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第十一作戦:正義(巨乳)のヒーロー、マスク・ド・ドラゴン参上!




「…ヒーロー…やはり」

蝶々は、目の前のヒーローを見据える。

いつかは、こうなるであろうことは予測していた

悪の組織の首領をやっている中で、正義のヒーローが現れることを…


「待て、不死鳥の羽!お前たちの悪事はここまでだ!

このマスク・ド・ドラゴンが来たからにはな!」


蝶々たちの前に現れた赤と金色のアーマーに身を包んだ正義のヒーロー。

マスク・ド・ドラゴン。


その堂々とした登場に、蝶々たち悪の組織の面々は思わず動きを止める。


だが、そんな緊張感を打ち破るかのように、ピエラが指をさして叫んだ。


「フェニックス様!見るのだっ。

あの人、めちゃくちゃ胸が揺れてるのだ!ぶるんぶるんなのだ!

胸肉みたいで旨そうなのだ!」


ピエラの指摘通りマスク・ド・ドラゴンのアーマーは豪華で強そうだが、

胸元部分はなぜか目立つ作りになっており、登場時の動きでその大きな胸が派手に揺れていた。


蝶々も初めて見た時から気が付いた。

だが、黙っていた。


胸の大きさは蝶々の一番のコンプレックスだったからだ。


「…すっげっ」「爆乳…」「爆乳ヒーローだっ」


ピエラの言葉で緊張感が溶けたのか、住民たちはヒーローの胸元に注目し

ざわつく。


「なっ……なななっ!」


明らかに動揺したマスク・ド・ドラゴンは、胸元を両腕で隠しながら後ずさる。


「むっ…胸を見るな!

わ 私は正義のヒーロー、マスクド・ドラゴン!

お前たちを倒すことが使命なんだ!」


しかし、動揺が顔(仮面)に出ているのを見たパンドラはすかさずニヤリと笑う。


「ふふ。

正義のヒーローと言いながら、大きな胸を指摘されただけで

恥ずかしがるなんて…まだまだ甘いですわね。

それに比べ…わたくしを見なさいっ。ふん」


パンドラもマスク・ド・ドラゴンとほぼ変わらない大きさの胸を見せつける。

わざと体を上下に揺らすとそれに比例して胸がぶるんと揺れていく。


「うわっ…良く見たら…」「あっちの怪人も…でけぇっ」「悪と正義…どっちの

おっぱいも…いいぜ…」「いや…悪の方がデカいかも…」「いや…正義の方が」


ぶるんと揺れた胸に住民たちはくぎ付けのようでパンドラとマスク・ド・ドラゴンの

胸を交互に見比べる。


「どっちに勝って欲しいかと言ったら…悪の方かも」「いや…正義に勝って

貰わないと…俺ら危なくね?」


「悪の女幹部のおっぱいに包まれて死ぬのもいいかも…」


「それ…良いっ。スライム怪人頑張れっ」


「正義のヒーローを倒したら…ぜひ!」


さっきまで襲われていたはずの住民の一部マゾヒストは、パンドラを応援する始末。


「ちょっ…わ 私が助けに来てるのよっ。何でおっぱいの大きさで

向こうを応援するのよっ」


このままではカオスな空間になると思った蝶々。

「ご ごほんっ」と空気を変えようと咳払いしマスク・ド・ドラゴンに話しかける。


「…私は不死鳥の羽。首領フェニックス!」


「っ…」


マスク・ド・ドラゴンは仮面で隠れているが、半身で蝶々の話に耳を傾けた。


「をする暇があるのか?」蝶々が眉をひそめると、パンドラは蝶々の胸元をちらりと見て、小声で「控え目…いいえ…ないと言ってもいいような」と呟いた。


「パンドラ!」蝶々は鋭い目つきでパンドラを睨むが、ここでさらに火に油を注ぐ発言をする。


「でも、こうやって並べてみますと、正義も悪もバリエーションがあって素敵ですわ。尻と胸…惜しい♥実に惜しいですわ♥

フェニックス様にも胸があったらいいのに♥

おっぱいとお尻を同時に撫でまわせたのに♥」


その瞬間、蝶々の拳が唸りを上げた。


「うるさい!」


ごしゃあっ!


「ありがとうございます♥」


パンドラの頭が吹き飛ばされ、空中で華麗に一回転してから地面に転がる。

しかし、むくりと起き上がり頭がみるみる再生していった。


一方、マスクド・ドラゴンはその様子を見て完全に動揺していた。


「な、なんなのこの組織!?悪者なのに仲間同士で殴り合ってるなんて…!」


パンドラとマスク・ド・ドラゴンのひと悶着があったためか、離れて行動していた

アンカー、サンダー、エル、アールが蝶々の元に集まる。


「何や?あのヒーロー。爆乳やいかっ――」


「それはもう良い!……」


胸の話を蒸し返される前にアンカーたちに問う。


「誰か…あのヒーローの情報を持ってないか?胸に関する話はなしで」


話を聞く限りでは、敵対する人物はマダム・フェニックスとライバル関係だった

ヒーローのようだ。


ただ、目の前の敵はマダム・フェニックスと戦っていたヒーローではないと

蝶々は察する。


「…血縁…はたまた…何の関係もない人物か…」


蝶々は戦闘態勢を整え、マスク・ド・ドラゴンに向き直る。


「まぁ…良い。

正義のヒーローといえど、この『不死鳥の羽』の計画を邪魔するなら

容赦はしない。覚悟しろ!」


「くっ…来い!正義の名のもとにお前たちを止める!」


マスク・ド・ドラゴンも構えを取り直し、町は一触即発の緊張感に包まれた。

蝶々の体から青いオーラが溢れ、マスク・ド・ドラゴンの体から赤いのオーラが

溢れていく。


正義と悪の戦いが今――始まる。

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