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魔王様との謁見、です

「いいですか、ルナさん。魔王様は確かに強大な力をお持ちですが、とてもやさしいお方です。とにかく礼を欠かないように、そして聞かれたことに対してしっかりと答えるんです。そうすれば特に問題はありません。ただですね、魔王様が楽し気なときは要注意です。本当に楽しんでいるのか、とても怒っているのかのどちらかですが、まあルナさんにとってはどちらもいいことではないでしょう。」


 魔動車の中でソフィアさんに教えてもらいましたが、正直頭に半分くらいしか入ってきていません。くぅう、これならもっとギルド長室で時間稼ぎをするべきでした……。あの時は何も考えられなくてすぐに聞かれたことに正直に答えてしまったので、トントン拍子で出発してしまいましたし。ソフィアさんが一緒に来てくれなかったらとんでもない無礼を働くところでした。


「一応言っておきますが、魔王様はあなたが想像しているよりも随分優しいお方です。残念ながらその強さゆえに恐れられることもありますけどね。ですが、私達は魔王様の庇護のもとに安心して生きていくことができているので、できれば怖いと思ってほしくはないです。」


 私の前に座っている文官の方が言ってきます。まあそりゃそうですよね。守ってもらってるくせにビクビクされていたら傷つきますよね。ですが、私は別に魔王様が強いから怖いというわけでは無いんです。初めて魔王様に会うということにすごい緊張をしているだけなんです。


 だって、魔王様ですよ?文字通り魔の王。太古の時代から生き続け、誰よりも魔法に精通していて、魔王様の魔法の前には不可能はないと言われているほどの方なんです。空から迫りくる隕石を撃ち落としこの国を守ったとか、原初の災害と言われる大昔に起こった最初のスタンピードをたった一人で鎮圧したとか。とにかく魔王様の逸話は探せばいくらでも出てきます。そんな私が手放しに尊敬できる数少ないお方にこれから会えるんですよ!?そりゃ緊張の一つや二つはしてしまうでしょう。見逃してください。


「さて、そろそろ着きますよ。魔王城の中に入ったら魔王様と謁見するまでは喋らないようお願いします。今日も普通に魔王城の業務が行われてますので。」


「わ、分かりました。」


 へぇ、今日も働いているんですか。ご苦労様です。まあ行政が止まったらアウトですもんね。


 魔動車を降りるとそこは魔王城の地下にある広場のようなところでした。私達がのってきた魔動車以外にもたくさんの魔動車があります。中にはきらびやかな装飾が施されたものもありますね。


「さて、では行きますよ。ついてきてください。」


 そう言うと文官のような人たちスタスタと広場の中を歩いていきます。そして魔王城内に通じているように見えた玄関の方に向かい、その前を通り過ぎました。……え?ここから入るんじゃないんですか?


 そのまままっすぐ歩いて行って立派な玄関のつきあたりを曲がり、裏側で止まりました。すると、


「魔王様、客人が参られました。」


と、小さく呟きました。すると


『……ご苦労。二人は私が移動させるからお前達は仕事に戻って構わない。』


「は。かしこまりました。」


 それだけ言うと役人さん達はすごすごと解散していってしまいました。そして全員の姿がちょうど曲がり角を曲がって見えなくなった時、私達の足元に突然魔法陣が現れました。


 そして次の瞬間には私達は厳かな雰囲気が満ちた部屋に立っていました。そして正面には玉座のようなものが鎮座していて、そこに魔王様と思しき人物が座っていました。魔王様は自身の体を覆い隠す大きな洋服を着て、その顔を隠すように簾のようなものを顔の前にかけています。


「……人の価値は同じだろうか。強いものも弱いものも、賢いものも愚かなものもいる。裕福なものも貧困なものも。

 聖人は言う。この世界は確かにそんなたくさんの種類の人によって作られている。だが、それでもすべての人の命は等しく尊ばれるべきであると。

 悪人は言う。この世界には明確な勝者と敗者が存在する。ゆえに、敗者の命は軽く、勝者の命は重いと。


 だが、私はその双方に異を唱える。すべての命が等しい?まさか、そんなことはあり得ない。それにもし命を等しいとしてもその等しい価値を誰が決める?勝者の価値が高く、敗者の価値が低い?もしそうであれば私からすればこの世界に生きるすべての生物が敗者で価値のないものだ。ならそんな価値の無いものに手を差し伸べている私は笑えないほど愚かだ。


 ゆえに私はこう考える。私がこの魔国のすべての価値を決める。私だけが基準だ。この世界に存在するすべてのものも生きる人間も、全ての価値を私が決める。」


 そこで言葉をきると、魔王様はゆっくりとこちらに手を差し伸べてきました。


「吸血鬼の娘、私がそなたに適切な価値を与えよう。」

読んでいただきありがとうございます!


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面白くなかったら、星1で構いませんので教えて頂けるとありがたいです。


明日も同じ時間に投稿するので、是非よろしくお願いします!

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