第2章 アルトリヒト神話―眠れる女神と神の器 第3話 才が過ぎる皇子
その頃、帝都から遥か南方──
大陸中央にそびえる高原都市、国教会総本山バシレイオスの大聖堂では――
高い天井から吊るされた燭台の光が、荘厳な空間を淡く照らしていた。
祭壇の奥。金糸の法衣をまとった国教会の大司教モレノが、古い羊皮紙を慎重に開く。
《アルトリヒトの紋、再び現る時、神の選定者、大陸を導かん》
古の預言書に刻まれた文字をなぞりながら、老いた声で呟く。
「……紋様を額に宿す者。神に選ばれし王家の血……。あの地が滅んで久しいというのに……」
大司教の目には、敬虔さよりも別の色が宿っていた。野心。利用するための光。
「皇太子妃――エルフリーデ。銀の髪に、深い碧の瞳。
その姿形は、まさしく“アルトリヒト家”の血を継ぐ者……」
大司教は古い羊皮紙をなぞりながら、低く呟いた。
「そして──アルトリヒト家最後の当主の娘の額に、淡く光る“王家の紋”を見た者がいるという」
その紋を目撃したのは、かつてアルトリヒト家に仕えていた老いた使用人だ。
彼は、焼け落ちた領主館を前に泣きながら証言したという。
《……旦那様は何かを察しておられたのです。だから使用人である私どもを、ほんの少し離れた場所にある離宮へ避難させてくださった……》
《奥様と、生まれたばかりのお嬢様の行方は分かりません。ですが──お嬢様には“神の加護の身印”がございました。あの方だけは、きっとどこかで無事に……神が、お救いくださったに違いありません……》
涙に濡れたその証言は、本来なら親子への願いと祈り”にすぎない。
だが、大司教の耳にはまるで違う形で響いた。
「神の加護の身印……?」
「夫が察し、妻子だけを帝国に逃がした……?」
揺らいだ火の光の中、大司教の瞳にゆっくりと“確信”が宿っていく。
「……ならば生きている。そして今、帝国の中心にいる。
神の器……アルトリヒトの血は絶えておらぬということだ……」
崇拝ではない。
祝福でもない。
それは “手に入れたい者を見る目” だった。
19年前のアルトリヒト自治領におけるアルトリヒト家襲撃事件。誰が襲ったのか、真相は闇の中。
最後の当主フリードリヒ・フォン・アルトリヒトは燃え落ちる館に飲まれて死亡したとされている。
だが──妻と、生まれたばかりの娘の最期を“見た者”はいない。その娘には神の身印が、あった。
だから噂だけが、形を変えながら生き残った。
《フリードリヒは危険を察し、妻子を帝国に託したのではないか》
そしてその噂は、いまや教会の“理想の物語”として利用されつつあった。
「……神の器の恩恵を、帝国は独り占めにしている。神の御心に問うこともなく」
大司教は目を閉じ、深く祈るように──しかしその瞳に宿るのは“敬虔さ”ではなく。所有欲と、選民思想の光。
「果たして、帝国にのみ抱えさせてよいものか……神が選びし血を……?」
大司教はゆっくりと目を閉じた。
「……巡礼の準備を」
控えていた司祭が、一人の男を連れてくる。素朴な外套に身を包んだ、どこにでもいる旅人のような男。
「お呼びでしょうか、大司教様」
「お前には“道”を歩いてもらう。帝都へ行きなさい。銀の髪に碧の瞳を持つ皇太子妃を、よく観察するのです。その額に、神の紋が宿っているかどうか……」
男は目を伏せ、小さく十字を切る。
「……畏まりました」
その男の瞳には、巡礼者にあるまじき“観察者の光”があった。旅立つその背に、大司教は静かに囁く。
「もし彼女こそ器であるならば……神のもとへ迎える道を、我らが整えねばならぬ」
その言葉は、一見、敬虔な祈りのようでいて――その実、帝国から“アルトリヒトの血”を奪い取ろうとする、国教会の野心そのものだった。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
同じ頃、帝都から遠く離れた国境近く。
ゼラニア王国との境を見張る砦では、斥候が慌ただしく出入りしていた。
「ゼラニア北辺軍、再編成の兆候あり。兵の移動が増えております」
軍の報告書は即座に帝都オルデンへと送り届けられる。そして数日後、冬宮の議会室。
帝都の朝はまだ冷たく、会議室の窓ガラスは薄く曇っていた。長机に並ぶのは大臣たちと、有力貴族の代表者。
密かに反皇太子派を掲げる顔ぶれもその中に混じっていた。
アレクシウスは、いつも通り淡々と資料をめくっていた。
表情に緊張はない。むしろ、退屈しているようにも見える。
一つ目の議題は帝都外郭地域への予算配分。
反皇太子派のドルヴァイン侯爵が、得意げに口火を切った。
「――外郭よりも中央区の整備が急務です。外郭の民は所詮、地方から流れてきた者が多い。治安維持のためにも、中央区に兵を回すべきでしょうな。」
いつもの主張だ。中央区に権益がある貴族は皆、この路線を好む。
アレクシウスは書類からゆっくり顔を上げ、中央区の代議士に穏やかな声で問いかけた。
「中央区の人口推移、先月分は確認されたか?」
代議士は一瞬たじろいだ。
「い、いや……昨年度の資料で把握しております」
「昨年度?」
微笑みながら問い返す。その笑みは柔らかいのに、どこか相手の胸をひやりと撫でる。
「失礼だが――昨年度だと、中央区の人口が減り続けている理由をご存じないまま議論してしまうことになる」
「……減っている、ですと?」
短くうなずき、事務官が配った新しい書類を指で叩く。その整った爪先が、静かに音を立てた。
「二年前、中央区の税負担が増えたのを覚えておられるでしょう。あれ以来、外郭へ移住する者が増えている。つまり――」
わずかな間を置き、
「今、兵を必要としているのは“外郭”の方だ。」
議場がざわつく。
中央区の議員たちがこわばり、反皇太子派の視線が皇太子へと向いた。
アレクはその騒ぎを、まるで予想していたかのように受け流す。
そして、落ち着いた声で続けた。
「外郭を軽視すれば、治安の悪化は中央区に跳ね返る。外郭の子どもたちが教育を受けられなければ、十年後には中央区の労働力不足にも繋がる。」
ドルヴァイン侯爵が口を挟む。
「外郭の民がそんな重要な――」
アレクシウスがすっと目を細めた。
その一瞬、昼の陽光が刀身に反射するような鋭さが宿る。
「事実を申し上げているだけです。価値がないと思っているのは、貴族側の幻想でしょう。」
息を呑む音がいくつか重なった。
だが――まだ詰めの一手を出していなかった。
「侯爵。貴殿の領地の“麦価の高騰”も、外郭の人口流入が減れば安定しますよ。」
「……なに?」
「移住してきた者の多くが、農作業の労働力になっている。外郭を締め上げれば、困るのは貴殿の領地です。」
まるで――侯爵の背後に立つ影まで見えているような口ぶりだった。
その瞬間、この場にいる反皇太子派が、ぞくりとした。
(皇太子殿下は……会議に来る前から、今日の議論がどう動くか……全部分かっていたのか?)
机の向こうで、反皇太子派の数名が小声で囁きあった。
「(なぜ……うちの領地の内部事情まで……)」
「(情報が早すぎる……あれを掴むには普通は数週間……)」
その会話など気にもせず、淡々と書類に目を戻し
「では、外郭への予算増額案に賛成の方は?」
とだけ言った。
反皇太子派の手は――気づけば、半分以上が上がっていた。動かされたのではない。
自分の意思で手を挙げたつもりにさせられていた。
アレクシウスは机を軽く叩き、この件はこれで終わりだ、と議長に次を促す。
―やはり、才が過ぎるのも問題だ。―
先日のハインリヒェン侯爵家とロートベルク伯爵家にまつわる粛正も然り。このまま暴君になってしまうのではないのか――そう反皇太子派の誰もが思った。そして、この日を境に反皇太子派の不穏な会合が増える事になる。
アレクシウスを恐れる声は、ゆっくりと、しかし確実に膨らんでいく。
次の議題の書類を、アレクシウスが読み進めていたとき、財務局長が控えめな声で懸念について触れた。
「──続いて、デルミア北部の河川護岸工事の件でございます。今年度は予算の都合もあり、着工を来期に回す案が……」
重臣たちは静かにうなずく。
河川工事など、いつも後回しになりがちな項目だ。
しかし、アレクシウスはその瞬間だけ、視線を上げた。
「……来期に回す理由は?」
「は、はい。大雨のリスクは例年と変わりませんし、地域住民からも緊急性を訴える声は上がっておりません。よって、急ぐ必要は…………」
「違う。」
アレクシウスの声が、氷を走らせるように冷たく落ちる。
重臣たちの表情が一瞬凍った。
「デルミア北部は、過去十年……いや、過去十五年の降雨量の推移が右肩上がりだ。そのうち特に──今年の春の雪解け水は十六年前の記録を超えている。」
アレクシウスは資料を閉じ、指先で机を軽く叩く。
「さらに、三年前から報告されている地盤沈下は、今年に入って加速度的に進んでいる。護岸が古い区画では、衝撃一つで崩落する危険性がある。」
重臣の一人が青ざめる。
「で、ですが……住民からの報告は……」
「住民が気づく頃には、もう遅い。河川は兆候を見せてから崩れるのではない。──溢れる時に、一気に壊す」
議場全体が静まり返る。
アレクシウスの目は淡いペリドットのまま、冷静に未来を見据えていた。
「デルミア北部で大規模な決壊が起きれば、最初に命を落とすのは農村だ。あの地は逃げ場が狭い。来年では間に合わない。今すぐ着工が必要だ。」
「し、しかし殿下……予算が……」
「予備費を使う。それでも足りぬなら、明後日の議会で補正予算を通す。それでも文句が出るなら、我々皇族に割り当てられる予算を削れ」
アレクシウスは淡々と続けた。
「民を守れぬ帝国は存在価値がない。」
その言葉の重さに、議場の空気が揺れた。
レオナルトは横目でアレクシウスを見た。
……殿下のあの目。災害予測に、政治計算を絡めた判断。本気で未来が見えてるみたいだ……
後ろに控えていたフィンツも密かに思う。
殿下……まさか、この件も既に全部読んでおられるのでは……?
アレクシウスは議事録のページを静かに閉じた。
「デルミア護岸工事は、早急に着工。必要な技術者は帝国工学局から。指揮は軍工兵科に任せる。」
「……は、はい、殿下……!」
護岸工事の緊急着工を言い渡したアレクシウスは、
「……もう一点、その護岸工事に関する事だ。川沿いの孤児院や救護施設は、増水が起こった場合に“最も危険となる地域”と予測される。帝国としては、皇太子妃の視察を行うことで住民への安心と、事業推進の後押しとしたい考えだ」
「妃殿下の慈善公務……確かに最適だ。」
皆が関心した様に頷く。
「うむ。皇太子妃自ら訪れれば、未来の皇后としての布石、更には帝国が民を守る姿勢を明確に示せる。それにこれが成功するればエルフリーデも更に皇太子妃としての自信がつくだろう。エルフリーデには後日、正式に依頼を伝えよう」そう皇帝陛下が締める。
アレクシウスは資料を次のページへと静かにめくった。
その視線が止まる。
「──次に、ゼラニア王国国境軍の動きについて」
場が、わずかに揺れた。
財務局の緊張とは別の、軍部特有の“刺すような静けさ”が広がる。
軍務卿が一歩進み出る。
「はい、殿下。ゼラニア王国が、国境沿いの三拠点で軍再編を始めたとの報告がございます。」
アレクシウスは言葉を挟まない。
ただ、続きを促すように指をわずかに動かした。
「特に、フォルニア峠の第二師団が……昨年の三倍の速度で兵力を増強しております。」
レオナルトが小さく眉を寄せる。
……殿下の予測、当たってるな。
実は先週。アレクシウスは軍議席で何気なく言っていた。
『雪解けと物資の流れから見て、ゼラニアは春の終わりまでに動くだろう』
まさに今、その兆候が数字で証明されたのだ。
軍務卿が続ける。
「ただし、これは侵攻準備と断定するには早く……
表向きには防衛線の老朽化に伴う再編という名目です」
アレクシウスは、軽く顎に手を添えた。
「……ゼラニアは、理由を必ず二つ用意する国だ。一つは世界へ向けた建前。もう一つは、我々が知らぬ本音。」
議場に緊張が走る。
「今年の雪解けは早い。国境沿いの物資輸送は例年より15%増。兵站の整備速度も普段の倍だ。」
アレクシウスは淡々と告げた。
「──攻める気がない軍が取る動きではない。」
誰も反論できなかった。
彼が数字を並べるたびに、ゼラニアの本心が剥がれていくようだった。
重臣の一人が小さく呟く。
「……殿下は、護岸工事の降雨量も、ゼラニアの兵站も……いったい何をどこまで把握しているのですか……?」
レオナルトは心の中で答えた。
全部だよ。殿下は全部わかってる。わかっていながら黙って、必要な時だけ動くんだ
皇帝陛下がゆっくり視線を上げた。
「アレクシウス。ゼラニアの目的は国境だけと見るか?」
その問いに、皇太子のペリドットの瞳がわずかに細められる。
「……いいえ。 国境は入口にすぎません。」
「ほう……?」
「彼らが真に狙うのは── 血だ。」
場の空気が、一瞬止まる。
アレクシウスは書類を閉じ、静かに宣言した。
「ゼラニアは、アルトリヒトの血を大陸支配の正統化に利用したい。古い外交文書と宗教記録から、それをずっと探しているのは分かっていました。」
皇帝の瞳がかすかに鋭く光る。
「では……もし、その血が帝国の中にあると知れば?」
アレクシウスは無表情のまま言った。
「──動くでしょう。」
レオナルトは息を飲んだ。
……殿下。それは……まるでエルフリーデを守るかのような言い方だぞ。
しかしアレクシウスは、エルフリーデの名を一度も口にしない。
政治として、
国家として、
冷徹に最適解だけを並べている。
だがレオナルトだけは知っている。
……殿下。声が……低い。本当に危険だと思っている証拠だアレクシウスは最後に、議会全体へ向けて告げた。
「ゼラニアは動く。国教会も騒がしい。反皇太子派も沈黙したまま。護岸工事も急がねばならない。」
ペリドットの瞳が静かに輝き──
「──帝国は、春の始まりに揺れる。そのつもりで備えてほしい。」
その瞬間、重臣たちは確信した。
この皇太子は、天才なのか──それとも。いずれ暴君になる器かもしれない。
皇帝陛下はただ静かに、誇りとわずかな恐れを混ぜた瞳で息子を見つめていた。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
議会が終わり、回廊を歩くアレクシウスの後ろに、レオナルトとフィンツが控える。
「……殿下、今日も声が低かったぞ」
「そうか?」
「そうだ。国教会の話題になった瞬間、重臣が全員凍ってた」
「それは気のせいだ」
絶対気のせいじゃねえよ……レオナルトは心の中で盛大に突っ込んだ。
フィンツは、ふと口を開く。
「殿下。エルフリーデ様の護衛について、レオナルト様から提案がございましたが……」
アレクシウスの足が、一瞬だけ止まる。
「……嫌だ」
即答。レオナルトとフィンツが固まる。
「エルに護衛をべったりつけるのは、嫌だ。彼女が窮屈な思いをする」
「……殿下。さすがに今は危険が増えている。国教会も、ゼラニアも、アルトリヒトの名に反応しているが、エルフリーデは何も知らない。だから警戒すべきだ!護衛を増やすのは兄として──いや、近衛騎士団長として当然の要求だ」
レオナルトの目は真剣だった。
アレクシウスもそれを分かっている。
しばしの沈黙のあと、アレクシウスは小さく息を吐いた。
「……わかった。ただし──追加条件がある」
「追加条件?ただでさえ、今の護衛のゲルト以外は男にしか興味のない男という条件で……そこにさらに追加?」
「エルの護衛には、必要以上に彼女へ視線を向けない者だけを選べ。護衛の務めを越えて彼女を見つめる者は一人もいらない」
レオナルトは眉を上げる。
「……それ、完全にただの嫉妬だろ」
「違う。集中力を欠く護衛は危険だ。……それに、エルが煩わしい思いをする必要はない」
さっきまで冴え渡ったアレクシウスは何処に行った?とレオナルトは頭を抱える。
「お前な……。いや、条件自体はわからなくもないけどさ……。俺にどんな人選をしろって言うんだ……」
しかしアレクシウスは真顔だった。
「レオなら出来る。近衛の中で、信頼できる者を選べ」
……やっぱりこいつ、エルが絡むときだけ完璧じゃなくなる。深いため息をつきながらも、仕方ない、と頷いた。
「……わかったよ。エルに興味持たないないけど、忠誠心と腕っぷしは本物の奴らを候補に出す。覚悟しとけよ、妙に濃いメンツになるからな」
「構わない」
アレクシウスは即答した。
「帝国も、軍も、政治も守るさ。だが――彼女一人、守れないなら、すべて意味がない」
その言葉に、レオナルトは何も返せなかった。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
その日の夕刻。
自室に戻ったエルフリーデは、窓辺の椅子に腰掛けて冬空を眺めていた。
白い街並みに、うっすらと雪が降り始める。
……私なんて、元はただの侯爵家の娘。でも今は、皇太子妃で、帝国の至宝なんて呼ばれて……。
胸の奥に浮かぶのは、場違いな不安。
もし……もしも。私が本当は、誰の娘でもなかったら――
言葉にならない想像を振り払うように、両頬をぺちんと叩いた。
だめ。変なことを考えるのはやめましょう。
私にはレオ兄様がいて、父様と母様との思い出があって、父母代わりの陛下や皇后陛下もいて、そして……アレク様がいる。
そのアレクシウスが、最近どこか忙しそうなのも知っていた。国教会の騒ぎ。ゼラニアの動き。反皇太子派の粛正の余波。
……何もできないのが、少しだけ悔しい
子どももいない。政治にも、軍事にも口は出せない。それでも――せめて、アレクの隣で胸を張って立てるように。
父様と母様が誇れるような、ディアス侯爵家の娘でいられるように。小さく拳を握った。
その夜。エルフリーデが知らないところで――
国教会は“巡礼者”を帝都へ送り出し、ゼラニアは密かに軍勢の再編成を進め、反皇太子派は、表向きの沈黙の裏で再びくすぶり始めていた。
そして皇太子アレクシウスは、帝国という巨大な盤上のすべてを見据えながら、たった一人の妻の未来だけを守るために、静かに、冷たく、手を打ち始めていた。
――それが、後に「若き氷刃の時代」と呼ばれる始まりだと、当の本人たちはまだ知らない。




