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霊能少女 麗奈 ―霊と対面する少女―  作者: 矢間カオル


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1話 春子 一

悪霊、人を呪い殺す恐ろしい霊など、霊の話は、数多くありますが、本作品は、霊に寄り添い、対話できる女子高生、麗奈が主人公のお話です。どちらかと言うと、人情派ホラーの部類に入ると思います。

今までボッチだったヒロイン麗奈が、友人を得て、人と関わりながら霊と対面していく活躍を、どうぞお楽しみください。

私、緋ノ江麗奈(ひのえれな)は今、駅前の花壇の前で友人の日向春子ひなたはるこを待っている。


時間よりも早く来てしまった私は、ここで動かずに待っているのだが、時折り強風にあおられて、長い黒髪と黒色のロングスカートが乱れるのを、手で押さえながら待っていた。


待ち人の春子も私も、同じ高校一年生で、三週間前に白百合学園の入学式の日に知り合ったばかりだ。


早く来てしまった私が言うのもなんだが、駅前のような人混みは、正直言って嫌いだ。


だって、春子を待っている間、見たくないものを見てしまうから。


まあ大きくなるにつれて、調整はできるようになってきたけれど、意識していないと、勝手に視界に飛び込んで来る。


あの肩をたたきながら歩いている背広姿のおじさん、肩の上に着物を着たおばあさんが、ちょこんと正座して乗っている。

肩が凝るのも無理はないわ。


ああ、今私の目の前を通り過ぎたカップル。

女は清純そうな水色の花柄ワンピースを着て、男は嬉しそうに女の腰に手を回していたけど・・・。


いったい何があったのか知らないけど、髪の長い女が、彼女の首にしがみついてぶら下がっていたわ。

よっぽど恨みがあるのか、血走った目でずっと視線をそらさずに、女を下から睨み続けていた・・・。

まあ、私には関りのないことだけど・・・。




私には、人には見えないものが見える。


子どもの頃はそれが怖くて怖くて仕方がなくて、特に電車に乗ることが怖かった。

電車の中は霊だらけで、電車が動き出したら逃げることもできないから。


だから、父にお願いして、歩いて行ける私立の中高一貫の白百合学園を受験させてもらったのだ。


高校入学に関しては、私は内部入学だけど、春子は他中から来た外部入学者。


それまで友人を作ろうとしなかった私だったけど、彼女とは、あることがきっかけで友人になった。


ああ、春子が時間通りにやって来たわ。


肩に届くボブヘアがよく似合ってて、丸くて大きなクリッとした目は、彼女を少し童顔に見せていて、とっても可愛い。


切れ長の目の私とは正反対。


今日の服装は、ピンクのミニスカートにロゴ入りの白いトレーナー。


可愛らしいイメージの春子に、よく似合ってるわ。


春子が、私に向かって大きく手を振っている・・・。


はあ、また春子の肩に、子どもが乗っているわ。


私は春子に小さく手を振ってから、合流した。


「ごめん。待った?」


「ううん。私が早く来過ぎただけだから、気にしないでね。」


「じゃあ、早速お買い物に行こうか。」

春子はルンルン気分でそう言いながら、自分の肩をトントンとたたいた。


「なんだかね。急に肩が凝っちゃって。もう年かな。まだ高一なのにね。」


冗談交じりにそう言う春子の肩に乗っている子どもの霊は、悪さをするつもりはないみたい。

そのうち降りてくれるだろう。


今日の目的は、明日が校外学習なので、お菓子と帽子を買いに来たのだ。


まるで小学生みたいだけど、私は今まで友人とそういうことをしてこなかったから、とても新鮮な気持ちだ。


春子が半強制的に行こうと誘わなければ、私が今日ここに来ることはなかっただろう。


最近、春子のお陰で、友人を作るのも悪くはないと思うようになった。


でも、やっぱり、あれを見るのは怖い・・・。




星の数ほどある小説の中から、本作品を見つけて読んでくださり、誠にありがとうございます。続きが気になりましたら、ブックマーク、よろしくお願いします。

面白かったら、評価も重ねてお願い申し上げます。皆様の応援がとても励みになります。

本作品は、アルファポリス様で公開完結した作品ですが、小説家になろう様でも公開したくて連載することにいたしました。これからよろしくお願い申し上げます。


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