冒険者に登録できたようです。
「……すまない。取り乱した。じゃあ私がギルドの説明をしようか。いやその前に確認だが、ギルドに登録するということでいいのか?」
おや?ギルマスの赤い瞳が不安げ揺れていますね。ということはもしかして私は入らなければいけないなんてことはない……?
「いえ、ギルマス。僕とルナは親の方針で入ることが既に決まっているので大丈夫ですよ。」
そうでした。私には選択肢など存在しないのでした。優しいお父さんとお母さんですが、ここだけはなぜか譲ってくれなかったんですよね。
「そうなのか。じゃあ、まずは基本的な説明だけをしようか。」
そこまで言うと、ギルマスは机の中から何枚かのプリントを取り出して、それを立っている私に渡してきました。そこにはギルドのシステムが書かれていました。
一枚目にはランクについてです。一番下のFランクから一番上のAランクまであるようです。最初は一番下のFランクからスタートで個人の強さやギルドへの貢献度によってランクが上がるようです。具体的にはギルドに張り出される依頼を受けて達成したら貢献度が上がりますが、依頼を受けて失敗してしまった場合は逆に貢献度は下がるようです。また、長期間依頼を受けていなくても少しづつ貢献度要は下がるとか。要はギルドから信頼されればランクが上がって、信頼を損なうようなことをしたらランクが落ちるということですね。
で、二枚目には街の外にいる魔物の脅威度についてです。こちらは一番下がEで一番上がSです。こちらはランクと同期しているようです。なので、討伐は大抵がEランクから始めることを推奨されているようです。脅威度B以上については以下のように書いてありました。
脅威度B……ダンジョン内に主に存在し、一年に一度ダンジョン外でも存在が確認される。近隣の都市に壊滅的な被害がもたらされる。Bランクのパーティー、もしくはAランクの冒険者での討伐が推奨されている。
脅威度A……ダンジョン内に主に存在し、数年に一度ダンジョン外でも存在が確認される。国家的な脅威になる。Aランクのパーティーでの討伐が推奨されている。
脅威度S……ダンジョン内にボスとして存在し、十年に一度ダンジョン外でも存在が確認される。世界的な脅威になる。上位ランクの複数パーティーによる合同で討伐に挑まないと討伐は望めないだろう。
……ははぁ。まあこういうのと戦うのは未来の話になるでしょうから知識としては知っておきましょうかね。
そして最後のプリントにはギルドについての詳しい話が載っています。まず、パーティーを組んだ時のランクは全員のランクを平均したものになります。ちなみに端数は切り捨てられます。また、パーティーを組んだ時の報酬はパーティーリーダーにまとめて渡されるため、信頼できる人がリーダーになった方がいいとか。そして受けられる依頼は自分のランクより一つ上以下のものです。
……みたいなことが書かれています。まあ、要は常識的なことです。常識的なこと以外のことにはランクスキップ制度というものがあるそうです。ギルド加入時のみ、試験を受けることができて実力相当のランクに最初からつくことができるとか。
「読んだか?」
渡された紙から視線を上げると、それに気づいたギルマスが声をかけてきました。まあ、書いてあることはそこまで難しくないので簡単に理解できますね。
「はい。読み終わりました。それで具体的な依頼の内容などは教えてもらえたりするんでしょうか?」
「たいていが魔物の討伐依頼だな。この魔物を何体か倒してくれ、みたいな感じでな。今では人同士で戦うことがほとんどなくなったが、それでも魔物だけは健在だ。魔物被害は世界各地であるし、脅威度Eだったらギリギリ冒険者じゃない男が何人かいれば倒せるが、D以上になると厳しいだろう。そういう時に冒険者ギルドに依頼が来る。特に魔都みたいな大きな都市だと魔物の討伐依頼は絶えないな。」
まあそうでしょうね。強い人たちは魔都みたいな大きい都市の方に集中していそうですし。その分脅威度の高い魔物の討伐依頼も同じように集まるのでしょうね。
「それに魔物の死体は当然だが食材になるし、それ以外にもとれる素材を武器に混ぜれば攻撃力が上がったり稀にだがその魔物の特殊能力が引き継がれたりする。例えば火属性の魔物の素材を使えば、その武器の攻撃に火属性がつくことがある。まあ詳しいことは鍛冶師の方が知っているが、強い武器になると冒険者だけでなく貴族も欲しがることがあるからな。」
なるほど。確かに護身用だったりそれとなく飾って威厳を示そうと考えたりとかしてそうですもんね、あの連中は。
「さて、話はここら辺にして早速やるか。移動するぞ。」
え?何をするんですか?何も話が読めませんでしたが。
「これから試験だ、試験。」
「え?冒険者ギルドに登録するのに試験なんて必要なんですか?」
「いや、ランクスキップするだろ?ほとんどの冒険者はダメもとでも受けるし、ソルも受けたぞ。」
「ちなみに僕は最初Dランクスタートだったよ。」
へえ、お兄さんも受けたんですか。しかもDランク。なら私も受けるだけ受けてみましょうか。




