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通常モードは暴走列車~悪役って誰が決めるんでしょう?  作者: 楽々ふぉん
第一章 第一部 日常
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噂と口コミ



 まるで都市伝説じゃない。

 私が無理難題を言ってるって、その程度じゃ悪女とは言われないでしょ。


「悪女ってどんな事したらそこまで言われるの?」


「妹の婚約者を欲しがって、無理矢理交代させたとか、その婚約者にも飽きて破棄したって聞いたぞ」


「妹? お兄ちゃんだけじゃなくて妹もいるの? 知らなかったわ~」


 あのサイコパスみたいな兄貴だけじゃなくて、妹もいるなんて今まで見た事も会ったことも無かったけど。

 一体どこから湧いて来たのよ。


「悪女がいじめるからって、他の屋敷にいたってはなしだぞ」


「他の屋敷ねぇ」


 侯爵家の資産を使って、どっかに家でも買ったんでしょうね。

 

「その悪女が捨てた婚約者はどうなったの?

 また妹と婚約したのかしら?」


「そこまでは知らねーな」


 存在したかどうかも分からない婚約者を妹から奪っただの、破棄しただの、これだけ聞くと凄い悪女じゃないの!

 妹とやらもいるみたいだし、果たしてどうしたものかしら。

 接触しようにも難しいわね。

 この仕事が楽しすぎて、アイツらを追い出す事がメンドクサイって思った所だった。





 どこの世界でも、同じことを真似して始める店はいくらでもあるわね。

 でも、計算が早く出来ないと伝票を作っても難しいでしょうに。


「イリス、あそこの店も、向こうの店も、うちみたいにメニューに絵を付けて、サンプルを置くようになったんだよ」


「女将さん、まだ計算力はうちの方が上だし、これからはテイクアウトも始めましょうよ。

 店の外で量り売りをするの。

 お肉料理だけ買って、子供たちと家で食べたいって人もいるわよ。

 テイクアウトの方が少し割安にするの」


「何でだい?」


「それはね、持ち帰る間に腐ったり、すぐに食べない事で細菌が増えて腹痛の原因になったりするからよ。

 その為に安くして腐っても責任持てないから早く食べるように促すのよ

 それに容器を持参されたら、こちらも洗い物の手間が省けるじゃない」


「そうだね! テイクアウト、って良いね」


 問題は持ち帰る人が持参する容器が統一されていない事で不満や不公平感を生む事だわ。

 見た目の違いだけで、量は一緒だって事を分からせないといけないから。

 単純な天秤ばかりを作って、基準の重さを決めて、測る器をこちらで用意した物にしてそこから目の前で持参した容器に移してやらないとダメね。


 試しに飲みに来た人たちに、おうちの家族へのお土産はどうかって宣伝してみることにした。





 夜のお客は酔っ払いだから、持ち帰る為の容器が無い。

 もし容器をこちらで付けるとなるとかなりの割高ね。


「ご家族に容器を持ってくれば少し割引になるって宣伝してね」


 これが意外と広がることになった。

 そして、口コミが上流階級に広がったのは、常連さんの中に騎士団の人がいて、そこからだった。

 テイクアウトもすぐ真似をするでしょうね。

 でも、なんの注意もせず出したら食中毒を起こすわよ。

 人気の卵料理は危なくて出せないけど黙っておく。


「あそこの店は卵料理を出すのに、こっちでは出さないの?」


 度々聞かれ始めたので、安く出来ないからだと伝えたら、思惑通り他の店ではどんどん卵料理を出す様になった。

 ちょっと気の毒だけど、自滅してくれればいいわ。

 この世界に食品衛生って考え方が無いのがダメね。

 私はお客に注意したわよ? すぐに食べないと、料理が傷んでお腹を壊すから三十分以内に食べないと責任は持てないってね。

 ちゃんと伝票も渡したし、切り離すタイプで割印にしたから偽物とは言われないわ。

 うちは卵料理を出さないだけだから。

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