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067 WIZとNIZの違い。あれ? 弱いやつらのほうが好戦的じゃね?

 このエッセイでもよく話題となるウィザードリィは、権利の関係で続編が出なかった期間が長い。


 なので愛好家の中には、公式が出さねーなら俺が作るぜと、ウィザードリィ風のゲームを製作する猛者も現れた。そんな作品のひとつが、似ザードリィこと「NIZ」である。

 私は最近これをダウンロードしてみた。で、さっそく気になったことがあったので語ってみたい。


 さて、ウィザードリィでは友好的なモンスターが出現し、善の性格は戦闘回避、悪なら徹底抗戦せねばならないことは41話で述べた。それが本当に善や悪なのかに対する疑問もだ。


 友好的といっても実情は様々で、本気で人と共存したい者もなくはないだろうが、勝てないから敵意がないフリをして、弱い冒険者なら襲うやつも少なくないはず。


 いや、むしろそっちが大半だろう。しょせん魔物は魔物なのである。


 ところがNIZでは、なぜかザコが妙に狂暴なのだ。具体的には一階のオークやコボルドのほうが、三階以降に出てくる敵より友好的な確率が低い。友好的なやつがいない最下層は別として、三階や四階はやたらと友好的なインフェリオデーモンやゴーゴンが出てくる。


 勝てないからやり過ごしてるなら、ザコこそ友好的な割合が高いはずだよね。なぜゆえ?


 まず考えられるのは知能の問題。オークは悪魔より知能が低く、それゆえ力の差も理解せず襲ってくる。逆に悪魔は知能が高いゆえに、魂を売るよう誘惑するのも含めて友好的、非敵対的な態度が多い可能性ですな。


 が、これは疑問だ。デーモンならともかく、どう考えても知能があると思えないゾンビやウィルオーウィスプまで友好的なのは解せない。


 では別の仮説はどうだろう。ダンジョンマスターの支配が残っている可能性である。


 NIZの舞台は元ネタと違って「狂王の遺跡」であり、ラスボスは「いにしえの魔法使い」だ。つまりトレボー王や大魔法使いワードナに相当する人物は、既に遠い過去の人ということになる。


 なので強い魔物はマスターの支配から、隷属の魔法か契約か知らないがとにかく古の魔法使いのくびきから解き放たれており、好き勝手に振るまい始めていると考えられまいか。


 いかな大魔法使いとて死んでしまえば、魔法の効果であれカリスマ的な統率力であれ、配下への影響力が落ちるのは当然だろう。だが一階のザコは弱いから、世代交代しているであろう今でも、もはや遺伝子レベルで支配下にあるのだ。それが狂的な抗戦として現れている。

 最下層に友好的な魔物がいないのは、本陣であるここだけは影響力が失われていないと見てよい。一階のマーフィーズゾンビの部屋も同様だ。


 しかしこれもやや説得力に欠ける。支配下にあろうがなかろうが好戦的な魔物だっているはずだから。具体的にはキメラやワイバーンあたりで、手持ちの資料によると極めて狂暴な種とのこと。


 なのに友好的な割合が高いのはなぜだろう? 冒険者たちが青銅の魔物ゴーゴンよろしく鎧を鳴らして練り歩くから、もしかして味方だと勘違いしているのだろうか? 確かにゴーゴン、キメラ、ワイバーンはよくセットで出てくる。


 この辺りは、まだクリアしていないので推測の域を出ない。ウィザードリィをオマージュはしていても、NIZはリルガミンでなく現地の物語なのだから相違点もあろう。情報が更新され次第、随時考察していきたいと思う。


 そういや気になった点がもうひとつ。ボタン連打で間違って友好的な魔物と戦ったときはあっさり悪になったのに、逆は何度も粘ってようやく善に戻った。


 哲学的な問答はさておき、社会的に悪とされる行為に手を染めると、簡単に後戻りできないのはゲームの世界も変わらないようである。世知辛いねえ。

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