014 僧侶は人手不足?
一回あたり1000字前後を予定してたのに、何だかんだで毎回オーバーしてるなあ。まあ1500以内なら大して変わらんか……
以前ウィザードリィにおける種族の比率について書いたが、今度は職業について考察してみたい。
いきなり結論から書くと、レベル関係なく戦士が二人、僧侶、魔法使い、盗賊が一人ずつ。最後の六人めは、ありふれてる順に戦士>魔法使い>司教というのがリアルな編成かと思う。
基本職のみなのは、物語の舞台リルガミンの文化圏の職業である司教と君主はともかく、遠い異国の職業である侍や忍者になる訓練を受けられる場所が少ない可能性が高いからだ。日本でも剣道部は大抵の学校にあるが、ドイツ式剣術部は聞いたことがない。ベニー松山氏の小説「隣り合わせの灰と青春」だと、ハ・キムは忍者になるため、わざわざトレボーの城まで来ていた。
君主はいわば聖騎士だ。これはどこかの騎士に従者として仕え、修行ののち叙任を受けるというパターンか? その辺の農民に門戸が開かれているとは思えない。
上級職でいちばんハードルが低いのは司教。これなら少し大きな町、運がよければ片田舎の村にもいそうなので、そこで教えを受けることも可能だろうから、基本クラスに混じっていてもそう違和感はない。
ゲームだと最終的には上級職のみのパーティになりがちだが、実際には転職する者は稀だろう。基本職でも大きく困ることはないのに、わざわざ五年もかけて1からやり直す(転職すると五つ歳をとりレベルも1に戻る)ドMはそういまい。上級職は成長が遅いので、転職しなかった同期の基本職連中に加速度的な差をつけられるとあれば尚更だ。
ここまでは職業だけの話。種族との兼ね合いを考えてみよう。
明確な設定はないが、リルガミンでは人間族が人口の多くを占めているとされる。そして、彼らは信仰心の初期値がわずか5。つまり、幼少より神の教えを叩き込まれでもしない限り、信仰心11が必要な僧侶になれる者は少ないことが予想される。性格が中立ならその時点でダメだし。
そして僧侶は、危険な冒険者にならなくても生活できる。日常生活でも怪我人は出るし、冠婚葬祭も忙しい。教会という組織で出世できれば、冒険者よりずっと豊かな暮らしができよう。当然、冒険者という道を選ばない者は少なくないはずで、人間の僧侶は意外と少ない可能性があるのだ。
これは妄想だが、エルフ、ドワーフ、ノーム(いずれも信仰心の初期値は10)の中には、「人間族では僧侶が不足気味だぞ」と僧侶になるケースもありそう。需要が多くて供給が少なければ、そこを狙う者は出てきて当然である。
魔法使いの場合、人間は知恵の初期値が8。また魔法使いはどの性格でも知恵11でなれるので、人間族にとっては僧侶よりハードルが低い。あとは魔法を学べる環境がどれほど整っているかによるだろう。
田舎の村でも魔法使いがいれば学べるかもしれないが、やはりある程度の経済的余裕、社会的な地位がないと難しいとするほうがそれっぽいだろうか?
以上をまとめると、六人めは戦士というのが一番ありふれた編成と思われる。
種族のときも書いたが、これはあくまでもリルガミンという国における全体的な傾向の話だ。上級職だらけの勇者パーティみたいな冒険者だっているはず。そういうキャラの視点でプレイしたいなら、そうするのが一番だ。
だが、作れるキャラクターは二十人、メンバーを固定するならパーティは三組。一組くらいは、モブっぽいパーティにしてみるのも一興ではなかろうか。
気まぐれに他作品の宣伝でもしてみましょうか
ハイファンタジー
「習作その1」
「元ギルマスの手記」
歴史
「長篠城のいちばん長い日」
その他
タイトルは実際にはもう少し長いです




