010 ドレイク陣営のメカデザインの変遷
再びダンバインを語ろう。今回は脱線気味で、アニメを知らない人には訳が分からないから注意。そういう人はスルーしてほしい。
メカのデザインといえば、ドレイク陣営のマシンは前半の主人公機ダンバイン(主人公は最初ドレイクに召喚されるが、彼の邪悪さを見抜き反ドレイク陣営に寝返る。その際ダンバインも持ち逃げした)はカブトムシがモチーフで主人公メカっぽく、その原型機ゲドも割とおとなしめなのに、これ以降の機体はまるでドレイクの野心、悪しきオーラ力の増大に比例するように、完全に見た目からして悪役なのである。なぜなのか。
理由はいくつか考えられる。ひとつは威嚇。序盤はロボットが出てくるだけで敵はビビってくれたけど、どちらも機械化部隊を保有している(ドレイクは資金集めのためマシンを多方面に売却していた)後半になると、シンプルなゲドやダンバインでは迫力が足らないのだろう。
設計をするショット・ウェポンは、ロボット工学の専門家であってデザインの専門家ではない。周囲から「もっとトゲとかつけないと!」と言われ、「そんなものかなぁ」となんとなくOKしたのかもしれない。
もうひとつがバーバリアン国家、クの国の影響だ。
ビアレスの登場時期から察するに、遅くともビランビー、たぶんドラムロが開発されていた頃には、ドレイクのもとにはクの国から送られてきた技術者がいただろう。同盟国への技術的な協力体制というわけだ。
そしてショットに次ぐ地位にいた技術者ゼット・ライトは戦士としての功名を求めるようになったので、操縦訓練のため開発現場を離れたはず。その後釜にクの国の技術者が収まった可能性はないだろうか?
いずれドレイクに取って代わろうという野心家のショットにとって、クの国とのパイプ役は欲しかっただろうから……。
朱に交われば赤くなる。いやドレイク軍の鎧もともと赤いけど。かくてヒャッハーなお友達の影響で、マシンはどんどん悪人面になっていった……私はそんな妄想をしていたりする。
だが、ここのメカの中でいちばん不可解なのはビランビーだ。この陣営のロボットは昆虫をモチーフにしている(ドラムロのモデルはゾウムシ、一説にはカナブン。カニではない)のに、こいつだけ頭にヒレがついてるのである。アニメには登場しないが、同系統の上位機種ギトールを見る限りモチーフは魚っぽい。
ロボット以前にはクラゲっぽいメカも作られていたから、初期は水棲生物モチーフもあり、その名残だろうか? それともメカの装甲は怪獣の甲羅を使っているから、こういう姿の怪獣が大繁殖でもして狩りまくったのか? よくわからない。
空想は心の産物である。私はバイストン・ウェルの物語を覚えてはいるが、まだまだ心豊かではないようだ。
ちなみにドラムロの上位機種ガドラムは完全にカニ。これは装甲の素材になる怪獣の姿に関係しているらしい。PSのゲーム「聖戦士ダンバイン・聖戦士伝説」では、ショットはこの機体やビランビーをこっそりリの国に横流しして謀叛のための資金集めをしてた。




