表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
40/90

040 悪の鎧と悪の盾

 6話で紹介した「支えの盾」だが、同等ないしそれ以上の性能を持ち、なおかつ入手が容易なアイテムがある。悪の戒律の者にしか使えない「悪の盾」ことシールド+3(イビル)だ。


 ところでこの盾、レトロゲーに詳しい方はご存じかもしれないが、二種類が存在する。


 具体的に言うと、一作めの「狂王の試練場」で入手できるものは、+3と表記されるものの実際には+2に過ぎない。

 これには理由があり、やはり悪のキャラにしか使えない「悪の鎧」ことプレートメイル+3(E)が関係している。というのもこの鎧、+3とは大嘘で実際には+4の防御力を誇るのだ。


 つまり二つを同時に装備すれば平均してどちらも+3ということになる。実際、やはり+3の剣や兜とともに、悪シリーズはセットというのが昔からの定説である。


 だが二作めの「ダイヤモンドの騎士」では、どちらも字面どおりの+3。この違いの理由を考察してみたい。


 一作めの舞台は、悪の魔法使いワードナが立て籠るダンジョン。対して二作めは、大地の神ニルダの寺院。ここに謎を解くヒントがありそうだ。


 ワードナは狂王ことトレボーから魔法の護符を奪って叛旗を翻した人物だ。手下に使わせる武器がコスパ最優先だった(2話参照)ことを考慮しても、自陣営の装備は実用性を重んじているのが分かる。一介の魔法使いが国王とやりあうのだ、見てくれなんぞ気にしてられん。


 一方ニルダ寺院は長い歴史をもち、人々の崇敬を集める存在である。となれば内部を飾る武具や奉納品には何十年、何百年前のものも多いに違いない。昨日今日おっ始まった新興宗教とは伝統が違うんだぞ! と見せつけるために。


 さて、ここでリアル中世における盾と鎧の変化を見てみよう。


 簡単にいうと盾はどんどん小さくなっている。金属加工技術が進んで鎧が鎖帷子チェインメイルから板金鎧プレートメイルに、さらに馬上槍試合トーナメント用の鎧といった具合に防御力が上昇すると、盾がなくても身を守れるようになっていったからだ。実際の事情はもっと複雑なのだが、文字数が足りないのでお許し願いたい。


 以上を考慮すると……


 ワードナのダンジョンで入手できる悪セットは、鎧の防御力を増強し、その重量増加の帳尻合わせに盾を軽量化した、いわば改良された後期型なのではないか?

 盾は弱いが鎧は強い、それはつまり盾を捨てて両手で武器を持っても防御力の低下を最小限に抑えられるということだ。


 これは最適化による総合性能の向上といってよかろう。ちなみにシナリオ1と2の未来のお話であるシナリオ3でも盾は全体的に弱体化している。


 対してニルダ寺院のそれは古式ゆかしい前期型。実用性では劣るかもしれないが、伝統的権威の演出を優先したものと思われる。私はこんな妄想をしたのだが、あなたはどんな答えを見つけられただろうか。


 ところで悪の戒律というのは、友好的なモンスターでも問答無用で攻撃する掟を守らねばならない。漠然としたイメージだと、むしろ善の戒律の方が「モンスターは人類の敵! 悪即斬!」と戦いそうな気がしなくもないのだが……。


 善悪は時代で、露骨に言えば権力者の都合で変わる。

 大昔には徹底抗戦派が善とされていた時代もあったかもしれないし、今日でも「本当の『善悪』とは何か?」という哲学的、宗教的な論争になっている可能性もある。


 小説やコミックだと、ハ・キムやロキの鎧はワードナ経由だから漆黒でトゲだらけの「いかにも」なデザインだったが、ニルダ寺院で発掘されるものは勇者みたいな感じだったりして。


 もしかしたら君主の聖衣と間違えて装備し、呪われてしまう君主ロードがいるかもしれない。そんな悲劇を回避するためにも、酒場の司教ビショップ(4話参照)には頑張ってほしいものである。

軒並み+3の悪セット、籠手だけないのは何故だろう? まさかプレートメイルで全身固めてて手だけ革手袋でもあるまいし。銀の籠手ですら+2止まりということは、パーツが細かすぎて技術的に造れなかったのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ