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079 番外編 嘘って堂々とつけば意外とバレないものよ?

 ここの小説は言うに及ばず、漫画などの娯楽作品には「いや、そうはならんやろ」と思うシーンがよくある。


 で、このエッセイは「こう考えたら、これあり得る!」の精神で、それなりにそれっぽくこじつけて書いてきたつもりだ。考察は想像力を刺激し、人生を豊かにする知的なゲームと思うから。


 さて皆様の中にも、自作品に説得力を持たせるため試行錯誤している方がおられよう。今回は、トンデモ展開を読者に納得させる、あるいは気にさせない秘訣のようなものを、名作の有名なシーンから探ってみたい。


 ①ジェロニモが二人


 まずは人気漫画「キン肉マン」から。悪魔将軍にぐるぐる振り回されるジェロニモ、それを見ている仲間たちのコマの中に、当のジェロニモがいるシーン。

 これは公式に理由が発表されており、「悪魔将軍のパワーが凄すぎて幽体離脱した」とのこと。


 なんという冷静で的確な解説なんだ!!


 思えば、悪魔将軍より弱いミキサー大帝が、ジェロニモより強いキン肉マンの超エネルギーを、胴体内部で回転させることで分離させているのだ。いやそれミキサーじゃなくて洗濯機だろというのは置いておく。

 なら幽体離脱くらいするよね。仕方ないね。


 ②大豪院邪鬼だいごういんじゃきのビール


 次は17話でも紹介した「魁!! 男塾」より。

 塾生の頂点に立つ三号生筆頭、大豪院邪鬼。彼の初登場シーンは、およそ人間とは思えぬ巨大なサイズで描かれていた。オーラを放っていたため、つまり圧倒的な存在感の表現である。

 しかし、彼に差し出されるビールの瓶もでかいのだ。なぜビールまで!?


 これは作者の宮下あきら先生がコメントしているそうだ。それによると「いや、ビールだってオーラくらい出しますよ」とのこと。


 そうだったのか!!


 要は「一人で宅飲みするビールと偉い人に注ぐビールじゃ緊張感が違うだろ? それを漫画的な外連味けれんみをきかせて絵にしたらああなるんだよ」ってことだろう。

 でも言い方が絶妙。さも当たり前のようにこう返されたら、もう「そういうもの」と納得するしかない。


 思えば当然かもしれぬ。

 ビールそれ自体は大量生産の消耗品だが、その製法、文化には、太古より受け継がれた職人の、そしてビールを愛する人々の魂が宿っているのだ。傑物ではあれど一個人にすぎぬ時間しか生きていない邪鬼よりオーラを放っていたとて、なんの不思議があろう。


 ③ゴールポストに登る来生と滝


 考察とはちょっと違うが、世界的人気のサッカー漫画「キャプテン翼」から、立花兄弟の空中技に対抗するため、来生と滝があらかじめゴールポストの上に登っていたシーン。


 これはルール上反則となる。なお相手の立花兄弟が使うスカイラブハリケーンもだ。

 もともと整合性より盛りあがりを優先した作品であり、だからこそ現実にはありえないスーパープレイが読者の心を掴んだのだが、このシーンの上手さは人選にある。


 来生はセンターフォワード、滝は右ウイング。いずれも攻撃特化のポジションであり、相手コーナーキックの際には前線で待機し反撃の速攻を狙うのが役目だ。逃げ切り狙いでもない限り、守備にはあまり関わらない。


 だが!!


 この二人はコンビを自称しており、つまり立花兄弟に対抗する構図ができあがる。読者の関心はルールどうこうより「2対2の対決」に移るのだ。本来ならディフェンダーがこの役目を担うべきという常識にとらわれて、別にコンビ扱いでもない高杉と中里がやったら読者は置いてけぼりだろう。


 まとめると「その場のノリと勢いは大事」といったところか。少しでも執筆の参考になれば幸いである。


 ところでこの三作品、ぜんぶ少年ジャンプだ。やっぱ週刊連載のハードスケジュールだと、作者の頭のネジもぶっ飛ぶんですかね。

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