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第七作戦:資金調達大作戦!ヴァリアントサーカス団始動!


「うーん、どうしたら資金を安全に調達できるか…」


「ぐるぅ♪」


蝶々は机の前に座り、サンダーを撫でながら考えていた。

闇オークションが失敗に終わり次に何をするか。


「全然、いい案が出ないじゃない!」


エルはイライラしながら、周りを見回す。

だが、メンバーたちも同じように悩んでいた。


「…闇オークション…良い案だと思ったんだけどな…」


「どうせ、うちらが出す案も大したもんじゃないし、なぁ?」

アンカーが足を組んで、いつもの調子で言った。


「もぐもぐ」


ピエラは〇ンタッキーを無心に食べている。


「うぅ…わたくしの蝶々様グッズ…〇〇万円が…ぱぁ…ですわ…」


「……ん~」


幹部たちの見た目を改めて見る。

人と違う場所があることを除いて…サーカス団員にも見える。


蝶々は考えた。もうサーカスでいいかと…。







「「「サーカス??」」


表ではサーカス団として始動しつつ裏では悪の組織として勢力を拡大する蝶々の案。


「とても素晴らしい案ですわ♥流石蝶々様♥

わたくしの主ですわ♥」


蝶々の提案に幹部たちはさまざまは反応を見せる。

「賛成ですわ」と蝶々の提案なら断らないパンドラ。

「なんや…おもろいやないか」と乗り気のアンカー。

「もぐもぐ」と首を傾げるピエラ。ただチキンで了承するピエラ

「面倒くさい」と乗り気じゃないエル。

「ボ ボク…うまくできるかな…」と不安げなアール


「…サーカスってやっぱり何かすごい大きなトリックがないとダメだし……」

アールがボソボソとつぶやく。


「ピエラのチキン食い芸とかかいなぁ?」


アンカーが笑いながら言うと、アールがうなずきながらも不安げな顔をした。


「もぐもぐ…?」


パンドラはピエラはまったく気づかず、チキンをむしゃむしゃ食べながら一言。


「もぐ…どうしたのだ?みんなピエラちゃんの顔を見て。

ケンタッ〇ー食べるのか?」


「案外、チキン食べてるだけでも受けるかも。」


パンドラの発言に、みんなが無言でじっと見守る。


「癒しになるだろうが…それはサーカスの芸ではないな…」


「そうやな…」


「…どう考えても…これじゃ資金は集まらないよね」


アンカーが一言。アールも同じように、目を伏せながら言う。

みんながそれぞれ頭を抱えて悩む中、ついに蝶々が立ち上がった。


「このままじゃ埒があかないな…私が決める」


蝶々が宣言する。その顔には決意の色が浮かんでいた。








「私はサーカス団の司会としてお前たちに指示を出す。

…パンドラ…お前には空中の演技の1つ綱渡りと場を盛り上げるダンスを

担当してもらう。容姿は良い方だ…きっと…適任だろう…」


「承知いたしました♥」


自信の美貌を褒められたパンドラは腰をくねらせ喜んでいる。

そんなパンドラを無視しアンカーに目線を向ける。


「アンカー。お前には猛獣使いをして貰う。

サンダーと連携を組み会場を緊張と興奮を味合わせろ。

調教師のお前ならやれるはずだ」


「おっしゃ♪やってやろうやないか♪」


「グル」


「ピエラ。お前の担当は道化師だ」


「もぐもぐ?どうけし?おいしいのかそれ。もぐもぐ」と言った顔のピエラ。


「…その虫をボールのように操りお手玉してくれたら良い。

その虫を操るのは簡単だろう?」


「わかったのだっ!」


「アタシ嫌…面倒だしぃ」


「ちょっ…ちょっと…エルっ…ボスに逆らったら…また…」


幹部の中で唯一、乗り気じゃないエル。力で支配するのも考えた蝶々だが

ある秘策があった。


「乗り気じゃないか…エルとアールには…サーカスの『花形』…主役である

空中ブランコをやって貰おうと思ったんだが…」


「花形?」「主役?」

目立ちたがりであるエルは案の定。食いついてくる。


「2人のコンビネーションから繰り広げられる優雅な演技を

見れないのは残念だ…仕方ない…エルには裏方に回って貰うとするか…」


「残念…非常に残念だ」と、それを分かったうえで蝶々は引いていく。


「…ふ ふん…ま まぁ…蝶々がどうしてもってお願いするなら…

考えてあげても…いいけど?」


「いや…エル。無理しなくていいんだ…エルには荷が重いようだし、

アールともうパンドラ辺りでやって貰うとしよう」


「…ボス…ボ ボクは裏方でも…」


「ダメよっ。エルの相手はアタシじゃないとね♪

良いわよ♪やってあげる♪

アタシの華麗な演技で観客を釘付けよ!」


「エ エル…ボクは」


アールは何とか断ろうとするが、押しの強いエルによって強制的に

了承する。


「…ちょろいな…」





蝶々はピシッと自分の服を整え、メンバーに向かって自信満々に告げる。


「ここに悪の組織不死鳥の羽は表向きではサーカス団『ヴァリアントサーカス団』

としての活動をする」


「蝶々様♥

わたくしがサーカスを運営する上での準備を早急に取り掛かりますわ♥」


性格と性格に難のあるパンドラだが、蝶々が命じなくても

サーカスの準備を進めていく。


「だからお尻を…あぶぁっ♥」


本当にセクハラさえなければのだが……蝶々からの左ストレートを受けても

「愛いただきましたわ♥」とすぐに再生する。


「はぁ…各々、サーカスが開園するまでにパフォーマンスの練習をしておけ」


蝶々が声をかけ、サーカスの始動が始まった。


元々の運動能力が高い幹部たちはサーカスの練習も卒なくそつなくこなしていく。


空中ブランコのパフォーマンス中、エルとアールの性格が真逆に切り替わる

面白い光景も見れた蝶々は静かにほほほほ笑む。








数週間後、蝶々たちは準備が整い、ついにサーカスが初開園した

初のサーカスの開園とあってか、ある程度の人数が集まっている。


2度目は今回のパフォーマンス次第で変動するだろうと、蝶々は気を引き締め

舞台に立つ。


「全員。人間に擬態をしておけ」


「了解」とパンドラたちの姿が人間に代わる。

パンドラを含む幹部たちは怪人でありながら力を使うことで人間に擬態することができる。


これで混乱させることなく、サーカス公演ができるだろう。


「レディース&ジェントルマン!ようこそ!不思議な超人が集まる

ヴァリアントサーカス団へ!

今宵は皆さまに素晴らしいサーカスをお見せしよう!」


まだサーカスの内容が判明してないためか、拍手はまばらだ。


けれど、蝶々は華やかに司会を始め、ピエラが道化師として動き出す。

パンドラがスライムダンスと綱渡りを披露。アンカーは猛獣使いとしてサンダーとの

連携で迫力のパフォーマンスを見せ、エルとアールは空中ブランコで

華麗な技を決める。

アクロバットの演技に魅了された観客たちの大歓声の中、

初のサーカス公演は終わる。



蝶々の見た目と司会の力、メンバー一人ひとりのパフォーマンスが相乗効果となり、大成功を収めることとなり、

その数日後、SNSで大々的に拡散され翌日にはチケットの予約が殺到し

蝶々は満足げに頷いた。






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