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第二十作戦:悪の組織『不死鳥の羽』 VS マスク・ド・ドラゴン前編

夜明け前の薄暗い町。

人気のない商店街を、不気味な足音が支配していた。


不死鳥の羽の戦闘員たちは、蝶々の指揮を受けながら無駄なく動き、

住民たちの眠る家々や店舗に次々と侵入していく。


「さぁ、そのまま進軍しろっ。目的の場所まですぐそこだっ」


不死鳥の片翼を持ち、蝶の羽のような鮮やかな模様の鉄扇を振りながら、

蝶々が戦闘員に指示をする。


その冷徹な声とは裏腹に、彼女の表情はどこか楽しげだった。


蝶々の隣では、もう一人の幹部――ピエラがケ〇タッキーを片手にギザギザの

歯を見せ笑っていた。


「もっともっとピエラちゃんにケン〇ッキーを持ってくるのだっ。

まだまだ足りないのだっ」


蝶々は軽く溜め息を吐いた。


「まったく…いくら好きな物と言っても毎日食べて飽きないのか?」


ピエラは骨をかじりながら笑って応える。


「全然なのだ。ちょ…フェニックス様も食べるか…?」


頬に衣をつけ、蝶々にケ〇タッキーを渡すピエラだが…夜中の油物は

胃に悪いと断る。


「「「イイィィッ!」」」


戦闘員たちは声を上げ動き続けている。


「――! そこまでよ!不死鳥の羽!」


突如、夜闇を引き裂く声。振り返った蝶々たちの視線の先、屋根の上に佇む影があった。

月光を背に堂々と立つのは、正義のヒーロー。マスク・ド・ドラゴン。


赤と金の鮮やかなコスチュームが目立ち、胸部が強調されたアーマーから

胸がぶるんと揺れる。


「…来たか…」


「お前たちの悪事、この私が叩き潰してやる!」


「……」


蝶々は余裕の笑みを浮かべると、ゆっくりと歩き出す。


「ふん……ようやく現れたか、マスク・ド・ドラゴン。

待っていたぞ…?」


ピエラがその隣に寄り添うように立つと、扇子を構えた蝶々の横で口角を上げて言った。


「…他の幹部たちはどこにいる…?」


マスク・ド・ドラゴンは目を左右に動かし他の幹部がいないことに不思議がる。


「休暇だ。悪の組織にも、労働基準法があるということだ…

そんなことより…相変わらずの胸だな。アーマーから零れそうだぞ?

(羨ましい限りだ…)」


「くっ…また胸を……こほんっ。

どんな軽口を叩こうと、正義の勝利は揺るがない。――覚悟しろ!」


「イケ!戦闘員たち!」


「「イイィィッ!」」


「お前たち…雑魚の相手をしてる暇は……ないっ!」


戦闘員たちが襲いかかり、攻防が始まる。だが、マスク・ド・ドラゴンは

軽快にそれを捌き、一人ひとり無力化していく。


「思ったよりやるな…ピエラ出番だ」


「了解なのだっ!」


蝶々が扇を振ると、ピエラが前に出て、鮮やかな動きでマスク・ド・ドラゴンに

攻撃を仕掛けた。


「くらえ…なのだっ!」


「っ!?」


ピエラが腕を振るうと、服についていた虫たちが一斉に飛び出し

マスク・ド・ドラゴンを襲う。


マスク・ド・ドラゴンは驚くも向かってくる虫たちを捌いていく。


「私がいることも忘れるなっ――はぁっ!」


「っ」


そこに蝶々も鉄扇を使いマスク・ド・ドラゴンに攻撃を仕掛ける。

一進一退の攻防の中、激しくぶつかる蝶々、ピエラとマスク・ド・ドラゴン。


「こ、のっ…っ!」


鮮やかな戦術を繰り広げながらも、蝶々は相手を嘲笑うように問いかける。

               ・

「マスク・ド・ドラゴン…お前は町を守り抜ける自信があるのか?」


「あ――」


しかし、その問いに答えようとする直前、マスク・ド・ドラゴンの

通信機から声が響く。


『マスク・ド・ドラゴンっ。私だ東郷だっ。

現在、隣町の水道局が不死鳥の羽により占拠されてしまった』


「えっ⁉」


マスク・ド・ドラゴンの瞳に動揺が走る。


『すまないっ。奴らは目立たないよう…水道局に侵入していた

ようだっ。

我々もすぐに水道局に向かうっ。

マスク・ド・ドラゴン。君にも応援を頼みたいっ』


「なに……!? それは――」


蝶々はゆっくりと微笑みを深めた。


「そうだ。私たちはここでお前を引きつけているだけ――これは囮だ。

隣町の水道局を奪うための、なっ…」


目の前の蝶々の嘲笑に、マスク・ド・ドラゴンは拳を握りしめながら言葉を絞り出した。


「くっ……。まさか……最初から……!」


蝶々は手を広げ、堂々と言い放つ。


「その通りだ。これが私の最善の一手。

さて、次はどうする…?マスク・ド・ドラゴン」


「っ!(い、いったいどうすれば…)」


マスク・ド・ドラゴンは隣町と目前の敵の間で大きな葛藤を抱えながら、戦場を後にする決断を迫られていた――。

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