042 魔法使いのお財布事情
突然だが、ファンタジーRPGでお金のかかる職業と聞かれて連想するのはなんだろう。
大抵の人は戦士系と答えるのではなかろうか。頻繁に装備を買い換える必要があるし、魔法が使えないなら回復薬や巻物も用意しなくてはならないためだ。
では逆にお金のかからない職業は?
こちらは恐らく素手で戦うモンクやローブしか着られない魔法使いといった、装備できる品が少ないクラスと考えた人が多いと思う。
実際、ドラクエ3で初登場した武闘家は割と早くに最強装備が揃うし、ウィザードリィの魔法使いに至っては、後衛は物理攻撃を受けないため最後まで防具は不要。雰囲気で装備するとしても安価なローブだ。
さて、私は先日気まぐれに短編集を更新したのだが、金に困って犯罪に手を染めた魔法使いを登場させた。なお超絶鬱展開なので読むのはお薦めしない。
あらら? 魔法使いってお金かからない職業じゃなかったの? このエッセイでも度々紹介している「隣り合わせの灰と青春」でも、盗賊がバルカンを「魔法使いなら金を使うこともないだろ?」と脅すシーンがあったよね。
単に彼女の金銭欲や金遣いの問題かもしれないが、自分で書いた手前、今回は(品のない話題でアレだが)防具にお金がかからないはずの魔法使いが大金を使う理由を考えてみたい。
さもないと、次々に新キャラを考えるはめになってしまう。仮に稼ぎを山分けし、かつ魔法使いはお金を使わないなら、老後の資金が貯まるのは戦士より早い。となると冒険者を早期引退する人も増えるはずだから、書く側としては死活問題だ!
①魔法使いだって防具にお金がかかる
これは分かりやすい。防護魔法とかを付与したものなら高額になるのは当然。
②防具は布の服だが魔法の修得にお金がかかる
魔法学園の授業料、魔法使いギルドへの手間賃など、魔法を学ぶ際にかかるコスト。つまりお金がなければいつまでも初級魔法しか使えないから、強い魔法使いになるためにお金が必要なパターン。
③魔法を使う触媒にお金がかかる
ドラクエの影響か、なろう小説はだいたい本人の魔力だけで魔法を使えるが、古典的な作品だと魔法を使うときは何らかのアイテムが必要になるケースが多かった。
防御の魔法ならコインとか、刃物の切れ味増すときは蜜蝋とか。そのコスト。今のゲームだと魔法攻撃力を上げる武器が高額ってのが定番だろうか。
④魔法使い協会など所属する組織に納めねばならない
これは魔法が一般的でない設定の作品のほうが向いている気がする。魔法使いはアーサー王物語のマーリンのような超越的存在で、森の奥とか塔とかに一人でひっそり住んでる古典的なファンタジー世界だ。
⑤将来は研究者になりたいのでお金を貯めている
戦士に比べれば肉体的な限界が遅いとはいえ、やはり冒険者を続けられる年齢には限界がある。また魔法使いはしばしば錬金術や古代魔法を研究していたりするので、費用はいくらあっても多すぎるということはない。
とりあえずパッと思いついたものを書いてみた。
こうしてみると、レベルアップで自動的に魔法を覚えるドラクエやウィザードリィの魔法使いは、相当に恵まれているのかもしれない。もっとも世界の危機ゆえ、王様が魔法の修得費用を出してくれているのかもしれないが。
ところで防具不要で思い出したのだが、ウィザードリィで前衛がみんな裸忍者だと、誇張や冗談抜きで六人全員が完全無装備で酒場からダンジョンに向かうことに……。
懐かしいアニソンが脳裏をよぎる。マッパGOGO、マッパGOGO、マッパGOGOGO~♪
走り出したら後には退けぬ……いや退いてくれ服屋まで。
ラスボスを討伐する前に衛兵に逮捕されたくなければね。
【裸忍者とは】
ウィザードリィの忍者は何も装備していない状態だと、レベルが上昇するにつれて防御力(回避率)がアップし、最終的には最強装備を上回る。ゆえに高レベルの忍者は、戦利品を所持する枠を空けておくため無装備になることが多い。
現代の格闘技選手のように、動きを阻害しない服を着ているという説もあるが、イラストなどでは絵面の面白さを優先して、覆面以外は全裸というパターンが大半。
これでホーネットスワームと戦ったらアパッチ野球軍の主題歌である。




