第二作戦:チキンを餌に幹部を連れ戻せ!
「次のターゲットは……ピエラ・キメラ・マルチコア。
マンティコア型の怪人、か」
蝶々は古びた組織名簿を手に呟いた。
パンドラの情報から「ケ〇タッキーで働いている」と聞かされ
蝶々はため息をつきながらアジトを出る。
「怪人…それも幹部がなんで〇ンタッキーで働いているんだ?
まぁ…いいか…」
彼女の隣ではパンドラが来いと言ってないのに
嬉々とついてくる。
「蝶々様、何かお手伝いできることがあれば、わたくしにぜひ!
お申込み下さい♥
肩をおもみいたします?腰?足?それともお尻でしょうか♥♥」
「黙れ…それ以上喋るとまた頭を潰すぞ…」
「蝶々様の愛なら喜んで受け入れますわ!」
「あぁ…」
蝶々は目頭を押さえながら、次の幹部を迎えに行く決意を新たにした。
街外れのケンタッキー。
フライドチキンの匂いがする店内で
ターゲットがチキンをむさぼっていた。
「うまうまなのだ!ピエラちゃん。
ケン〇ッキーならいくらでも食べれるのだ♪」
そう叫ぶのは、白髪に角。背中に虫の羽。尻からタコのような尻尾を
生やす怪人。
ピエラ・キメラ・マルチコアだった。
ギザギザの歯が光り、手には山盛りのケンタッキーフライドチキン。
しかも骨までバリバリと食べ尽くす姿は、周りの客たちを震え上がらせている。
「ちょっとピエラちゃんっ。
売り物のフライドチキン食べちゃだめでしょっ!」
「んん?」
店長らしき人物が注意をするがピエラは首をかしげるだけで、チキンから
まったく手を放さず食べるのもやめない。
「あぁ!もうっピエラちゃんクビ!クビっ⁉」
「何なのだ。あいつはクビ?ピエラちゃんのクビがどうしたのだ…」
追い出されたピエラはクビの意味が分かっていないのか
チキンが入った箱を抱えながらクビをかしげていた。
蝶々はその姿を見て、顔をしかめた。
「見事な食いっぷりだが…本当に幹部か?」
パンドラが蝶々の耳元で囁く。
「ピエラは食い意地ははっておりますが、幹部の中では
中々の戦闘力を有しております」
「なるほど…」
「蝶々様、どうされますか?戦闘でしょうか、それとも交渉?」
「…交渉だ。まずは正攻法でやってみる。駄目ならダメで
力づくで組織に引き戻す…」
蝶々は歩み寄り、ピエラの肩を叩いた。
「ピエラ・キメラ・マルチコアだな」
「誰なのだ?…お前…ちょーこ様に似ているのだ…」
「私は伏見蝶々…鳥子は私のおばあ様だ
私が不死鳥の羽の新たな首領となった。
お前には組織に戻って働いてもらう。組織に戻れピエラ」
蝶々が命じると、ピエラは困った顔をした。
「嫌なのだ…チキンがない生活なんて考えられないのだっ」
「蝶々様の誘いを断るなんて、信じられませんわ。
早く組織に戻りなさいっ」
「パンドラか?嫌なのだっ。パンドラはピエラちゃんにチキン
くれないのだっ。
食べさせてくれなかったのだっ」
「なるほど…ピエラはチキンがあれば組織に戻るのか?
なら私がお前の願いを叶えよう」
ピエラは大きく頷く。
「ピエラが組織に戻り、悪の組織として活躍すれば、毎日チキンを食べさせてやる
約束だ」
蝶々の言葉にピエラの目が輝いた。
「ほんとー?戻る!ピエラちゃん組織に戻るのだ!
ちょー様の元でしっかり働くのだっ!」
「あの…蝶々様…ピエラは大食漢ですわ…毎日食べさせていたら…
お金が」
「それなら…問題ないだろう。おばあ様の遺産があるから
何とかなるはずだ」
「そ…そうですわね」
パンドラは苦笑いを浮かべていたが、そのことに蝶々は気が付かなかった。
「改めてちょー様。ピエラちゃんはピエラなのだ!よろしくなのだ!」
こうしてピエラは蝶々によって組織に復帰することとなった。