復活、です!
……本当に嵐のような人ですね。雰囲気ぶちこわしですよ。
「はぁ、あいつはいつもそうだな。なんか面白そう、って言いながら真面目な雰囲気を壊していく。それもなぜか最後にはいい感じになるから怒るにも怒れん。」
「そうですね。すべてを知っているかのようなタイミングで場に入ってきますよね。ですが、今のを野放しにしてもいいんですか?魔眼の存在はよく知られているとはいえ、それは上位ランクの冒険者の間だけですし。」
「当然、いいはずがない。あとでしっかり言っておく。まあ、この部屋にノックもせずに突貫してきたのは目をつぶろうか。」
そう続けるギルマスの顔にはうっすらと笑みが浮かんでいます。あのめちゃくちゃなエウロペさんはギルドの中でも愛されているんでしょうね。
「さて、やると決めたのならさっさと行動に移せ。魔王様の期待に応えたいのであれば、時間はいくらあっても足りないぞ。」
「分かりました。」
「ああ、そうだ。それと冒険者カードをしっかり使ってるか?あれは結構重要なことが書いてあったりするからな、こまめに確認しておいた方がいいぞ。」
「……なるほど、ありがとうございます。全然見たことがありませんでした。」
そうです。最初の時に神様が乱入してきたその時に少しだけ確認しただけで、それからは冒険者カードは身分証明にしか使わないですね。
「では、失礼します。ちょっとダンジョンに行ってきます。」
善は急げ、です。やると決めたのであればさっさと行動に移さないと、心が鈍ります。
ギルド長室から出ようとしたとき、
「ルナさん、下で待っておいてください。今日は私も同行します。というか、さっきも言いましたよね?何を一人で行こうとしているんですか?」
とソフィアさんから呼び止められました。
そう言えばそうでしたね。これまで誰かと行動することの方が少なかったので自然に一人で行動しようとしてしまいますね。うぐっ、ソフィアさんの視線が冷たいですね。となると取れる手段は一つしかありません。
「い、いや。もちろん覚えていましたよ。はい、では一階の受付の所で待っています。」
そう、逃げしかありませんね。背中に刺さる二つの痛い視線を感じながらギルド長室から飛び出しました。
ふう、一階に戻ってきました。そこで適当に時間を潰していると、上から装備を整えたソフィアさんがおりてきました。
「お待たせしました。それで、今日はどこに行くつもりだったんですか?」
「今日はトカゲの鍛冶場に行ってみようかと思ってます。昨日イゾウさん達とは竜の爪痕に行ってきたので。」
「いいですね。私も賛成です。ここから一番近いですし、頑張れば今日中に帰ってくることもできそうですね。」
おっ、ソフィアさんも賛成してくれました。なら早速行くとしましょうか。
「それで、ルナさん。話は少し変わりますが、冒険者カードの使い方をご存じですか?」
道中にて、ソフィアさんが口を開きました。
「はい。魔力を込めれば、自分の持っているスキルの情報とかが頭に直接入ってくるということですよね。」
「そうです。ですがですね、Cランク以上の冒険者カードには他にも機能があるんですよ。」
え?そうなんですか?ただでさえ便利だと思ってたんですが、それだけでなくもっと便利になるんですか?
「実は、このカードにはダンジョン内の地図情報を記録できる機能があるんです。ただダンジョンをぶらぶら歩いているだけで冒険者カードに記録できるという素晴らしい機能です。登録できれば、カードに魔力を込めるだけでその地図が頭の中に入ってきます。」
マジですか?そんなことになったら一回誰かが攻略できたダンジョンはとてつもなく簡単になってしまうのではないでしょうか?
「とはいえ、地図の情報がいくらあったとしても初めて行くダンジョンを攻略するためには相応の実力が必要ですけどね。なにせダンジョン内では背後から当然のように奇襲をかけられますし、それ以外にもトラップが大量に設置されています。しかもこのトラップは地図にはのっていないので経験がないと見破ることはできませんね。
なのでいくら情報があっても、それは攻略の手助けになるだけであって実力がないとダメというわけですね。」
「そうなんですね。なら私も地図の情報はいりません。手助けも本当に危ない時だけでお願いします。」
「当然、そのつもりです。なんなら追加で縛りも設けようと考えていますから。」
縛り、ですか?そこまでは考えが及びませんでした。確かにたった二週間しかないんです。自分でも分かってたことじゃないですか。
「縛りとは具体的にどのようなものにするんですか?」
「ふふ、聞いて驚かないでくださいね。それは――。」




