第十七作戦:不死鳥の羽、奇想天外な作戦会議
「集まったな」
蝶々は幹部たちを集めて新たな作戦会議を開いた。
「まずは…仕事の失態について、だ」
失敗と聞いてパンドラたちは体をびくっとさせる。
「はぁ♥はぁ♥蝶々様♥」
「お仕置き…興奮するやないか♪」
「「…やばいっやばいっ…」」
「あぐもぐ♪んんぅ♪もぐもぐ♪」
息を荒げる者、体を震わせる者、気にしていない者。様々な反応だ。
「…仕事の失態について…今回は不問にしよう…」
「え?」とこれもまた幹部たちはそれぞれ違う反応を示す。
「そんな…ご褒美も欲しかったですが、お仕置きも…期待してたのに♥」
「くぅ…こ、これが放置プレイかいなっ…蝶々はん…やるやんっ」
「「…良かったあぁ♪」」
「あぐもぐ♪んんぅ♪もぐもぐ♪」
「人であれ怪人であれ失敗はつきものだ。
その尻尾を踏まえた上で各自、新たな案があれば提案しろ」
「蝶々様。まずは、わたくしが」
数分間の沈黙を破ったのはパンドラ。
全員がパンドラに注目し、彼女が言葉をつむぐのを待つ。
「前回の失態を踏まえ…わたくしが考えたのは、これですわ!」
パンドラが得意げに差し出したのは、青く輝くハート型な名刺。
「…愛の綱渡り師。パンドラ…」と書かれた名刺で
蝶々は怪訝な顔をして名刺を受け取り、読み上げる。
そこにはパンドラの身長、体重、3サイズ、性癖などが書かれていた。
「…これは何だ?」
「私の魅力を存分に活かす方法ですわ。次のサーカス公演に、
地元の有力者を招待する手はずを整えましたわ。
有力者の男性たちにこの名刺を渡しわたくしの虜にし、さらなる安定した
資金調達をするのです♥」
「前と変わらんやん…それで失敗したんやろ?」
「…確かに前回の案は失敗よ…」
パンドラは苦虫を噛み潰したような顔をしているが語り始める。
「そう…前回の失敗の要因。
それはわたくしが魅力的すぎたこと!…そして、性癖が少々アブノーマルだった
ことですわ!」
少々ではないと蝶々は思っているがパンドラの言葉を待つ。
「今回のターゲットはわたくしの容姿しかみない…性癖を気にしない男に
絞っていきますわ!」
大きな胸を張り自信満々のパンドラ近づこうとする彼女を蝶々は
制する。
「…まぁ…良いだろう…次!」
「うちの案は、これや!」
アンカーが取り出したのは、紙を蝶々が受け取り読み上げる。
「…地下調教&訓練場設置案、か」
「そや!最近、うちが気持ち良く調教してるときに察が
来てうっとうしいねん!」
「それは騒音を出してるからじゃなくて?」
「もぐ…もぐ。アンカーと戦闘員の声がうるさいのだ…もぐもぐ」
「うっ…で、でもなぁ…戦闘員たちの声出しは必要だと思うねん…
お約束って奴やろ?『イイィッ』って奇声は…」
「お約束ってのは分からないが…警察に目をつけられるのは…まずい」
「そやろ?それに、悪の組織関連は地下に隠すべきやと思うんや。
武器とか色々な。あれ見つかったら察が押し寄せてくるでっ!」
「…分かった。早急に手配しよう」
「おおきに!」
「アタシたちの番ね!」
「…いや正確にはボクの番なんだけど…ま、まぁいいや…」
自信満々のエルの横でアールは控えめに話し始める。
「ボス…前回の薬を改良しました」
アールが取り出した青い飴玉。それを見て蝶々は首をかしげる。
「ん?前回の薬と変わらないようだが…」
「えぇっ…?は、はい。前回と見た目は変りませんが…効果は
全然違います。
前回は殺す毒薬ですが…今回は…洗脳薬です」
「…洗脳?」
「は、はい。…アンカーの洗脳と併用して使えばより効果的になると
思って」
「ん?なんや、アールはうちの調教術に文句あるいうんかぁ?」
「ひ、ひぃっ…」
尻尾をしならせ、アールに詰め寄るアンカー。アールは怯える素振りを見せるが
後退はせず、後ろ手で武器であるワイヤーを弄っていた。
「…下がれ、アンカー。アールの話も聞いてやれ」
「…蝶々はんが言うなら従うわ…」
「あ、ありがとうございます…ボス…えっと…」
「もうっ…じれったいわね!アタシが言ってあげる!アンカー!あんたの
調教術で洗脳が100%解かれないって保障はあるの?」
「…う…100%とは言い切れんわ…95…いや
良くて89%ってとこやな…」
エルがアールの代わりにアンカーに詰め寄っていく。
彼女の勢いに負けたのかアンカーは悔しそうに顔を歪ませる。
「でしょ?ならアールの作った洗脳薬を飲ませた上でアンカーがさらに
効果を上乗せすればいいってことよ!」
うんうん。とアールは大きく頷く。
「アールの薬でより効果が高まるなら使うべきだが…?」
「…確かになぁ…しゃあない。分かったわ、アール一緒にやろうやないか!」
「う、うん…」
「話はついた…ところでアール。その薬はどうやって調合した…?」
洗脳薬をどのように作ったのか疑問に思った蝶々はアールに問うが
「…内緒です」とはぐらかされた。
「ちょー様!ピエラも考えたのだ!」
「ピエラ…?」
まさかピエラも案を出すと思ってなかった蝶々たちは彼女に注目する。
いったい…どんな案が提案されるか。
「これなのだ!」
「にゃ~♪」
ピエラが取り出したのは、一匹の猫。いやトラの子供だった。
まだ生まれて間もないのか、とても小さくて可愛いトラの子だ。
「そのトラの子供が…何だ?」
「ピエラちゃんの食料としてもっと、この猫を産ませるのだ!
そうすればピエラちゃんのお腹はつねに満腹になるのだ!」
あれだけ鶏肉を与えているのにまだ食べ物のことかと蝶々は頭を抱える。
「こらぁ⁉だから食べちゃダメ言うとるやろ!」
「グルルゥっ!」
流石に、同じ猫科に属するアンカーとサンダーは怒りピエラからトラを取り上げた。
「ピエラ…そのトラはアンカーたちの商売道具。
いわば…ピエラのケン〇ッキーだ。それがないと仕事にならないだろう?」
「…なるほど!やっぱり食べ物なのだ!」
「「…違うっ」」
いつもの通り?の作戦会議は終了した。




