表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/163

楽しくなってきたなぁ! ※イゾウ視点

 アカリのやつと何も考えずに適当にしゃべってたら、突然部屋が暗くなった。いや、何も考えずにっていうのは喋る内容についてだからな?周囲の警戒を怠ってたわけじゃねえ。今言うのはなんだが、こういう緊張をほぐす感じに軽く冗談を言い合うのは冒険者の中じゃそれなりに重要だったりする。なにせ緊張で固まってたら全力なんて出せねえからな。


「どうするよ?このデカ物は?俺がやっちまおうか?」


 ルナの嬢ちゃんが頭を抑えてうずくまっている中、部屋の中央に魔法陣から現れたでかい竜が鎮座していやがる。あのスタンピードの時にちらっと見たのと同じくらいか。


 ……正直一人だとキツイか。この気配の大きさ、威圧感、結構マジな方の化け物か。ここに立っているだけでビリビリ来やがる。俺の目じゃもう計りきれないな。

 あのソフィアさんでも一人じゃだめだったみたいだしな。しかもその後昏睡状態に……。でもここは俺がやるべきだ。これまでのルナだったら一人でも大丈夫だろうが、今のルナを一人にするわけにはいかねえ。


「待て。いくら貴様でも一人では無理だ。私もやる。回帰を使ってすぐに終わらせるぞ。」


「分かってんのか?あれはスタンピードのボスモンスターとおそらく同じくらい。あのソフィアさんでも手に余った化け物だ。」


「だからこそだ。私が手数を、貴様は火力を重視しろ。それで勝てない相手はいないし、ソフィアさんの仇も討てる。」


「ルナはどうする。あの状態のルナを一人でサポートしきるのは厳しいぞ。」


「……リュウマ一人で何とかなる。それにまだ確信は持ててないが、ルナちゃんが()()()。多分な。」


「……だろうな。俺の目でもかなり色が濃く見えた。ならどちらにしろ大丈夫か。……リュウマ、ルナのことを任せたぞ。」


 そう言い、こちらの様子を興味深げに眺めているバカでかい竜の方に視線を送る。


「いや、ここは僕がやるよ。そうすれば……。」


「バカ野郎!お前のそれは本当に俺たちの内誰かが死にそうっていう時にしか使わない約束だろうが!」


「そうだぞ!私らは同じパーティーの対等な仲間だ、何が悲しくて仲間を犠牲にして生き残らなければならないんだ!

 ……リュウマ!貴様にとって、まだ私らは守る対象なのか!?」


 背後でリュウマが深刻そうな口調でバカなことを口走りかけやがった。まだ足りないって言いたいのか、この野郎!俺たちはあの時よりももっと、ずっと強くなった。俺たちの故郷みたいな狭い村じゃなねえ、この広い魔都でも上から数えた方が明らかに近いくらいのレベルにまで上り詰めたんだぞ。


「でも今は異常事態じゃないか!こんな大きいドラゴン見たことないし、もし君たちが死んじゃったら、僕はもう……。」


「いいから黙って見ろ!俺たちだけでこのデカ物に勝ってやるから、しっかり俺の雄姿をそのボロッボロの脳みそに刻み込め!」


「そうだ!私らはもう貴様に守られるだけじゃない!今度は私らが貴様を守ってやるから!」


「「行くぞ!鬼血回帰!!」」


 俺たちは同時に回帰を発動させた。これはまあ、よくエクストラスキルとかって言われるな。種族固有のスキルだが、冒険者カードには記されない。

 だからこれはスキルというよりは技術、といったところか。魔族ならだれでも持っている自分の原点に立ち返ることを戦闘に応用させたものだ。


 俺たちの場合は鬼。回帰が起こると、特徴的な角が額に現れる。そしてその色によってステータスの一部が爆発的に向上する。赤系統だったら攻撃力、青系統だったら移動速度、緑だったら治癒能力といった感じでな。

 俺の額からはルビーのように赤く輝く角が、ヒカリの額からはサファイアのように青く輝く角が伸びている。


「アカリ、さっさと終わらせるぞ。」

「ああ、時間がもったいないな。」


 俺たちが刀を抜いて構えると、ドラゴンも戦闘の気配を感じ取ったのか上半身をゆっくりと起こしてその巨体に似合わねえ小さい手をこちらに向けていやがる。魔法でも使うってか。


 隣に立つアカリの姿が俺の目でもようやく捉えられるくらいの超高速で消えた。……やっぱりスピードはかなわねぇな。


 大きく息を吸って、吐く。そしてゆっくり魔力を刀に浸透させていく。それと同時に刀身も赤く輝いていく。

 俺たちみたいな魔法を使えないやつでも魔力はあるからな。そんな俺たちの魔力の使い方はそこまで多くねぇ。身体能力を向上させるか武器そのものを強化する。中には感覚を強化できる魔人もいるが俺たちみたいな鬼はそんな器用なことは出来ねぇ。


「……だがな、俺は一段階だけ技のランクも上げることができるんだよ。」


 ――二刀流奥義 魔刃・紅夜叉


 俺の2本の刀から放たれた斬撃がデカ物の後ろ足の腱を斬り裂き、そのでかい図体が地面に落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ