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第八作戦:表の顔と裏の顔、サーカス団の二重生活!?


ピエラがステージに出て、道化師としての芸を披露する。

赤い玉が虫だと観客は気付かず、

周りはその奇妙で豪快な動きに笑い声が絶えなかった。


ピエラが演技が終わると交代するように蝶々がステージに立ち司会を始めエル。


「きゃあぁぁぁっ♥やっぱり蝶々様の司会は、最高に決ってますわ♥

蝶々様♥こっち向いて下さい♥」


観客席からの歓声が響き渡る中、蝶々は堂々とサーカスの舞台の中心に立っていた。

今日も観客を前に、完璧な司会進行をこなす蝶々。


それを見守るパンドラが興奮した声で叫ぶ。

アンカーは「次の出番はあんたやと!」呼び寄せる。


「はぁ♥はぁ♥」


「まったく…変態なや…お前は…」


「ふぅ…貴方には言われたくないわね…」


エルがいたらどっちも変態よと言うだろうが、エル&アールは受付で忙しいようだ。






「さて!次の演者に登場して貰いましょう!魅惑のダンサー!パンドラの出番だ!

張り切ってどうぞ!」


「はい♥見ていて下さい♥蝶々様♥わたくし精一杯演技をしてきます♥」



「…パンドラ…出番だ」と蝶々が裏に入るタイミングでパンドラは踊りながらステージ上に立つ。


見た目は絶世の美貌を持つパンドラを見た観客たちは言葉を飲み、さらに会場全体を使っての

ダンスで会場は熱狂する。


「さすがですな!蝶々はん♪この調子なら、次の公演で世界征服の資金が一気に貯まりますわ!」


不死鳥の羽の目的。それは世界征服。ヴァリアントサーカス団は悪の組織の隠れ蓑だ。

ここまで目立ったサーカス団が悪の組織とは誰も思わないだろう。


そのおかげか、資金も順調に溜まっていく。


「グルルゥ♪」


「強盗はリスクがありすぎるからな…サーカス団をやって正解だ」




パンドラのダンスが終わり優雅に頭を下げる。


「ところで、アンカー、今日は新しい猛獣たちを使うんだったな。

しっかり調教はできてるのか?」


サーカスの人気をさらに高めるため、サンダー以外の猛獣を購入していた。

蝶々が問いかけると、アンカーが鋭い目を光らせながら言った。


「当然や♪うちの調教でも猛獣たちは絶好調やで!」


「そうか」と頷くとパンドラと変わるようにして司会を始める。

アンカーの名を呼ぶとアンカーとサンダー。そして複数の大型のトラが登場する。


「あんたら!ショータイムや!しっかりカッコいいとこみせたりぃ!」


アンカーが尻尾を床に叩くとパシンと綺麗な音が響き、それに反応して猛獣たちが雄たけびを上げる。


その姿に観客たちの視線が一斉に集まり、熱狂する。


「「「うおおおおおおお!」」」


観客たちが歓声をあげ、アンカーがそのライオンを見事に操る様子、蝶々はほほ笑む。


「流石アンカー…猛獣をあそこまで操れるとは…

高かったが良い戦力アップにつながるな」


「わたくしとしては、蝶々様のバストアップを期待してるのです――」


蝶々の強烈な攻撃でパンドラの頭が吹き飛んでいく。


「ちょっと!パンドラ!何を遊んでるのよ!

アタシたちの出番すぐじゃない!」


「…受付…変わってよ…ピエラはずっと食べてばかりで

仕事しないから…」


「はぁ…♥はぁ♥

分かったわ…すぐに行くから。では蝶々様失礼しますわ」





やれやれと受付に向かうパンドラを見送り蝶々は司会で場を整えていく


「この演技でラストになります!抜群のコンビネーション!エル&アール!」


ステージに登場するとエルは恥ずかしそうにアールの後ろに隠れる。


「まったく、さっきまであんな生意気な口聞いてたのに情けないなエルは

もっと胸張ってよ」


「…う うるさい…何で平気…なのよ…アールは」


「観客なんて人間。所詮下等生物だよ?何でびびるの?ほらほら♪

面倒なのは早く終わらせるよ♪」


生意気だったエルはなりを潜め、気弱だったアールがエルを引っ張っていく。


演技が始まるとエルの悲鳴とアールの笑い声が上空に響き渡る。


「ひぃぃっ…ア アール…ぜ 絶対…放さないでよっ」


「くふ♪はい~はい~♪ほらほら♪もっと激しいの行くよー!」


空中ブランコ担当のエルとアールが空を舞い、あえて危ない雰囲気を作り出し

観客に緊張と興奮を与えていく。


最後に2人が決めポーズを決め

観客たちの大歓声を受けながら蝶々は司会を絞めくくる。


「これにてヴァリアントサーカスは閉幕とします!

またのご来場お待ちしております!」







「ふう…今日も疲れわぁ。資金も良い感じ溜まってウハウハや♪

すぅ♪ん~金の匂いは何とも言えんわ♪」


舞台裏で、アンカーは満足げに札束の匂いを嗅ぐ。


「…ピエラちゃん…むにゃ…たべられないのだ…」


ピエラはご褒美の〇ンタッキーを食べ満腹になったのか眠っていた。

だが、その横でエルが不満そうに口を尖らせている。


「アタシ…空中ブランコでもっと目立ちたかったんだけどなぁ。」

エルがぶつぶつ言うと、アールも小さく呟く。


「…ボクはあまり目立ちたくないよ…」


「そもそも目立つ必要はないでしょ?サーカスは単なる

資金集めに過ぎないわ…ですわね♥蝶々様♥」


「そうだな。私たちの目標は世界征服。ただそれだけだ」


遺産目当てで悪の組織をやり始めた蝶々だが、今では鳥子の遺言を

執行したいと思っている。


「明日から本格的に悪の組織の活動も始動していく。

各々、英気を養っておけ」


「「「了解」」」と短い返事をすると各々は自室へと向かっていく。


「んぅ~…お腹減ったのだ…」


ぐっすりと眠っているピエラを置いて。








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