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通常モードは暴走列車~悪役って誰が決めるんでしょう?  作者: 楽々ふぉん
第一章 第一部 日常
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ヒバリが丘亭

 夜の混雑する前に、メニュー表を作り直してみた。

 そして価格帯も一律から安いもの、値上がりしたものも含めて全てを変更した。

 ただ、値が上がると払いたくない、注文したくないとなるから、同じ商品として一律の金額のものと、名称や盛り付け方を変えて新商品としてほんの少し値上げいたものを増やした。

 量に差を付けたり、違う物を足したり引いたりして。


 そして、受付カウンターの棚に、新商品はサンプルを一食置いておくことにしてもらった。

 それが私の対価に今のところなる予定だったし、再利用できるしね。

 大体公爵家の残飯なんかよりよっぽどマシだったから。




 現物を見せるって大事だなぁ、とつくづく思った。

 サンプルで置いてある料理は値段が違っても、快く注文して払ってくれた。

 そして一番売れ筋を少しだけ値下げして出した。

 そうなると一番の売れ筋が安ければ他の人も呼んで一緒に飲む、他の店にいる人も呼ばれてくることになったり、口コミって大事ね。

 

「イリス! 凄いわ! こんなに客が入った事ないよ!

 厨房の旦那なんて、フライパンを持つ腕が痛いって泣き言いってるわよ!」


 女将さんは豪快に笑って、喜んでくれた。

 お客も支払いの時にしっかり伝票を渡したことで、納得してくれた。

 割り勘にするのも最初から合計金額と、人数で割った時の金額を出してあげると感謝された。


 こうして、『ヒバリが丘亭』での一日目が終わった。


 帰りに貰ったサンプルのごはん、冷えててもすっごく美味しかったわ!

 明日も頑張ろうっと。






 いつの間にが『ヒバリが丘亭』は大人気店になっていた。

 ほんの数日前までは普通のお店だったのに、今は入れない人がいて外にも座席を作るほどだった。

 デッキテラスって言うとカッコいいけど、所謂、新〇とか上〇とかの飲み屋状態。

 通りにもテーブル代わりの大樽で立ち飲み状態。

 そのうち屋台で移動販売でもしようかしら。

 テイクアウトが出来るようになれば、違う層にも売れるだろうし。

 店に来てもらうばかりが飲食店じゃないものね。

 デリバリーも始めたいけど、信用できる人がいないと出来ないのも確かだし、人脈を作ることも始めないと。


「イリス、こっちにビール二つ! それに焼き鳥盛り合わせも」


「はーい、ただいま!」


 店内のあちこちで注文が入ると、伝票に素早く書き込んでいく。

 それは前世で使っていた文字で一文字に正の字を使って数えると、早くて計算もしやすいし漏れないから。

 焼き鳥なら ヤ、ビールなら ビ、でね。

 各テーブルの番号に合わせて伝票も置いてあるから、知らないとは言わせないわ。


「安くて助かるし、値段が張るのも美味いし、良い店だよなぁ」


 そう言ってもらえると、女将さんも旦那さんも喜んでくれるし、私のお腹も満たされるわ。


「おい女将、イリスの給金を上げてやれよ~」


 酔っ払いのおじさん達は、勢いに任せて言ってくれるけど、ここはまず我慢。


「働かせてもらえて、ご飯が食べれるんだから、それだけで感謝です!」


「健気だねぇ、侯爵家の悪女とは大違いだ。

 今日も無理難題のワガママで、坊ちゃんを困らせてるんだってよ!

 あそこに知り合いの娘の友達がメイドで働いてんだ」


 出た! 知り合いの知り合いとか友達の姉弟の友達とか、一番信憑性のない噂をばらまく時に使う手段だわ。

 たどり着けない知り合いは、他人なのよ。

 

「へぇ、その娘さんの友達って何て名前?

 もしかしたら私の友達の友達も働いてるから、知ってるかも」


「う、うん? なんだっけなぁ。

 知り合いの娘はジニーってんだが、うーん」


「じゃぁ、ジニーを知ってる子がいるか聞いてみるね。

 もっと面白い話があるかもしれないじゃない」


 酔っ払いの戯言とも言えないわね。





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