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思い出した事、忘れた事

 えーっと、ここって見覚えあるけどどこかしら?

 頭が痛くて痛くて、起き上がろうとして脳みそが揺れた気がした。

 手は小さい、これは子供ね。

 おかしいわ、私って子供だったかしら?

 頭が働かなくて、もう一度ベッドと思わしきふかふかに寝転がった。

 周りは明るくて、天気は良かった。

 部屋は広い、しかも豪華、でも見覚えがあるだけで、自分がいて良い場所なのかも分からなかった。





 看護師さん?にしては服装がメイドっぽい女性が入って来るや否や、大袈裟に騒ぎ出した。


「お嬢様! 気が付かれたんですね! 今、執事長を呼んで参ります!!」


 キンキン声を上げて部屋を出て行ったけど、誰かしら?


 程なくして大人たちがたくさん入って来た。


 口々に誰かの名前を呼んでいるけど、私には何にも感じなかった。


「あぁ、良かった、本当に良かった。

 このまま目覚めないかも知れないと、お医者様も言っていたんだよ」


 かなりイケメンで三十代半ばのこの男性は? と思っていたらもう少し若い女性も私の横で泣いていた。


「イエニス! 大丈夫かい?」


 今度は年若い少年? 青年? なくらいの男子が覗き込んできた。


「イエニスってば!!」


「あの、ダレですか?」


 取り敢えず疑問を直球で投げてみた。

 こんな中世のドレスとか、私の知ってる知識の中では大分昔な気がする。

 ドッキリ? 何かの番組? カメラどこよ?


「イエニス! もしかして覚えてないの?」


「はい、頭が痛いのでどこかぶつけたんじゃないかな~とは思うんだけど」


「屋敷の階段の一番上から転げ落ちて、血まみれだったんだよ! 

 誰かに押されたって言ってたじゃないか!」


 そんな記憶はさっぱり、ん、さっぱり? さっぱり……、あ、押されたわ。

 誰によ? 打ちどころ悪かったら死んでるじゃない!

 あれ? 私、テレビを見てたのはいつだったのかな?


 ぐるっと一周回って、思い出せそうで出せなかった。

 ここはひとつ、スタッフのお芝居に乗ってやろうじゃないの。


「イエニスって名前は何となく……、でも誰が押したか……」


 大体家の中で押されるって相当ヤバいでしょ!

 う~んて何か思いださないかって頭をひねっていたら、思い出しちゃったよ。

 お前だよお前!


「あ、兄様、お兄様の手だけ覚えてるんですよ」


 そう、押したのはアンタ。

 そのさ、いかにも貴族のご子息ですってした親指のデカい指環ね。

 それを覚えてたわ。

 大体、似合わないってーの。


「な、なにを言ってるんだ! 混乱してるんだ、それとも精神がおかしくなってしまったのかい?」

 

 あ、こいつ私を精神病患者って事に仕立てようとてんな、って理解した。


「お兄様の指環をした手しか覚えてませんのに……」


 そう、手しか覚えて無いって言ってあげたのに、自分から馬脚を現してくれましたよ。

 いくらドッキリのスタッフだからって、やって良い事と悪い事があるって。



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