
「少なくとも不幸はあまり欲しくないね。でも、幸福もありすぎるとソレが当たり前になるからソレもいけないんだ。不幸が有るから幸福がある。だから、幸福だけが欲しいわけじゃない。」
この世界は対のモノがあって成り立つものが多い。負には正を無には有を悪には善を。打ち消す言葉も打ち消すモノが無ければ成り立たない。
「マイナスとプラスか。正反対だけど、親密に繋がってるものだな。」と葵ちゃんが言った。僕は頷いた。
「私はどちらなのでしょうか?私はマスターにとってプラスですか?マイナスですか?」
「さぁね。僕には解らないよ。でも、ファーリングがいるからって困る事はないよ。寧ろ助かってる。」
「そうですか。それはよかったです。」
そんな事を話しているうちにチャイムがなって僕は玄関へ向かった。
「おじさん?」
「やぁ。縁君。元気でやっているかな?」
「うん。何の問題も無いよ。」
「そうか、それは良かった。実は・・・。」
「お兄ちゃん!」とおじさん後ろからと飛び出して来た。
「一美ちゃん!?」
「お久しぶり~。」
その不邪気な笑顔を放っているのは影守 一美僕の一歳下の従妹である。
「お邪魔していいか?」
おじさんが聞いた。僕は葵ちゃんが来てるから少し待って欲しいと言った。
「誰だったの?」と葵ちゃんが聞いた。
「おじさんと一美ちゃん。」
「へぇ。」
「ねぇ、ファーリング。しばらくの間外に出ていてもらえる?」
「解りました。」
ファーリングは窓から白い羽を伸ばして飛び出していった。
「なんで?」と葵ちゃんは首をかしげながら言った。
「大人に説明するのは面倒だからね。大人はこういうファンタジーな出来事を中々受け入れられないものだからさ。」
「そうだね。」
僕は2人を呼んだ。
「珍しいね、二人が来るなんて。」
「まあ、たまには生存を確認しないと。」
「電話で聞いてくるのに?」と僕は言った。
「まぁ、その。なんだ。」
僕は勘で、二人が何しに来たのか予想した。
「どうせ、なにか頼みがあるんでしょ?」
二人は顔を見合わせ驚いた。
「なんでわかったの?」と一美ちゃんが不思議そうな顔をしている。
「やっぱり・・・・直感ってやつ。」
「す、するどい。」とおじさんが言った。
そんなわけで、こっちの中学に転向することになった一美ちゃん。両親の会社の都合でこっちに来たらしい。
「でもね、こっちに住むはずだった家が、実は欠陥住宅ってことがわかったんだ。だから家が再構築されるまで、ここに居候することになりました。」とさ。
「必要な経費はこちらでどうにかする。だから、頼む。」
「了解しました。」
「葵ちゃんも構わないよね?」とおじさんがきいた。
「なんで葵ちゃんに聞くの?」
僕は伯父さんに聞いた。
「いや、もう、ここの家族みたいなものだから。一応断っておいた方がいいと思って。」
「ボクはかまわないですよ。これからよろしく。一美ちゃん。ボクの事は葵でかまわないからな。」
「あ、はい。よろしく。」
一美ちゃんの両親は会社に泊まるらしい。
「そんなわけでよろしく頼む。」
そう言っておじさんは帰っていった。
夕方になってファーリングが帰ってきた。既に天使の事を一美ちゃんには説明してある。
「わぁ、本当に天使なんだ。」
「マスター、この子は?」
「僕の従妹。影守 一美。」
「よろしく。ファーリングさん。」
「よろしくお願いします。」
そして、晩御飯。何故か、葵ちゃんまで一緒に居る。最近こっちに来る事が多くなった気がする。普段はご飯どうしてるんだろう?
「やっぱり、ゆかちゃんの料理は美味しいなあ。」と葵ちゃんが言った。
「ほんと。お兄ちゃんって料理が上手なんだね。」と一美ちゃんが笑顔で言ってくれた。
そして、夜。
「なんで僕の部屋で寝るの?」
「しょうがないじゃん、あたしはベッドじゃなきゃ眠れない体質なんだから。それにこの家には、お兄ちゃんの部屋しかベッドないからさ。」
そりゃあ、この家には僕とファーリングしか住んでないからね。元は僕だけだしね。ついでに言えば葵ちゃんの家にはベッドは無くて布団である。
「だからって・・・はぁ。」
大きなため息をついた。仮にも、あなたは中学一年生の女の子でしょ?一美ちゃんにはそういう所は昔からないのだけど。きっと葵ちゃんとよく遊んでいたせいだろう。
『天真爛漫というか無邪気というか。』
「だったら、お兄ちゃんもベッドで一緒に寝る?」
完全にからかっている。僕は大きなため息をついてから一言断りの言葉を入れた。
「遠慮しておくよ。」
「ふふふ。そうだよね。お兄ちゃんにそんな事出来るわけないもんね。」
それはどういう意味なの?なんて聞けるわけも無く僕は床の布団へと転がり込んだ。
次の日。目覚ましの音が鳴り、時計も確認せずにその音源を黙らせて起きる。横をみると無邪気な顔で寝息を立てている一美が居る。そっか昨日からいるんだっけ。
『ん?なんで僕の隣りに?』
ベッドでしか寝れないと言っておきながら布団で普通に寝てるじゃん。
『そっか。昔から誰かの布団にもぐりこんでいたな。』と昔の事を思い出しながら僕は布団から出た。
「そういえば学校って何処なの?」
「えっと、お兄ちゃん達と同じ学校だよ。」
「神上学園?」
「そう。そこの一年生だよ。」
「じゃあ、一緒に行く?」
「うん。」
「あら?今日は両手に花?」と会長が言ってきた。
「違いますよ。彼女は僕の従妹。」
「あら、そうなの?転校生?」
「はい。影守 一美と言います。」
「よろしく。天音 交喙よ。会長って良く呼ばれてるけどね。」
会長は相変わらずのようだ。
そんなわけで昼休み屋上へやってきていた。
「あ、一美ちゃん。」と葵ちゃんが言った。
「あ、葵さん。実は質問攻めにされて疲れちゃって。」と一美ちゃんは苦笑した。
「そりゃぁ大変だったな。」と葵ちゃんが言った。僕は弁当を一美ちゃんに渡した。
「はい。朝、忘れていったでしょ。」
「あ、ありがと。お兄ちゃんのお弁当か。なんだか期待しちゃうね。」
「そんなに期待されても困るんだけどね。」
「まぁ、いいじゃないか。ゆかちゃんの弁当は確かに美味いからな。」
「それじゃあ、食べるとしますか。」
私はマスターが帰ってくるまで本を読んでいた。マスターの作った小説で、多くはファンタジー系統の物である。話も面白いし私は好きだった。そういえば、マスターは私に発条を巻いてくれたり羽の手入れをしてくれたりしてくれているのに私はマスターに何かしてあげられたのだろうか?マスターは迷惑がってはいないようだけど、何故か胸が苦しい。私は機械だからこの感情がどういうものなのかは解らない。ただ・・・
「マスター。」
私はマスターに恩返しがしたい。でも、何をしたらいいのでしょうか?とりあえず、部屋の掃除をしましょう。マスターの仕事を少しでも楽にしてあげればマスターも喜んでくれると思う。私は部屋の掃除を始めた。
「とは言うものの、何をどうすればいいのでしょうか?」
とりあえずゴミ箱のゴミを捨てる事にした。そういえばマスターは分別がどうと言っていましたね。
「此処では不燃ごみと可燃ごみ、それに金属とビンで分けているようですね。」
私はその通りにして分別を始めた。マスターは既にゴミを分別してあるので私はソレを袋に詰めてゴミ捨て場へと向かった。
『あ、羽をしまわないと。』
私は羽をしまった。収縮した羽は服の下に隠れてわからなくなっていった。これは、マスターの言いつけだから極力護るつもりだ。
『少しは人間らしいのかな?私は人工天使だけど・・・。』
ゴミを捨て終えて帰ろうとすると一匹の猫が居た。人懐っこい猫なのか擦り寄ってきた。
「可愛い。」
私は猫を抱き上げた。猫は私の腕の中でゴロゴロと喉を鳴らしている。私は家へと連れて行きミルクをあげた。猫はごくごくと飲んでいく。随分と喉が渇いていたのか全て飲み干してしまった。そして、猫は床で丸くなって寝てしまった。私の場合はエネルギーを遮断する事で機能を停止するから寝るという行為はない。だから、夢も見ない。
「夢。」
夢と言う言葉には二つの意味がある。一つは人間が夜に見る夢である。あれはレム睡眠とノンレム睡眠の二種類が定期的に繰り返される。ノンレム睡眠は機能の殆どが休止状態にはいっている。そして人間はレム睡眠(多くは起きる前の僅かな時間)に夢を見るのだ。
「私の夢は・・・マスターの御側にいたいです。」
この夢の場合は希望や願望を示す。
「そう考えると私は夢を見れるのかもしれませんね。」
私はそんな事を言いながら猫を撫でていた。
「ただいま。」
僕はファーリングに言った。
「お帰りなさい。MY MASTER。」と返事が返ってきた。やっぱり帰ってきた時に誰かが返事をしてくれるっていうのはいいものだと思う。
「あれ?その猫ってこの辺を良くうろついてエサを貰ってる猫じゃない。」と僕は猫を見て言った。
「そうなのですか?」
「へぇ~可愛いね。」と一美ちゃんが猫を撫でていた。僕は着替えて夕飯を作る為に台所へと行った。
「あれ?ゴミ捨ててくれたの?」
「はい。」
「ありがとう。」と僕はファーリングにお礼を言った。
「お役に立てましたか?」
「うん。」
僕は頷いた。
「よかったです。私にできる事があれば言ってくださいね。」
「ありがと。それじゃあ、テーブルを拭いてくれるかな?」
「はい。解りました。」
食事時になって葵ちゃんが来た。どうやら晩御飯を食べにきたらしい。そして、何時の間にか猫は消えていた。
「お邪魔します。」
「あ、葵ちゃんいらっしゃい。」
僕らは食事をしながら雑談をしていた。他愛の無い会話なので今回は省略します。
「それにしても・・・。」
僕は食器を洗いながら言った。
「マスター?どうかしましたか?」
「いや、ファーリングの作られた理由って何なんだろう?て思って。」
「私の作られた理由ですか?」
「うん。」
「解りません。」
「でも、何かが生み出されるには理由があるはずなんだ。たとえソレが遊びや気まぐれであったとしても。」
「理由が無ければ存在してはいけないのですか?」とファーリングは聞いた。
「理由はそのモノの証明になるからね。例えばこのお皿、存在理由はいくつかあるはずだよね。食器として使って貰う為って言う理由とか。」
「なるほど。私の存在理由。」
「もしかして、ゆかちゃんに出会う為とかもしれないよ。」と葵ちゃんが言った。
「僕に会う為?」
「それか、私達に会う為とか。」と葵ちゃんが言った。
「マスター、誰かに会うのも存在理由になるのですか?」
「うん。だって、その人が出会わなければ始まらない事だってあるはずだから。」
夜になって葵ちゃんは自分の家に帰っていった。一美ちゃんは初日の学園生活で疲れたのかもう眠ってしまった。
「マスター。」
「ん?どうしたの?」
「空を飛んできていいですか?」
「うん、いいよ。」
「ありがとうございます。」
ファーリングは窓を開けて、羽を巨大化させて飛び立って行った。
「気を付けてね。」と僕は飛び立つファーリングに言った。
空は綺麗に晴れていた。私は空を自由に飛んでいた。低空飛行や急上昇をしたりして遊んでいた。私は空を飛びながらある事を考えていた。
「私の存在理由。」
私は一体何の為に生み出されてこうしているのだろうか?私はマスターに会うために生まれてきたのでしょうか?その証明は私にはできそうになかった。だから、私は考えるのをやめて空を見上げた。
「私はマスターの御側に居ていいのでしょうか?」
マスターはソレを嫌がってはいない。だから私はマスターの側に居る。マスターにとって私はどんな存在なのだろう?私のとってマスターはどんな存在なのだろう?
「マスターは私にとって・・・。」
なんだろう?この気持ちを上手く言語化できない。不思議な気持ちが私の中を取り巻いていく。エラーのように。
「己の存在理由など自分では決められないものなのよ。」と聞いたことのある声がした。私は振り返ってみた。
「こんばんは。天使さん。」
「会長さん?」
屋根の上に居る会長さん。
「深夜のパトロールをしていたらまさか天使に会うとは思わなかったわ。」
「貴女も私を襲うのですか?」
「襲う?何の事?まさかと思うけど貴女、襲われたの?」
「え?」
「ソレはどんな奴?女の子を襲うなんて最低の行為だわ。」
「いえ、その、人間以外なんですが。」
「まさか妖怪とか?」
「いえ、違います。」
「それじゃあ悪魔?」
「ソレも違います。天使です。」
「え?だって、天使はあなたでしょ?」
「そうです。私は天使です。ですが、どうやら神様という存在が私を破壊しようとしているらしいのです。」
「神様・・・ね。神なんて人が創った偶像でしかないのにね。」
「神は人が作ったのですか?」
「だって、誰もその姿を見た事が無いのに居るって信じているのだからソレは人が創った偶像にすぎないの。人が神を創っていつしか神が人を創った事になっていった。それは、人々の勝手な妄想が生み出してきた社会の乱れとノイズ。」
「じゃぁ、神様は居ないんでしょうか?」と私は聞いた。
「さぁ?居るのかもしれないし居ないのかもしれない。それは、その人が居ると思えば居るのだろうし、居ないと思えば居ないんじゃない?」
「どういう事ですか?」
私は首を傾げた。
「さっきもいったけど神は人が創ったからその人が居ると思っていればその人の中では少なくとも神は存在する。それが神の存在理由じゃないかしら?」
「望まれるから存在する?」
「そうね。少なくとも望まなければ存在はしないでしょうね。戦争兵器も、誰かを殺したいと望まれたから生まれたわけですから。その人以外の人が嫌悪したとしても開発した人はそうは思っていないのだから。存在の理由を消す事は出来ないわ。」
「それじゃあ、自分の存在理由はどう証明すればいいのでしょう?」
「誰かに望まれる事ね。そうすれば貴女は必要とされている存在となる。つまりは存在する理由ができるわ。」
私は・・・マスターに望まれたい。望まれる存在になりたい。
「望まれる存在になるなら自分に出来る事を頑張ってするのね。」と会長さんは言った。
「自分の出来る事?」
「そう。自分に出来る事。それが、自分と誰かにとって最大の自己主張だから。」
「私に出来る事。」
「とりあえず。今日はもう帰ったほうがいいわ。夜は色々と物騒だから。まぁ、貴女なら大丈夫でしょうけど。彼の所に戻って自分の出来る事をしてみたら?」
私はお礼を行ってから家へと帰宅した。そういえば今日、詩は出てこなかった。
「あ、ファーリングお帰り。」とマスターは私を笑顔で迎えてくれた。私はマスターに望まれる存在になりたい。
「マスター。私はマスターにとって必要な存在ですか?」
「え?どうしたの突然。」
「答えてください。私はマスターにとって必要な存在ですか?」
私は少し怖かった。必要なかったらどうしよう。不安だった。
でも、マスターは私の不安を取り払うように少し笑ってから笑顔で答えた。
「勿論、必要な存在だよ。だって大切な家族だもん。」
「家族?私とマスターに血縁関係はないですが。」
「そうだね。ファーリングは天使だしね。でもね、血縁関係があるからだけが家族じゃないと思うんだ。血縁関係があっても家族らしくない家族だっている。でも、血縁関係が無くても家族らしい人だっている。僕と葵ちゃんみたいに。だから、ファーリングも僕の大事な家族だよ。だから、僕はファーリングにお帰りなさいって言える。ファーリングの帰る場所は此処にあるから。」
私は泣いていた。悲しくは無いはずなのにどうして涙がでるんだろう?すごく嬉しいはずなのになんで涙が出るんだろう?
「マスター。ずっと御側に居ます。私はマスターの御側に。」
マスターはなにも言わないで私を抱き寄せて頭を撫でてくれた。とっても温かな温もりがとても嬉しかった。人造天使の私も温かな温もりを感じられた。心が満たされていった。今、私は幸せです。MY MASTER。私は人造天使ですけれど人間じゃないですけれど御側に居させてください。マスターの御側に居させてください。今は、それだけで幸せです。私の帰る場所は此処にあります。マスターの側が私の帰る場所です。MY MASTER。
いかがでしたか今回のお話は?感想や疑問は随時受け付けています。