真祖ってもしかしてすごかったりします?
「ぎゃっはっは!吸血鬼の上に真祖だったのかよ!最高じゃねえか!」
「あなたこそ随分大層な肩書を持っているようですね。まあ、どちらにせよ私が勝つので関係ありませんが。」
「ぬかせ!ドラゴン魔法 ドラゴニックブレス!」
私めがけてまっすぐドラゴンの口から炎の吐息が迫ってきます。以前戦ったドラゴンのブレスは赤でしたが、こいつのは青いですね。完全燃焼でもしているんでしょうか?しかもそのブレスは空中で複数の炎の球に分裂していっています。
「血属性魔法 凝血・アイスドーム、クアドラ!それに凝血・アイスニードル、オクタ!」
私の後ろにいる二人を守るような形で氷属性の壁をドーム状に展開しながら、私自身は空を飛んでブレスを回避しながら氷の槍を放ちます。4重にしておいたのでさすがに大丈夫でしょう。
氷の槍はブレスに当たらないように空中を飛びながら四方八方からドラゴンに襲い掛かります。どうせ当たってもそこまで意味がないですが、一応です。それにもしかしたらドラゴン特有の弱点とかも動きから見つかったりするかもしれませんし。
「ぎゃはは!いいぞ!こんな手加減しまくりの魔法でも俺様の鱗を貫いてきやがる!それにあの鬼どもを守りながらかよ!最高か!
ならこれも受けてみやがれ!ドラゴン魔法 ライトニングブレス!」
何なんですか!?このドラゴンは!!さっき以上に魔力が口の中に込められていますよ!しかもあまりの密度にバリバリと放電までしています。
そして魔力が飽和したのか放電が収まった直後、その口から白光が煌めき、私の左腕が吹っ飛ばされていました。
「ぎゃはは!どうだ!ちっとはきいたか、おい!」
「効いたどころではないですね。即席とはいえ、私の防御魔法をいとも簡単に破った上に私の左腕を跡形もなく……。」
腰から下あたりがすべてなくなってしまっていましたが、もう既に修復が始まっています。左腕の付け根からみるみるうちに元通りに戻っていっています。まあ服は修復されないので腕はむき出しになってしまっています。
「ぎゃはは!そんなすぐ治っちまうんだからどうせ痛くもねぇだろう?!」
「そりゃ痛くはないですが。じゃあ、お返しといきましょうか。
血属性魔法 閃血・ライトニングフォール、ダブル。」
天井から二条の赤雷が降り注ぎ、ドラゴンに直撃しました。あのスタンピードの時のドラゴンは一撃で十分ダメージを与えられていましたが、このドラゴンはどうでしょう?
「ぎゃはは!無駄だぞ!俺様は雷と風を司るって言っただろうが!どれだけ威力があったところで俺様に雷でダメージを与えることは出来ん!」
「ならこれですね。血属性魔法 凝血・アイスメテオ!」
今度は魔法の発動と共に天井に大きな魔法陣が出来上がり、そこから大きな氷の塊が顔をのぞかせています。大きさは……。あ、ちょっとまずいかもしれません。
「ぎゃはは!なんて大きさの魔法だよ!この部屋に逃げ場所ねえじゃねえか!てめぇの仲間も逃げ場ねえんじゃねえか?!」
「まさか。私がそんな失敗をするわけがないじゃないですか。それよりも自分の心配をした方がいいのでは?」
「ぎゃはは!確かにな!いくら俺様でもこれはちょっとまずいかもしれん!だが、」
そこで言葉をきると、ドラゴンは体中に雷をまとわせ始めました。
「俺様はこの程度じゃどうにもできん!ドラゴン魔法 始まりの雷龍」
ドラゴンの言葉の直後、ドラゴンの体そのものが実体を失い、雷に変わりました。
「はぁ!?一体どういうことですか!?何がどうなったら雷そのものみたいな感じになるんですか!?」
「ぎゃはは!これは俺様達五帝龍のみが持つ特別な魔法だ!加護付きの魔法ですらこの魔法の前では意味をなさない!最強の魔法だ!」
……これはまずいですよ。本当にまずい。アレに勝てる想像ができませんよ。そもそもダメージ入るんですか?
とりあえず作っておいたアイスメテオを落とすとしましょう。……満足にダメージなんて通らないと思いますけど。
天井から落ちてきた氷の隕石はドラゴンに当たる直前で分解されて、空気に溶けていってしまいました。電気分解みたいなものでしょうか。
「ぎゃはは!無駄だって言っただろうがよ!今の俺様の前に魔法も剣も、いかなる攻撃も意味をなさないんだよ!
それにもしお前が真祖なら!これに対抗できるんじゃないのか!?」
……あー、これはやるしかないみたいですね。とはいっても魔力回路も若干疲労気味、その上でついさっき習ったばっかのことをやるんですか。
……ちょっとハードルが高くはないですか?まあやるしかないんでしょうけど。
「なら、ちょっとだけ待っててください。慣れてないので時間がかかるんですよ。」
「ぎゃっはっは!殺し合いの最中に待てなんて効くと思ってんのかよ!?ぎゃっはっは!
……でもまあ、面白そうなのも事実だ、今回は特別に待っておいてやるよ!」
「後悔しないといいですね。」
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